地上最強のカラテ



イラスト:島村鰐さん
原案:島村鰐さん アレンジ:ナニコロ
■プロフィール
キャラ名:雑賀 蒼角(さいが そうかく)
キャッチコピー:地上最強のカラテ


性別:男
年齢:54歳
身長:176cm
体重:96kg
血液:O
国籍:日本
職業:空手道場『真道館』最高師範
趣味:道場破り……だったのだが、
   最近は顔が知れているので長いことやっていない
特技:トンヅラ
好きなもの:プロレス
嫌いなもの:『世の中、何でも好ましと思えば好まし!
       ぽじてぶが一番だよ、君ぃ!!』
大切なもの:空手道
苦手なもの:『それはもう若い娘(こ)だねぇ!いやぁアレは勝ち目ないよ!
       はっはっはっ!!』
好きな食物:キツネうどん
好きな音楽:頭脳警察、スターリン
得意スポーツ:柔道
格闘スタイル:当然、空手
■外見
 身長176cmにして体重96kgという重厚な体。
 普通なら肥満とも捉えられる体重だが、
 全身の肉が超高密度の筋肉に鍛え上げられた結果である。

 空手家に特有の四角ばった体格、手足は短く見えるが、
 肘・膝の関節も判らなくなるほどに濃密に筋肉が隆起している。
 物体を打ち据え続け変形したごろりとした丸石のような拳。
 全身これ凶器といった狂猛なオーラを発し、のし歩く姿を見ただけでも
 こちらが粉砕されるようなイメージを与える。

 顎の丈夫そうな四角い顔に、猛禽類を思わす鋭くぎょろりとした目。
 髪は既に真っ白だが、薄くは無い。
 横で分けたのを、ばっさばっさと流し、長い前髪が目元にかかっている。
(白土三平の服部半蔵のようなのを思い描いていただけるとよい)

 私服はスーツ姿だが、大会中は当然ながら空手着を着用する。
 なお、空手着の色は通常で黒。
■キャラストーリー
『真道流』といえば、日本最大の空手道場であり、
 その現最高師範の肩書きを持つ空手家が、雑賀蒼角である。
 根っからの格闘好きで、若い頃から数々のストリートファイトに加え、
 牛殺し、熊殺し、鰐殺しなど様々な武勇伝を残している。
 齢五十を越えてもなお、最強説の絶えない『生きた伝説』である。

 『真道流』には他にも有名な格闘家を排出しており、とりわけ有名なのが、
 世界総合格闘技大会でも有数のトップファイターである『月影彰』などがいる。

 月影彰は、日本人でありながら、
 ヘビー級ボクサーに対応出来るほどの優れた体躯を生まれもち、
 格闘の吸収力は、天才とも言うべきセンスを持っている。
 欠点といえば、人格面に多少の難点があるぐらいだ。

 そんな彰には、『月影なのは』という娘がいる。
 当時4〜5歳。
 月影彰は、多くの格闘技大会に出場するため、
 毎日トレーニングを繰り返し、家にいることは少ない。

 そのためか、月影なのはにとって、
(良くも悪くも、『あまり知らない』)父は、憧れであり、
 彼のような強い選手になることが、物心ついたときからの
 彼女の夢となっていた。

 真道流道場に珍しく月影彰が練習に来ることとなった。
 そして、月影彰が夢である月影なのはは、
 体験入門という形で、初練習に及んだのである。

 雑賀蒼角もその場に居合わせた。

 天才が連れて来た娘に、
 周囲が期待と、暖かい眼差しで見守る中、それは起こった。

 幼く初練習ということもあり、拙いながらも一生懸命に
 『空手紛い』を行なう月影なのはに、月影彰は言ってのけたのである。

「お前、才能無いからやめろ。目障りだ」

 確かに、月影なのはの才能は凡才より劣っていた。
 それでも『真面目に、諦めずに努力』すれば、
 かなり良いところまでいけるに違いない。

 ただし……月影彰にとって、それは無意味な行為に等しいのだ。

 何のために格闘技をするのか。何のために強くなるのか。

 真道流空手の場合、
 『鍛錬という行為を通じて肉体と同時に精神性の面でも高みに登ること』
 ということはモットーにしている。

 では、月影彰の場合はというと……『勝つ』ためである。
 賞金を得る、勝者という地位を得る、誰よりも優れた頂点に立つ……
 それらの総称として『勝つ』ことなのだ。
 そして、勝てぬものは、敗者であり、負け犬であり、屑なのだ。

 もしかしたらば……
 『天才児』月影彰からみて、才能の無い自分の娘に
 『どう頑張ってもゴミにしかなれないから、他の道を探せ』という意図を込めた
 彼なりの優しさだったのかもしれない。

 ただし、娘に与えたトラウマは相当なものであったあろう。
 結局、なのはの初練習の内容は、
 ほぼ、道場裏で泣きながら打ちひしがれているだけだった。
 そんな少女に、雑賀蒼角は肩を力強く握り、こう言ったという。

 「きみぃ! カラテをやりたまえ!」


 さて……
 『そういう出来事があったことをすっかり忘れてしまった』ある日のこと。
 雑賀蒼角の闘いへの餓えは限界に達していた。

 彼はもう、一人の格闘家ではなく、
 現最高師範・道場経営者としての肩書きを背負っているのである。

 大会を開けば、実行委員会とかの打ち合わせなどをせねばならず、
 主催者として大会を見守らなければならない。

 雑賀は本来、空手10段を会得できるだろう、と言われている実力者なのだが
 世界で空手10段を持っている人間がいないので、
 彼に誰も10段を与えることが出来ず、
 段検定があれば、審査員のみとして出張せねばならない。

 ああ、試合がしたい!
 死合いがしたい!
 久々に熊殺しがしてみたい!
 御機嫌で鰐殺しをしてみたい!

 だが、こっそりと大会に出場するには、顔が知れ渡っている。
 参加するには、周りが厄介だ。

 ……いや……一つだけある。
 こっそりと出場して、ばれない可能性のある大会が。

 香港の例の大会だ。

 だが、香港までどう言い訳して行くか……。


 その時、雑賀の頭の中に、10年近く前の出来事が蘇った。
 天才児・月影彰とその娘のやり取りを。

 ちなみに、例の一言で月影なのはを元気付け、
 空手を薦めておきながら、当時の雑賀蒼角は、
 なのはの指導は知人である兄弟弟子に押し付けてしまっていたのである。
 そして、そのまま忘れてしまっていた。

 だが、その知人のおかげで、月影なのはは大分成長したという。

 これだ!

 一般の生徒であれば、ここまでやることはないのだが、
 『天才児・月影彰』の娘という地位は、
 なのは自身がどう思っていようと、ナイスな使いどころがある!

 雑賀蒼角は、颯爽と月影彰のもとに訪れると、

「月影彰君! 君の娘を香港の格闘大会に出場させるぞ!」

「……は?」

「はっはっは! 大丈夫!
 こんなこともあろうかと、空手を薦めておいた!
 君ぃ、これからもカラテをやりたまえ!」

 と、言い残し、怒涛のように去っていったという。

 こうして……
 月影なのはに大会を参加させる、という大義名分のもと、
 雑賀蒼角は格闘大会にこっそりと、参加したのであった。


 雑賀蒼角という男は、良くも悪くも格闘馬鹿であった。
■サブシステム
・ダッシュタイプ:ステップ
  摺足で一定距離を移動する。
  後半はキャンセルして地上技を出すことが可能。

・バックステップ:摺足型
  移動距離が短いのが特徴。
  無敵時間も短い。
  足払い合戦向き。

・ジャンプ
  雑賀のジャンプは通常に加え大ジャンプと小ジャンプの三種。
  基本的にジャンプ軌道は低めで飛距離が短く、近距離での飛び込みが
  鋭く感じられるはず。

・流水 相手の攻撃に合わせて6or4、6のみ空中でも可
  相手の攻撃を軽く弾くようにして受け流す、ブロッキング動作。
  ガードで生じるような硬直とノックバックが一切なく、
  成立直後にすぐさま反撃できるのが利点。
  コマンドの都合上、入力による隙というものも無い。
  成立させるとゲージが若干蓄積する効果もある。

・ルートアタック 特定のコンビネーションアーツの途中でPPP
  月影なのはの持つ特殊技と同様。
  特定の「型」をなぞることにより気を整え、様々な特殊効果を得るというもの…
  なのだが、雑賀のそれはなのはと比べると種類も少なく、効果も
  攻撃力×1.2倍、削り能力付加の一種類のみ。
  これは雑賀がこの特殊技に関して未熟なのではなく、むしろ修練の結果
  『型』に頼らずとも常に高い能力を発揮できていることを示している。

・ダウン回避 ダウン直前に弱P+弱K
 ダウンする直前に受け身を取って素早く立ち上がる。
 レバーを入れた方向に若干移動しながら起き上がることも出来る。
■格闘スタイル傾向
 言うまでも無く、空手である。
 重厚で質実剛健といった印象の打撃技が中心の古風なカラテで、
 直線的で地味なイメージを与えるが、つぶさに見ると拳のほかに
 貫き手や平拳、指突きなどを使い分けていたり、
 単発で大威力の正拳から一呼吸で一気に打ち込むコンビネーションまで
 幅広い攻撃を持っていたりと、
 空手の奥深さというものを垣間見せてくれる。

<格闘スタイル補足>
 全体的に攻撃力は高いが技はオーソドックスで素直。
 理解はしやすいがトリッキーな動きで相手を惑わすような効果は
 期待できないので、基本をきっちり押さえて手堅く立ち回る必要がある。
 中間間合いでの牽制技の差し合い、跳び込む隙を窺いながらの地道な地上戦、
 確実な対空処理など、基礎力の充実が勝率に現れるようなキャラ。

 反面、連続技関係などはあっさりしているので初心者でも操作上の難易度で
 悩む必要は無いという一面も持つ。
 初心者から上級者まで、基本を身につけるに丁度良いキャラにしたい。
■通常技
 癖の無い技が多く、非常にオーソドックスな印象を受ける。
 リーチは平均的〜やや短い程度。
 色々な用途の技が揃っているので、
 各技の使い所を考えるのも楽しいかもしれない。
■投げ技
寸剄 6+強
 相手を掴まえ、密着状態から鳩尾に
 強烈なワンインチパンチを当ててふっとばす。
 相手は必ず前方へ吹き飛ぶ。
 間合いが離れるので起き攻めしづらい。

極め落し 4+強P
 腕の間接を極めつつ一本背負い投げ風に投げる。
 相手をすぐ後ろに倒すので、起き攻めしやすい。

膝地獄 4or6+強K
 クリンチ状態から膝蹴りを何発も叩き込む掴み系の投げ技。
 レバガチャ&ボタン連打でヒット数とダメージ増加。
■特殊技
カカト潰し 6+強K
 足を高々とあげて一気に踏み潰す、右外回し踵落とし。
 しゃがみガード不能で、ヒット時には叩きつけダウンを奪える。
 ダウン状態の相手にもヒットする特長があるので、
 ディレイスタンドなどを使う相手に狙ってみよう。

岩石割り 相手ダウン時に2+強P
 ダウン攻撃。
 踵潰しより早いので、
 追い討ちにはこれのほうが決める機会は多い。
■その他サブシステムに付随した攻撃
<主なコンビネーションアーツ>
・立ち弱P→弱P→中K

  ワンツーパンチから左内回し踵落としにつなげる連携。
  三段目の踵落としはしゃがみガード不能になっており、隙も無い。
  しかし、2段目から3段目は実は連続ヒットにならない。
  三段目は弱Kで下段のローキック、強Kで上段の回し蹴りに変化する。
  これらは3段とも連続ヒット。

立ち弱P→中K→中P→強P→強K→PPP
  ジャブ→左ハイキック→左右のボディブロー→→ローキック。
  月影なのはの持つ同様のコンビネーションと同じく、
  これもルートアタック対応技。
■必殺技
ド正拳 236+P
 渾身の威力を込めた正拳突き。
 これ自体の攻撃力が非常に高い上に発生が早くリーチも長いため
 連続技に使いやすく、ヒット時には『壁はりつきダウン』となるため
 更に追い撃ちが入る。
 とはいえ画面中央で決めた場合は間合いが離れているので
 追加入力以外での追い撃ちはまず無理。

 /気合 ド正拳中に66+P
  ド正拳からの追加入力技。
  壁に吹き飛ばした相手に対し気合で追い討ちをかける。
  正拳を決めた姿勢のまま「喝っ!!」と気合を発すると
  相手が再度『気』によって壁に叩きつけられるのであるが、
  要は超高速の見えない飛び道具が放たれているものと思ってよい。
  これもまた威力が大きく、跳び込みから強攻撃経由で
  気合まで決まると標準的なキャラでも体力1/3ほどもの
  大ダメージとなるのであるが、勢い余ってガードされているのに
  出してしまうと硬直が非常に長い。
  なお、ド正拳空振り時には出ない。

空中三段蹴り 236+K:3回連続入力
 空中に浮き、連続三発の蹴りを繰り出す技。
 後半になるほど隙が大きくなっていくので、
 途中止めと出し切りを使い分ける必要がある。
 3段目ヒット時にはダウンを奪える。

胴回し回転蹴り 214+K
 浴びせ蹴りのような技。
 隙が小さいので、間合いを維持する手段の一つになる。

前羽の構え 41236+P
 腰を落とし、両手をかざす構えを取る。
 この構え中に非飛び道具、下段技以外の打撃技を受けると
 超高速の正拳突きで反撃する当て身返し技。
■秘技
我道八連撃 236236+K
 やや前進しつつ一気に八段の連続攻撃を叩き込む。
 移動距離は短いので、ほぼ連続技用。
 一応攻撃発生の直前まで無敵なので、割り込みにつかえなくも無い。
 発生は弱攻撃から繋がるほど早く、
 ガードされても五分の状況になる為、使い勝手は悪くない。
■絶技
怒号双拳 236+PPP
 重い左正拳→さらに重い右正拳と続ける連続突き。
 この技の強烈なところは一発目がガード弾きになっており、
 一発目に当たってしまうと二発目の右正拳を確定で食らってしまう点にある。
 発生は早くなく、リーチも短いのでなかなか決まることは無いが、
 強攻撃キャンセルから出されるとガードキャンセル以外では
 回避不能(大抵空振りになるが)。
 使う側としてはむしろ画面端でド正拳を決めた際の
 確定追い撃ちとしてのほうが重要
(我道連撃ではカス当たりになる)。
■登場演出
登場A:
 置いてある土管を内側からの連撃で粉々に粉砕して登場。
 「破ッ! うりゃりゃりゃりゃりゃりゃりゃりゃッ!!
 火ァ――ッ!!! ……押忍」

登場B:
 瓦が50枚ほど積み上がっており、
 画面真上から雑賀が飛び降りてくると同時、
 瓦50枚全てが、手刀一つで真っ二つになる。
■特殊登場演出
vsなのは
 腕組みして頷きつつ
「うム! どぉーんと! 来るが良い!」
■勝利ポーズ
勝利1
 画面手前に礼
「押忍」

勝利2
 倒れている相手に向かってしゃがみこみ
「どうだ、カラテをやってみんか?」

勝利3
 連突き(ワンツー)の後、そのままの姿勢で
「カラテの道に、終わり無し!」

vsなのは
 勝利ポーズ(通常)Aと同様の礼、
 台詞のみ専用のものになる。
「うむ、これまで!」
■勝利メッセージ
メッセージ1
「なんの、まだまだよ」

メッセージ2
「どうだ、鰐殺しの鉄拳は。ありがたかろう?」

メッセージ3
「鍛えが足りぬな! はっはっはっ!」

メッセージ4
「あくまで押忍の心の下に喧嘩空手の野生忘れず!
 今日の勝者、明日の敗者とならぬため!」
■キャラ別勝利メッセージ
vsなのは
「聞きしに勝るスジの良さ! たゆまず精進するが良かろう!」

vs義仲
「ほ、ほう。なかなか良く鍛えたスネだな。で、裏は?」

vs炎虎
「なんの、おぬしもまだまだ先はあるぞ! 精進せい!」

vs麻生夏香
「おう! 良い目をしている! 君ぃ! カラテをやりたまえ!」

vsサトミ
「正義のためには、正しき力も必要だ!
 君ぃ! カラテをやりたまえ!」

vsナキム
「なるほど……道に迷ったと……。
 よし! 君ぃ、カラテをやりたまえ!」

vsチキン仮面
「ほう、ショープロレスか。わしも若い頃はよくやったものよ」

vs紗雪・ドゥルーベ・弔祇邸
「おう、これで『美女殺し』の称号も得たわけだな。
 はっはっは!」

vsデブコロ
「ははは! わしも逆立ちして闘って見るかな!」

vs疾風太郎
「そんなチャラチャラした忍術なんぞ、鍛えた空手には適わぬものだ。
 君ぃ! カラテをやりたまえ!」

vs白豚
「己の姿さえも見えぬ者は、真っ直ぐ歩くことも出来ぬものだ。
 犠牲を犠牲とも思わぬと貴様には、わしに永遠に勝てぬよ」


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