朱雀の守護神


イラスト:島村鰐さん
原案:あるてなさん
【プロフィール】
名前:アスタル・イヴァンス(本名:アスティア・フォールド) 
性別:女
格闘スタイル:朱雀の力+我流
誕生日:7月14日
年齢:17歳
出身地:日本(国籍はアメリカ合衆国)
血液型:A
身長:168cm
体重:48kg
趣味:ゲーム、愛車(乗用車・バイク)でのドライブ
好きな食べ物:チョコレートパフェ、ビーフシチュー、燻製肉
得意スポーツ:剣舞、アーチェリー
大切なもの:信頼できる人間(家族も含む)、宝刀「端鳳」
嫌いなもの:人間、弱いものいじめ、迫害、虐待
苦手なもの:信頼出来る人間に好意を抱かれる事
特技:地獄耳、家事全般、アクセサリー製作
家族構成:祖父母・両親・弟・義兄2人の8人家族
好きな音楽:自分が気に入った曲(主にゲーム関係の曲が多い)
スリーサイズ:B77・W54・H78

世界観:現代版月華「Last Blade」

【設定】
 四神の一角、朱雀の守護神。

 本来は人を思いやる優しい心の持ち主だったが、
 迫害を受けた事がきっかけで
 相手に心を許す事が出来なくなった。
 しかし、信頼している人物に対しては年相応の明るさ・無邪気さも見せる。

 黒い髪に黒い瞳。髪は短い。
 服装は黒(嘉神の白に対して)中心のシャツ・ジャケットとズボン・グローブ。
 服の着方は餓狼MOWのロックにやや近い。
 ジャケットの後ろには朱雀の絵が描いてあり、その絵の上には
 「RUBY PHOENIX(ルビーフェニックス=朱雀)」の文字が描かれてある。
 外見だけを見れば、華奢な少年にしか見えない。

【アスタルの設定・詳細】
 太古の昔より、世界を見守ってきた力。そのうちの「朱雀」が彼女である。
 彼女には素質があったためか、生まれつき朱雀の力が備わっている。


 幼少の頃、朱雀の力を使っている所を他の子供達に見られたせいで、
 「化物」と罵られ迫害を受け、それ以来人間不信に陥る。
 (但し、家族や数少ない友人に対しては普通に接する)
【プロローグ】
 空には、満天の星空が輝いていた。
 しかし……今日に限って、その輝きに魅入る事は出来なかった。

 何故なら……つい先日、世界各地で『力ある者』のみを狙った、無差別破壊が発生したからだ。
 そして……その無差別破壊と時を同じくして、負の感情が風に乗って、僕の元に流れてきた。

 それは無差別破壊から数日が経ち……窓を開けて星を眺めている
 今でも……変わらなかった。
 それどころか負の感情は、ますます強くなっているように感じる。


 憎しみ。恨み。悲しみ。力の渇望。
 
 
 「(この空気……まるで、常世の悪しき面そのものだな……)」

 僕は目を閉じて、意識を集中する。
 ……しかし、僕の予想はまんまと外れた。

 「(地獄門が開かれた気配は無い……か。一体何が……。
  それに……この感情は……)」

 僕はゆっくりと目を開き……星空を見上げた。


 この空……いや、この世界全てが負の感情によって汚れていく事が、
 僕にはどうしても許せなかった。
 何故なら……

 「……自分を信じてくれる人達の為に」

 確かに……自分や周囲の人達の心を傷つけた、嫌な人間もいる。
  
 「でも……いつまでも過去にしがみついていてはいけない……」

 大事なのは……『今』だから。

 「その『今』の運命が、四神である僕にかかっている……」

 それならば……僕のする事、出来る事は一つ。

 「僕が信じる人達の為に……この状況を少しでも、好転させる事。
  僕はもう……あの頃とは違う! 恐れるものは何も無い!!」

 ……そう、人同士の『絆』さえあれば。
【キャラ特性】
 極めて標準。
 素手なのでリーチ・攻撃力は劣るものの、素早さが高い。
 故に、手数で勝負するタイプ。

 しかし「手数で……」と言っても、基本的な技は一通り揃っているので、
 初心者にも向いている。

【スタート演出】
(※視線を相手に向け)
「身の程知らずが、また来たか……」

【スタート演出・特殊】
(vsアドニス)
アスタル「! 兄さん……!」
アドニス「(苦笑しつつ)……案の定、か」

(vsシルヴァン)
アスタル「……(プレイヤーに背を向けている)」
シルヴァン「心配……していたぞ。
       (アスタルから目を逸らし)……奴が、な」
アスタル「ふ、ふん……!(平静を装いつつ、前方に向き直る)」

(vs一条御影)
アスタル「か……母さんっ!? Σ( ̄□ ̄;」
御影「大人を甘く見るモンやないで、ホンマに♪(^▽^)」

【ダメージ・挑発】
【弾かれダメージ】
「チイッ!」

【1回目敗北】
「くっ……!」

【2回目敗北】
「くっ、なんて事だ……!」

【奥義系敗北】
「こんな……所、で……」

【時間切れ敗北・ドロー】
「ふん、命拾いしたな……」

【挑発・通常】
(※髪をかきあげつつ)
「馬鹿が……」

【挑発・vs掛け合い対応キャラ】
(※無言で髪をかきあげる)

【勝利】
【1回目勝利】
「ふん、雑魚が……」
(※クールに相手を見下す)

【1回目勝利・特殊】
(特殊掛け合い対応キャラ)
「……(相手に背を向ける)」

【2回目勝利(剣質「力」)】
(※プレイヤーに背を向けて)
「……無意味な勝利だ」

【2回目勝利(剣質「技」or「極」)】
(※グローブを軽く引っ張りつつ)
「……急ごう」

【2回目勝利・特殊】
(アドニス)
「ごめんよ、兄さん……」

(シルヴァン)
「まったく……素直じゃない奴……(--;」

(一条御影)
「ごめん、母さん……」

【攻撃】
【防御不可攻撃】
 焦拳・流炎
  腕を地面に向けて振り下ろし、炎の刃を発生させる。
  基本モーションは嘉神のものと同様。

【打ち上げ攻撃】
 焦拳・熾烈
  腕を振り上げ、アッパーを繰り出す。
  嘉神の打ち上げ斬りの素手版。

【追い打ち攻撃】
 レッグ・スタンプ(↑+C)
 「はっ!」
  前方にジャンプして、ダウンしている相手を踏みつける。

【通常投げ】
 クラッチ・スルー
 「そらっ!(相手を真上に投げる)/ブレイク!(指を弾く)」
  片手で相手の頭を掴んで反対方向へ引きずってから、真上に投げる。
  そして指を弾いたと同時に、相手が燃える。

【必殺技】
 スワロー・ウイング(↓\→+A)
 「そらっ!」
  腕を振り上げ、前方に炎を飛ばす。
  飛燕翼を放つ時の動作は、餓狼MOWのロックの烈風拳に近い。
  技名は「飛燕翼」の英語訳。

 焦咆吼(→↓\+AorB)
  対空技。嘉神の同名技と同じ動作・性能を持っているが、
  刀を使わないのでリーチは若干劣る。
  「紅蓮朱雀」へ昇華可能。
  (但し、焦咆吼から紅蓮朱雀へと連続ヒットさせるには
   タイミングが重要になる)

 フレイム・バースト(→\↓/←+AorB)
 「ふん……(投げ成立)/
  はあっ!(相手を燃やし、画面端へ吹っ飛ばす)」
 「クッ……!(投げミス)」
  コマンド投げ。片手を相手の前に突き出し、
  投げ間合いにいる相手を燃やす。
  燃やされた相手は、そのまま画面端へ吹っ飛ぶ。
  
 降炎蹴(空中で↓+C)
 「ふっ!」
  足に炎を纏って、相手に蹴りかかる技。
  分かりやすく言えば、炎を纏ったグライダースタンプ。
  しゃがみガード不可。

 焔舞(↓/←+C 3回連続入力)
 「やっ!/はっ!/せいっ!」
  ローキック→回し蹴り→踵落としを繰り出す技。
  ローキックは下段判定ではない(立ちガードできる)が、
  初心者なら食らってくれる(?)かも。
  また、踵落としに燃焼効果あり。
  ローキック・回し蹴りから「ブレイズ・ナックル」へ昇華可能。

【超奥義】
 紅蓮朱雀(空中で←/↓\→+AB)
 「終わりだ……!(発動)」
  空中から、炎を纏って相手に突進。突進ヒット時は更に上昇して攻撃。
  しゃがみガード不可。
  技の動作は月華1嘉神の「紅蓮朱雀」。
  
 ブレイズ・ナックル(↓\→↓\→+AB)
 「ブレイズ……(発動)/ナックル!(攻撃)」
  拳に炎を纏わせつつ相手に突進し、拳の連撃を繰り出す。
  分かりやすく言えば
  ロックの超必「シャインナックル」の炎版+多段ヒット版。
  出が早く削り能力も高いが、ガードされると隙が生じる。
  (相手にめり込んだ時は、ほぼ反撃確定)

【潜在奥義】
 鳳凰天昇(空中で←/↓\→+B)
 「これで……(焦咆吼)/最後だ!(炎を纏って上昇)」
  紅蓮朱雀の潜在奥義版。
  こちらは、
  「炎を纏って相手に突進→焦咆吼→朱雀の形をした炎を纏って上昇」
  ……という流れになる。
  これも、しゃがみガード不可。
  技の動作は月華2嘉神の「鳳凰天昇」。

【乱舞奥義】
 図南鵬翼(↓↓+AorB)
 「せいぜい足掻け……!」
  発動時の↓↓+Aはアッパー、↓↓+Bは足払い(弱)。
  フィニッシュ動作はそれぞれ以下の通り。
  《傾向:スタンダードタイプ》

  通常ルート→焦拳・流炎(↓\→+C)
  下段ルート→足払い(強)(↓\→+A)
  打ち上げルート→焦拳・熾烈(→+BC)
  特殊ルート→焔舞(BC・A・↓\→+B)
《乱入戦:ニカノル・エバンス》
【戦闘前】


 アスタル、街の中を歩いている。
 裏路地に通りかかった所で、足を止める。

アスタル「嫌な匂いだな……」

 血の匂いを感じ取って、裏路地に一歩足を踏み入れる。
 直後、前方に異様な『気』を感じ取る。

アスタル「……! まさか……!?」

 ここでニカノルのステージ前演出デモに入り、戦闘開始。

【戦闘後・勝利時】

 アスタルの攻撃を受けて、うつ伏せに倒れているニカノル。
 しかし……ニカノルは何事も無かったかのように、その場からユラリと起き上がる。

アスタル「なっ……!?」
ニカノル「ククク……誰にも出来はしねぇんだよ、俺を殺す事はなぁ!
      ハーッハッハッハァ!!」

 ニカノル、笑い声とともに真上に大ジャンプして姿を消す。

アスタル「違ったか……。
      まぁ……今思えば、あの感情には……ここまでの血生臭さは
      無かった、な……」

【戦闘後・敗北時】

 アスタルはニカノルの攻撃を受けた事によって、
 肩を押さえて、その場に膝をついている。
 (※この時のアスタルのポーズは、1回目敗北時と同様)

アスタル「くっ……何者だ、貴様……!?」
ニカノル「はぁ? ……んな事、俺が知るワケねぇだろ。
      ……ま、今日はこれくらいにしといてやるぜ」
 (※ニカノル、言い終わると同時に前方にダッシュ)
アスタル「ま……待て!」

 アスタルのセリフが表示されたと同時に、ニカノルがアスタルとすれ違う。
 ……が、ニカノルはアスタルの言葉に全く耳を貸さず、そのまま画面外へ走り去る。

 その直後……ニカノルにソックリな少女が、アスタルの目の前に
 フェードインして現れる。
 少女は半透明で、地面から数センチほど宙に浮いている。

アスタル「……!?」
少女「……理解してくれたかしら? 私の事を……?」

 このセリフの後、少女の姿がフェードアウトして消滅。
 少女が消滅した後、アスタルは立ち上がって、
 ニカノルが走り去った方を向く。

アスタル「奴と……あの少女……。
      一体、何の関係が……?」
《因縁戦:一条 御影》
【戦闘前】


アスタル「か……母さん!?
      どうして、ここに来る事が……?」
御影「ウチの目は、節穴やない。
    こうなる事は、とっくに予想してたで」
アスタル「……」
御影「……はよ戻りや。
    この件は、ウチがケリをつけないとあかんねん」
アスタル「……!?
      まさか……母さんは、僕の知らない事を知っている……?」
御影「……。
    戻る気は、無いようやな……」
アスタル「……無いよ。
      この件の真実を見つけ出す時までは、ね……」

 ここで御影のステージ前演出デモに入り、戦闘開始。

【戦闘後】

 御影はアスタルの攻撃を受けた事によって、
 地面に幣帛を突き立てつつ、その場に座り込んでいる。
 (※この時の御影のポーズは、1回目敗北時と同様)

アスタル「さあ……話を、聞かせてもらうよ」

 ここで数秒、ウェイトが入る。

御影「ウチは……この件の事を、クロードに頼まれたんや……」
アスタル「……えっ?
      でも、クロードおじさんは8年前に……」
御影「……」

 ここで数秒、ウェイトが入る。

御影「今は……ウチの口からは、何も言えへん。
    ……とにかく、早よ行きや」
アスタル「……分かった。
      何か訳があるんだろうから、何も聞かないでおくよ」
御影「……ゴメンな。
    後の事は、頼んだで……」
《中ボス戦:龍巳 冥華》
【戦闘前】


 不自然な闇に覆われた森の中を進んでいるアスタル。
 数歩歩いたその時……上空から、何者かの声が響く。

?「やれやれ、追いつかれちまったか……」
アスタル「……。
      どうやら……上の方から聞こえたようだな……」

 ここで画面が切り替わり、アスタルが上空を見上げている視点になる。
 上空には、一匹の黒龍が羽ばたいている。

アスタル「あれは……龍……!?」

 再び画面が切り替わり、目を閉じている黒龍の横顔のアップが
 表示される。

黒龍「アンタ……早いとこ、この件から手を引きな……」

 ここでアスタルの目元(目は開いている)のアップが、
 画像の左上部分に表示される。

アスタル「……断る。
      この騒ぎを鎮めるために、ここまで来たのだからな」
黒龍「そうかい……」
 (※黒龍、閉じていた目をゆっくりと開く)

黒龍「……なら、容赦はしないよ!
    例え、アンタが朱雀でも!!」

 ここで冥華のステージ前演出デモに入り、戦闘開始。

【戦闘後】

 冥華はアスタルの攻撃を受けた事によって、
 右肩を押さえつつ、その場に座り込んでいる。
 (※この時の冥華のポーズは、1回目敗北時と同様)

アスタル「お前は……何者だ?
      何故、四神の事を知っている……?」
冥華「アタシは……」

 ここで冥華の横顔のアップ。

冥華「常世にやってきた魂を、管理する者さ。
    勿論、歴代の四神達の魂を管理した事もある……」
アスタル「……目的は?」

 冥華、ゆっくりと目を閉じてから話し出す。

冥華「常世から失踪した、傷付いた魂を探していた。
    で、やっと見つけたって所で……」
アスタル「僕が訪れた……と」

 冥華、ゆっくりと目を開いてから話し出す。

冥華「……そういう事。
    アイツを見つけた人間は、間違いなくアイツを『危険分子』と判断して、
    アイツがそうなった原因も考えずに、殺そうとするだろうからね。
    ……そうなる前に、アタシがカタを付けようと思った」
アスタル「人間は嫌いだが……その言葉、否定はしない」

 ここで画面が切り替わり、目を閉じているアスタルの横顔のアップ。

アスタル「もし真相を知らないままだったら、僕も……その魂を殺していたかも
      しれないからな……」
冥華「……」

 ここで画面が切り替わり、
 アスタルと冥華の対峙画面に戻る。 

冥華「(※その場から立ち上がりつつ)
    ふふ……アンタになら、安心してアイツの事を任せられそうだ……。
    虫のいい事だとは思うけど……アイツを、助けてやってくれ」

 冥華のこのセリフの後、アスタルが前方に歩き始める。
 それと同時に、アスタルの以下のセリフが流れる。

アスタル「僕は……この騒ぎを鎮めるつもりで、ここまで来た。
      今更、引き返す気など……無い」

 自分のセリフが流れ終わったと同時に、アスタルが画面外へ歩き去る。

 そしてアスタルが画面外へ歩き去った後、冥華はアスタルの去った方を
 振り返って、以下のセリフ。

冥華「現代社会の『犠牲者』という点では、朱雀もアイツと同じ。
    犠牲者としての痛みを知る朱雀なら、きっとアイツを救える……」
《ラスボス戦:シェイド・アルマール》
【戦闘前】


 冥華と会った場所よりも、更に奥深く進んでいるアスタル。
 ある程度進んだその時、丸太小屋が視界に入ってくる。

アスタル「こんな所に小屋……?
      ……!
      この気は……あの時感じたものと同じ……!!」

 小屋の中のどす黒い『気』を感じ取り、考えるよりも先に小屋に駆け寄って、
 勢いよく扉を開ける。

アスタル「……!!」

 ここで画面暗転。
 この後、シェイドのステージ前演出デモに入って戦闘開始。

【一本目勝利】

 シェイドはその場で肩を押さえつつ、肩で息をしている。
 アスタルはそんな彼に近寄ってその場にしゃがみこみ、
 彼の目線に合わせて語りかける。

アスタル「……何があった?
      それに、この有様は……」
シェイド「……!
     早く……俺から離れて下さいっ!」

 次の瞬間、シェイドの体から強烈な闇の気が噴き出し、
 側にいるアスタルを吹き飛ばす。

アスタル「(※その場から体を起こし)
      何をしている! 気をしっかり持て!!」

 アスタルの言葉に反応し、シェイドはゆっくりと正面を向く。
 しかし……今の彼の瞳は、先程のような悲しげなものではない。
 ……むしろ、冷酷そのものだった。

シェイド「
我は、常に正気だ。
     案ずる事などあるまい……

アスタル「……!? 貴様っ!」

 アスタル、シェイドに『スワロー・ウイング』を放つ。
 『スワロー・ウイング』はシェイドにヒットする。

 ここで画面が切り替わり、暗闇の中……その場に立っている
 アスタルの姿が表示される。
 そして……苦悶の表情を浮かべたアドニスの姿がフェードインしたと同時に、
 アドニスのセリフ表示。

アドニス「……くっ!」

 アドニスの姿、フェードアウト。
 苦悶の表情を浮かべたシルヴァンの姿がフェードインしたと同時に、
 シルヴァンのセリフ表示。

シルヴァン「クッ!」

 シルヴァンの姿、フェードアウト。
 苦悶の表情を浮かべたイグニスの姿がフェードインしたと同時に、
 イグニスのセリフ表示。

イグニス「くうっ……!」

 イグニスの姿、フェードアウト。
 苦悶の表情を浮かべた「Shade」の姿がフェードインしたと同時に、
 「Shade」のセリフ表示。

Shade「うあっ!」

 「Shade」の姿、フェードアウト。
 そして、アスタルの横顔(驚愕の表情)のアップ。

アスタル「!? 兄さん達……!?」
シェイド「
ククク……我を倒す気なら、我が取り込んだ人間ごと
     殺す必要があるが……?

アスタル「……何故だ!?
      さっきは何も……!」

 ここでシェイドの横顔(不敵な笑み)のアップ。

シェイド「
……簡単な事。
     シェイド・アルマールが我を封じ……そして、我が取り込んだ
     人間達を護っていたからだ

アスタル「何だって……!?
      じゃあ、今……貴様を倒せば、兄さん達は……」
シェイド「
シェイドの存在無き今、間違いなく死ぬ。
     ククク……掛け替えのない人間を、その手で殺す事が出来るか、朱雀?

アスタル「くっ……!!」

 絶体絶命かと思われた、その時……何者かの声が響く。


?「アンタの大切な人間……絶対に殺させはしないよ!」
シェイド「
何だと……?
     ……! 貴様は……!!


 シェイドの横顔に、驚愕の色が生まれる。
 そして画面が切り替わり、小屋の入口にいる人物のシルエットを映し出す。

アスタル「お前は……!」

 アスタルの言葉の後、その人物のシルエットがはっきりする。
 そこにいたのは、先程出会った冥華の姿。

冥華「……話は後だ!」

 冥華はそう言うなり、聞いた事のない言葉(恐らく、異界の言葉であろう)を
 紡ぎ始める。

 ここで画面が切り替わり、冥華の術によって苦しむ
 シェイドの姿が表示される。

シェイド「
ぐっ……小賢しい真似を……!
冥華「アタシは……奴に取り込まれた人間達の痛覚を封じる。
    アンタはその間に……奴を倒せ!」
アスタル「ああ……でも……」
冥華「迷ってる暇は無いよ!
    自分にとって掛け替えのない人間を、助けたくはないのかい!?」
アスタル「……!」

 ここで、アスタルの顔(目を閉じて、正面を向いている)のアップ。

アスタル「(そうだ……今、兄さん達を助けられるのは僕だけ……)」

 アスタル、手を口元に持っていき、拳を握り締める。

 その直後、モノトーンの回想シーンが出る。
 幼少時のアスタルが首筋から血を流し、いじめっ子に顔を踏みつけられている場面。

アスタル「僕は……もう、あの頃とは……」

 このセリフの後、拳を握り締めているシーンに戻る。
 そして、決意とともに目を開く。

アスタル「違う!!」

 二本目、開始。

【二本目勝利】

 シェイドはアスタルの攻撃を受けた事によって、
 その場に座り込んでいる。
 が……次の瞬間、再び宙に浮かび上がる。

シェイド「これで……勝ったと思うな……。
     この世に人間が存在する限り、我は何度でも甦る……」

 シェイドの顔のアップが表示される。
 その顔には、冷酷な笑みが浮かんでいる。

シェイド「……そう、何度でもな!」

 このセリフの後、アスタルとシェイドの対峙シーンに戻り……
 シェイドの体から闇の気が噴き出したと同時に、画面が真っ白になる。

 数秒後、画面が元に戻る。
 アスタル達の目の前には、シェイドに取り込まれていた人物達の姿がある。
 アドニス達3人は、その場に膝をついている。

アドニス「俺達は……助かったのか……?」
シルヴァン「……そのようだな」
アスタル「(※アドニス達に駆け寄り)
      兄さん……シルヴァン……本当に良かった……!
      (※辺りを見回しつつ)……? あいつは……」

 アスタル、いつの間にか冥華の姿が消えている事に気付く。

 この後イグニスがその場から立ち上がり、前方に歩き出す。
 そして、アスタルとすれ違い様に一言。

イグニス「……借りが出来たな」

 イグニス、画面外へ歩き去る。


 そして数秒ウェイトが入った所で、アスタルのセリフ。

アスタル「! そうだ、あいつは……」

 アドニスとシルヴァンが立ち上がって後ろ(=右)を向いたと同時に、
 視点が右方向へ移動。
 ……そこには、うつ伏せに倒れている『本物(16歳時)』のシェイドの姿がある。

アスタル「(※「Shade」に駆け寄って、その場にしゃがみ込み)
      おい、生きてるか!」
Shade「(※その場から起き上がって座り込み、俯いたままで)
     俺は……取り返しのつかない事をしてしまった……。
     もう、戻れない……」
アスタル「……っ!」

 ここで画面が切り替わり、アスタルが「Shade」の頬に平手打ちをする。
 「Shade」は、彼女に叩かれた頬を押さえている。

アスタル「『戻れない』……だと? 甘えるな!
      自分自身が招いた、この現実から逃げるつもりか!!
      それに……」

 アスタル、「Shade」の左肩に手を添える。

アスタル「お前を信じている人間は……お前が消える事を
      望んでいると思うか……?」

 「Shade」、アスタルの言葉に、はっとした表情をする。

Shade「……!」
アスタル「そいつには、全てを話せ。
      自分が起こした出来事……そして、偽りなき心を……」
Shade「……(※アスタルから目を逸らし、俯く)」
アスタル「確かに……自らの業を話す事は、勇気がいるだろう。
      だが……本当にお前を理解している人間なら、
      お前の業も受け入れてくれる」

 「Shade」、しばらく俯いているが、顔を上げる。
 その表情は、決心に満ちている。

Shade「そうだ……今の俺には、恐れるものは何も無いんだ……。
     業の一部とはいえ、恐怖の大元を潰したから……」
アスタル「……その意気だ。
      早いところ……そいつに、お前の元気な顔を見せに行くか」

 アスタル、「Shade」の手を取って、画面外へ走り去る。
 その場には、アドニスとシルヴァンの二人が残っている。

シルヴァン「まったく……見てるこっちが、ハラハラしたぞ……」
アドニス「ふふ……でも、丸く収まったんだから良しとしないとな」
【エンディング】

 アスタル、ハイウェイの傍らにバイクを置いて、それに腰掛けている。
 彼女の視線の先には、夕陽と水平線がある。

アスタル「今回の事件の元凶は……予想通り、地獄門の仕業ではなかった。
      その元凶は、暴走した魂。
      それも……人間の手によって暴走した、魂……」

 アスタルの横顔(目は閉じている)のアップ。

アスタル「人間は……どこまでも愚かな生き物だ。
      自分と違うもの、自分を認めないものを蔑み、自分で敵を増やしている」

 ここで、モノトーンの回想シーンに入る。
 幼少時のアスタルが自分を迫害した人間を、朱雀の力で大火傷させた場面。
 いじめっ子達は炎を纏ったままその場に蹲っており、
 アスタルは自らの拳に炎を纏わせている。

アスタル「しかも……そういう人間ほど、自らが行った事の重大さに気付いていない」

 ここで、アスタルの横顔(目は開いている)のアップ。

アスタル「他人に悪意をもって接した人間は、自分自身が生み出した『悪意』と
      相手が生み出した『悪意』の双方に、その身を滅ぼされる。
      遅かれ早かれ……な」

 直後、アスタルの顔に驚きの色が表れる。

アスタル「……!?」

 アスタル、驚いて空を見上げる。

 ここで画面が切り替わり、夕焼け空を映し出す。 
 その空の一部分に……禍々しい気を放つ物体らしきものが存在している。

アスタル「あれは……地獄門!
      あいつの憎悪が……地獄門を呼び寄せたのか……?
      ……こうしちゃいられないな」

 メットを被り、バイクに乗ってハイウェイを駆ける。
 メット越しにアスタルの表情(緊迫した表情)が見える。

アスタル「いや……待てよ。
      今の今まで封印の施されていた地獄門が、たった一人の思念で
      呼び寄せられる事など、到底あり得ない……。
      だとしたら……やはり……」

 このセリフの後、ゆっくりと画面暗転。
 そして、真っ暗になった画面に以下のセリフが流れる。

アスタル「馬鹿な人間ほど、いらない事をしてくれる……」

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