スーパーロボット大戦赤
プロローグ
はるか昔のことである。
それは現代の技術より遥かに発達した時代であった。
そこには、人類と、古代の爬虫類から進化し生き続けたハチュウ人がいた。彼らハチュウ人は後から生まれた人類を良しとせず、人間とハチュウ人はお互いの生存をかけて抗争を続けた。
闘いは激化の一途をたどる。
戦場は膠着状態に陥り、人もハチュウ人も、他の多くの生命たちも、死に絶えていった。
やがて、その闘争に終止符を打つかのように『月光蝶』と呼ばれる存在が現れた。
それが何であったかを知るものは少ない。
だが分かっているのは、人間は月へ、ハチュウ人類は地中のマグマの中へと逃げなければならなかったこと。
月光蝶の羽は地表を薙ぎ倒し、全てを破壊したこと。
そして、地球を滅ぼしたこと。
月に逃れた人類=ムーンレィスと名乗り、はコールドスリープを繰り返し、地球が再生することを待ち続けた。
長き歳月を経て新たな人類が、そして文明が生まれる。
この頃になると、宇宙に大きく3つの勢力があった。
月を統括する女王ディアナのムーンレィス。
ギム・ギンガナムが率いる演習2500年続けてきた武家。
党首にクラウディアを置く大貴族ゼノ・パレス。
再び地球での生活を望むムーンレィスは地球帰還作戦を実行、その姿を新たな人類に見せる。
だが、ムーンレィスの存在を知らない新たな人類は、彼らと対立する。女王ディアナはあくまで、平和的解決を望むものの、人類とムーンレィスは小さな抗争を続けてしまう。
やがてその混乱に乗じて、ギム・ギンガナム一派が反乱を起こした。反乱の理由は至極簡単である。
『戦うため』
演習2500年も続けた彼らは戦いたかった。単純に相手は誰でも良かったのである。彼らは『手段』のために『目的』を選ばなかった。
そして、ディアナと同様平和的解決の望んでいたゼノ・パレスも手のひらを返したように、闘争による地球征服を行いだした。
地球側もディアナと共同戦線を張ることを望む勢力と全てのムーンレィスの排除を望む勢力と分かれ出す。
今、人類は巨大な戦いへと巻き込まれる。
それでもまだ、地球も月も平和であったと言える。
ハチュウ人類と……そして異世界よりセフィーロが現れるまでは……。
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