翼FOW拳世界観



イラスト:島村鰐さん
原案:ナニコロ
■基本の世界観
舞台は我々の住む『現代(あるいは近未来)の地球』です。

時代設定は西暦2010年代くらい。
現代〜近未来。

世界地図も一部(ガイアなど)を除き基本的には現代地球世界と同じです。
アメリカは良くも悪くも世界最大の影響力を持つ国家であり、
ロシアやEUがそれに続く。
各国家間のパワーバランス等は現実の世界と変らない。

………世界状況を変えるのは大変だからです(をい)。

世界の国々は相変わらず協調しつつも、お互いにいがみ合い、
足並みは揃わず、統一的な流れのようなものは未だ遠い夢です。

なお、北朝鮮とかどうなってるかは
(現実の方もどう転ぶかわからない状態だし)
あえて何も語りません。

モラルや法、常識観念についても基本的には現実世界と同様です。
(多少ルーズですが)、例えば真剣を抜き身で持ち歩いていたりすると
警察に通報されますし、罪になります。
■物語としての世界観・コンセプト
『システム・設定編』でも触れましたが、
主人公であるなのはが『夢と希望』を持つ少女です。
これが世界観の基盤やコンセプトとして強く存在しております。

コンセプトはずばり、『夢と希望』。

通常キャラたちは多少、ルーズに見ておりますが、
少なからず、ラスボスたちは
『夢と希望のアンチテーゼ』として存在しております。

つまり……『翼FOW拳』は、
悪と戦う正義の物語などではありません。

『夢と希望』の物語なのです
■超能力その他について
さて、格ゲーキャラには数多く設定として使われている
『炎使い』や『魔女』なんかのいわゆる『超能力』の類についてです。

彼らはFOW世界において、言うまでもなく現実として存在します。
超能力者の数も現実世界と違いあからさまにかなり多数です。

ですが、世間一般に超能力や魔術の存在が
普通に認知されているというわけではありません。

FOW世界でも一般の人間にとって
超能力など実在性の怪しい胡散臭いものです。

とは言え、それはあくまでも一般の人間にとってはで、
『暦(カレンダー)』のように多くの能力者を抱えた犯罪結社や、
『超異能者』こと鱶神源三の故郷のような超能力者の村などもあります。

軍や警察でもこっそり能力者の部隊を編成したりしているはずです
(OVA『ジャイアントロボ』に出てきた、
 国際警察機構におけるエキスパートのようなもの)。

なお、注意点として、
『能力者』だから無条件で強い、ということは
FOW世界では『絶対にありえない』ということです。

つまり、『ただの炎』使いや『ただの炎使い』、
能力が使えるだけで他が『一般人』程度の人間が
格闘のプロに勝てるなんてのはありえない、ということです。

むしろアモン・リーや柳崎直樹などに代表される、
狡猾で頭のキレる野心家のような『人間』の方が恐ろしいのです。
■人外について
これは『能力者』の設定に似ていますが、大きく違うのは
彼らは人間ではない、ということです。

妖怪やモンスターといった伝説的なものから
宇宙人、ロボットといったものまでいます。

世界に存在する『能力者』よりもさらに希少な存在であり、
その持って生まれた力は人間を凌駕しています。

一般人よりは遥かに驚異的で
無条件で強いと言えるかもしれない彼らではありますが、
それでもプロの格闘家ならば打ち勝つことも出来ます。

それどころか
超越した肉体を持つ人間にアッサリ負ける……なんてこともありえます。

あくまでそのくらいのパワーバランスです。

現在確認されている存在は以下の通り。


<化け物>
妖怪やモンスターなど、いわゆる『化け物』です。
もって生まれながら、人間を遥かに超える力をもっています
異形の姿から、普通に人間に溶け込んで生活している者など
様々なものが存在しています。

割と多く存在するのが吸血鬼。
“マスター・フリークス”カノン・ヴォルケイノを筆頭に
ジャック・バンデットやゼーエンなどが目撃されています。

最も驚異的な力をもった化け物は
混沌そのものである九尾の狐・玉藻です。

またミーナ・セルビガーが飼っているバックベアード、
紗雪・ドゥルーベ・弔祇邸が生み出したホムンクルスのアスタルテ、
魔物を召還するアルシャンクなど人外を操る人間もいます。

彼ら化け物は人間と違って努力して力を得たのではなく
生まれながらに力を持っています。
そのため、彼らの基本的概念には、
努力してさらに強くなろうという意思は枯渇していると思われます。



<宇宙人>
地球外からの来訪者です。
地球上の化け物と大きく違うのは、
人類を遥かに超えた科学技術を得ているところです。

代表的なのが組織『涅槃』(後述)の指導者たる女神です。
宇宙から来訪した知的生命体であり、
女神と崇められるほどの存在です。

逆に技術そのもの存在が
無限の力と異常な闘争本能をもった仙雷です。
古代銀河文明の驚異の技術力によって作られ、
闘争のみをもった修羅です。

地球上の化け物たちと違って、使役されたりすることはありませんが、
その存在は化け物たちよりも謎に包まれています。


<ロボット、サイボーグなど>
機械の体をもち、理を以って驚異的な力を持った存在たちです。
それゆえに、生命体ですらないこともあります。

ただし、宇宙人の超技術ではなく、
あくまで地球上の科学力によって生まれた存在です。

もっとも……
一握りのマッドサイエンティストによって生まれたものなので
宇宙人たちのものとは違った、超技術であると言えなくはない。

長月真紀が生み出したファーガシリーズ。
柳崎直樹が生んだアイレックス。
デイヴァインが生んだデストロイド・ギアやメイドロイド・アーリィ。
ルリル・スーラシーが生み出したアンドロイド・カヴァ&ティーナ。
改造人間たるプロトや中尾邦彦。

化け物たちと違って機械の体であるがゆえに、
独力でパワーアップすることが出来ない欠点があります。
どんなに努力しようとしても、能力値は決定されているためです。
そのため、さらに強くなるには、
技量を磨くか、あとは再改造するぐらいしかなく、
定められた限界以上のパワーは、理屈上出ることはありません。

ちなみに、ロボットであるとはいえ、
格闘家に勝ち目が無いわけではありません。
車を素手で破壊出来る格闘家ならば、同じ要領で倒すことも出来ましょう。



<動物>
人外はなにも架空の生物に限った話ではないです。
そう……地球上における、『動物』です。

飼われているため、独力では生きていけないペットもいますが、
一方で訓練された動物は驚異的です。
また、最強の熊『トリカブト』など、
野生の力によって化け物すらも凌駕する動物もいます。

彼らは、自らの意思で格闘大会に出ることはまずないので
ある種、化け物よりも扱いが難しいところがあります。
■『平行世界』について
宇宙にはあらゆる可能性が満ち満ちています。
しかし、そのうち実現することができるのは唯一つ、のはずです
……本当にそうでしょか?

一見撃ち捨てられ実現されなかった無数の可能性たちも、
『実はどこかで実現しているのではないか』。

そう、我々の住む宇宙で実現しなかった『可能性』も違う現実として
何処かで実現し別の宇宙を形作るのです。
こうして、可能性の分かれ道の度に、巨大な系統樹のように
無数の世界が生まれていきます。

………というわけで、FOW世界には異なった世界法則を持つ
無数の『平行世界(異世界)』が存在し、
そこからパン(ネバーランド)のような
訪問者(ヴィジター)が訪れることもあります。

全ての平行世界とその狭間を含む全体はただ神のみぞ知る領域であり、
あるいはある種の魔道書(ネクロノミコンなど)に
恐ろしく迂遠な仄めかしとして記されている(かもしれない)。

また、『死後の領域』『輪廻』『来世」』いった概念は
これらの『平行世界』『狭間の領域』どちらにも属さないこととします。
これらは全て狭間の領域をも越えた『神秘』であって
これらを支配する力を備えた存在は
(キャラクターとしては)存在してはいけない。

……ということにしておきます
(各平行世界の中でのみ通用するような限定的な範囲でなら
 良いかもしれない……地獄門レベルのローカルさなら)。


『FOW』に既出の平行世界は以下。

<ネバーランド>
パンの出身コズム。
老化、成長という概念が存在しない『常若の国(ティル・ナ・ノグ)』。

現在、その世界の「核」的存在、
『ウェンディ』が失踪し世界法則が狂い始めており、
このままでは崩壊の危機にあります。
そうでなくてもネバーランドは『現実世界』の『夢』のエネルギー、
すなわち可能性エネルギーに依存した子宇宙的な存在であり、
そのエネルギー的な規模そのものは縮小の傾向にありました。

関連キャラクター:
ネバーランド(パン)、鈴鳴鵺(ティンカーベル)、C・キーハンド。

……今現在は、このくらいの設定だけですけれども(^^;
■秘密結社その他
FOW世界に存在する秘密結社その他の団体について、
解っている限りのことをまとめます。

<暦(カレンダー)>
理想社会建設の為の「世界革命」を目的とするテロリストグループ。
組織名はその構成に由来し、『1月』から『12月』のコードを持つ
12人の幹部による委員会を中心に運営されています。
世界各地のテログループ同士のネットワークといった色彩を持ち、
全体の規模は巨大であるが社会的には例えばアルカイダやハマスのように
時々ビル爆破や自爆などを行うグループという感じで認知されている。
詳しくは

http://www50.tok2.com/home/kasinn/FOW-KANSEI/calendar.htm

を参照、但し『翼FOW拳』においては若干設定が変更される可能性はある。

関連キャラクター:
“妖術師”アルシャンク、麻生夏香、長月真紀、柳崎直樹など



<涅槃(ニルヴァーナ)>
こちらは『暦(カレンダー)』よりも過激に『人類絶滅』を掲げる秘密結社。
宇宙からの来訪者である謎の知性体『女神』を指導者として仰ぐ
一種のカルト団体であり、
『女神』の下『四聖天』と呼ばれる大幹部を筆頭に、
ピラミッド型の組織構成が出来上がっているといわれる。
彼らが人類絶滅を企む動機は『女神』が人類を
『私の美しい地球』を汚し破壊する害悪とみなした為である。
詳しくは

http://www.geocities.co.jp/Playtown-Bingo/1167/Nehan.htm

を参照、但し『翼FOW拳』においては若干設定が変更される可能性はある。


関連キャラクター:
“マスター・フリークス”カノン、ディヴァイン、ルリルなど



<香港マフィア>
中国南部、香港を根城に暗躍する犯罪者の結社。
『香港マフィア』と一言で言っているが、
実際は大小さまざまのグループの総称である。
炎虎、黒星らの所属するグループはその中でも最大のものの一つ。
最近はガイア共和国(後述)の裏社会と結びついて
利益を上げようという動きが盛んらしい。

関連キャラクター:
アモン・リー、炎虎(ヤンフー)、龍(ロン)、黒星(ヘイシン)



<マフィア>
こちらは本家イタリアの犯罪者秘密結社。
もともとはシチリアの民族運動グループから出発した
仁侠的ピカレスク・ロマンチシズムの色合いの濃いものだったが
時とともに分裂し、同時に単なる犯罪者の群れへと堕落していった。
しかし、古来の仁侠道を守り続ける古風なファミリーも少数ながら存在する。
香港マフィアがガイアと縁が深いように、イタリアのマフィアは
北米のギャング団とともに
『暦(カレンダー)』と浅からぬ関係を持っていると言われる。

関連キャラクター:
イタリアン・マフィア
モニカ・ベェルレッタ、ヴィンセントなど
アメリカ(シカゴ)ギャング
テッド・バダルコ&アイザック・ジョーンズ、ドンキホーテ、KJなど



<ガイア共和国>
2000年代に入ってから急速に発展してきた新興国。
カリスマと呼ばれる大統領ゴードンのキャラクターで世界的にも
妙に有名な国になりつつある。
領土や資源に特別恵まれているわけでもないが、ゴードンの卓越した
政治手腕で近年まれに見る発展を見せている。

その勢いは止まることを知らず、
アメリカ、日本などと並ぶ経済大国として急発展した。

が、その一方でゴードンの独裁者的な政治スタイルと強引な政治手法が
時折マスコミで取りざたされたりしている
(ニュースステーションとかニュース23みたいな番組で)のも事実で、
周辺の(置いていかれた)後進国には評判はよろしくないらしい。
一部では、ラバンダはガイアによって衰退したと言われている。

だからといって、
多くの一般人におけるガイアの地位や評価が下がるわけではない。
ガイアの名声はここまで浸透しているのだ。
なお、翼FOW拳世界に置いては世界規模の大格闘大会の主催国である。

関連キャラクター:
ゴードン大統領ファミリー、エバ・ガーフィールド、
黒星(マフィア)、デブコロ(ストリート)など
■違った意味で世界説明
ある意味言い訳

セカイって何で出来ているのか知ってる?

要するに私たちが住んでいるセカイね。
それが何で出来ているのかって言うこと。

唐突な話だけれど、暇ぐらいは潰れると想うし、
無駄かも知れないけれど、それもまた面白そうでしょう?

よく言われてるじゃない。霊界とか魔界とか、
パラレルワールドとか。それもセカイの一種だよね。

有り得るかも知れないけれど、
それは経験しないと解らないって言われるようなもの。

人によっては、幻想の一種とも言われるかも知れないね。
そんなものはあるはずがないって。

だけど、そうかな?

それを幻想の一種としてしまうのなら、
今生きている世界は何だって、逆に聞きたくなっちゃうけれど。

ありきたりの世界。ありきたりの毎日を過ごしているって、
だけど、本当にそうかな?

使っているお金だって、守ってくれたり、
時々は傷つける法律も、幻想の一種にならない?

ただの紙切れが時には人の命以上に大事になったり、
たまに説明できない、いけないこともいけないことって

ことにしているから、こうしていられるんだよ。

つまり、ね。

もしもセカイに生きているみんなが
わら半紙を一万円札として使っちゃえば本当にそうなっちゃうし

人を殺しても罪になりませんってことになれば、
すぐにでも死んじゃう人が出てくるよ。

私たちがそうやって観たり、聞いたり、想ったり、
感じたりすることでセカイは出来て居るんだ。

解りにくいかな?

ヒトって不思議な生き物でね。見えなくても、
証明すら不可能でも、知識として立てちゃえば容易に信じられるんだ。

世の中の物が原子で構成されているってことは当たり前のことだよね?
でも、何でそれが当たり前なんだろう。

今は電子顕微鏡とかで観られるとは言っても
眼で見ただけじゃ絶対に見えない原子のことを解っているじゃない。

私たちは信じたり、認識することで様々なことを可能にしている。

それが絶対なんて保証、何処にもないのにね。

そうそう、セカイの話だった。もう一つぐらい話しておこうかな?

安土桃山時代ぐらいに鉄砲が来たことは知っているよね。
種子島に宣教師が持ってきたって言うの。

ここで重要なのは戦争とかのことじゃなくて、
鉄砲がなかったって言うこと。
彼等は西洋文化を知らなかった。

要するに、彼等にとって西洋文化は存在していなかった。
西洋文化のないセカイが確かにあったって言うこと。

凄い話だと想わない?今だと考えられないでしょう?

鉄砲を出したのは例え話で、すぐに思い付いたのがこれだったから。

”認識すること”って言うのが
セカイのもっともたる材料、成分としてみようか。

認識って物事の本質を十分に理解して、
その物と他の物とをはっきり見分けるっていう心の動きになるんだけどね。

例えばそうやって、
”もしものセカイ”で”今生きているセカイ”とは違うと認識する。

それがパラレルワールドってコトになってる。
言い方は他にもあるけど、私はこんな風に言うね。

”もしも”って言うのは沢山あるから無限の可能性があるんだよ。
オーバーかも知れないけど。

セカイって言うのは沢山あるの。私じゃ説明出来ないぐらいに多種多様で、

”もしものセカイ”も”今生きているセカイ”も沢山あるんだ。

その人が認識している。していないに関わらず、
ないけど、ある、ってことになるんだよ。

じゃあさ。こうは考えられない?

もしかしたら、セカイって言うのは巨大な幻じゃないかって。
幻だから色々な形に変わるって。

そして子供の頃読んだようなおとぎ話のようなセカイが何処かに、
何処かに存在して居るんじゃないかって………。

それを利用としている人も、居るんじゃないかって――――――――――――。


『翼FOW拳』システム編へ
『翼FOW拳』トップへ
『Fists of Wings』トップへ