美浜の鉄腕28号 ストーリーデモ |
原案:ナニコロ
■2試合通過デモ ・麻生夏香の控え室にて。 突然、風が吹き荒れ、麻生夏香の後ろに出現する太った中国人男性。 右手にワイングラス、左手にワイン瓶を持っている。 太った男 「2回戦突破、おめでとうございます。 なかなかの凄腕ですねぇ」 麻生夏香 「はっは。そいつはどうも。 あんたこそ、私に悟らせず後ろに現れるなんて相当なものよ」 太った男 「おっとこれは失礼しました。 私はこの大会を主催させて頂いております 『白豚(パイトゥン)』と申します。 御見お知りおきを……麻生夏香さん」 麻生夏香 「ふーん……大会の主催者ねぇ……」 太った男(白豚) 「はっはっは。まあ、用事というほどでもないのですがねぇ。 ……私の見立てに間違えがなければ、貴方は決勝戦に進出する逸材です。 そこでもし、決勝戦に進出なされたらば、 わざと負けていただきたいのです」 麻生夏香 「イカサマ試合でもしろっての?」 白豚 「なぁに、無料(ただ)で負けてくれとは言いません。 もし負けてくださるというのであれば、 優勝賞金の1.5倍の額を支払いましょう。 ……お互いに悪い話ではないでしょう?」 麻生夏香 「却下」 白豚 「は?」 麻生夏香 「ま、お金が欲しくないと言ったらウソだけどね。 でも、わざと負けるっていうのも、御免こうむりたいだけ」 白豚 「やれやれ……まあ、仕方ありません。 無理強いは出来ませんからね。 ただ……今後、貴方の身辺で『事故』などが起こらぬよう ……お気をつけて……」 この後、白豚は風と共に姿を消す。 麻生夏香 「……やれやれね」 |
■準決勝:vs月影なのは なのは、胸の前で拳を握り、まぶたを閉じている。 目を開くと、腕をクロスさせ挨拶 「押忍! お願いします!」 周囲に羽根のようなものが舞い散る。 夏香、胸の前で拳と拳を激突させる。 鉄板を叩いたような音と共に、火花が散る。 構えると同時、 「ふっふ! 胸を貸してしんぜよう!」 |
■決勝戦前挿入デモ 決勝戦会場に向かう途中、黒服・サングラスの 大量の『監査官』が現れる。 「決勝進出おめでとうございます」 監査官はそう言いながら、麻生夏香を取り囲む。 麻生夏香 「んー……」 顎に手を当てながら、周りの監査官を見ている。 「随分と『安い事』するねぇ」 監査官 「念には念を……という事でして…… 決勝戦であっさり負けるぐらいには痛めつけさせていただきます。 悪く思わないで下さい……ふふふ」 その後、大量の監査官との戦いに。 |
■決勝:vs炎虎 麻生夏香 「ふーん……あンたが、決勝戦の相手ねぇ」 立っている炎虎をしげしげを見つめる。 その際、夏香が姿を消し、炎虎を後ろから見つめ、 また姿を消し、真横から観察し、また姿を消し 真上から観察し……といったふうに、 『全体的』にしげしげと観察している。 麻生夏香 「安いね」 炎虎 「……ふん」 炎虎、気合と共にリングを踏みしめる。 画面が激しく振動。 「……貴様を見ていると、俺の何かが吼える。 俺の、恐怖を、絶望を、闘争心を呼び覚ます! さぁ……さぁ……さぁさぁさぁさぁさぁ! 戦え! 己の力を誇示しろ! この俺に、お前の翼を見せてみろ!」 ・勝利後 炎虎を倒すが、そのまますっくりと立ち上がる。 「……折れた翼に……天を夢見させるか……」 薄く笑うと、炎虎はそのまま倒れる。 |
■ラスボス前デモ 審判(特別ゲスト:シルバー山田)が麻生夏香の手を掴み 優勝を高々と宣言しようとした瞬間、 会場に突然の強風が吹き荒れ、麻生夏香の姿をかき消す。 場所はどこかの高層ビルの一室へ。 麻生夏香 「おおお〜! これはちょっと凄いかも」 部屋の壁は大きな窓になっており、100万ドルの夜景と言われた 香港の夜景が広がっている。 部屋全体は明かりがついておらず、薄暗い。 夏香と相対するように、大会の主催者『白豚』が立っている。 白豚 「やれやれ……貴方にはしてやられましたよ。麻生夏香さん。 まさか炎虎に勝ってしまうとはねぇ…… 折角の賭け試合が台無しですよ」 麻生夏香 「はっはっはっは! アタシ的には、自分に賭けていたから問題ナッシング!」 白豚 「まあ、貴方にとっては関係ない話なのですがねぇ。 私にとっては大きなことでして…… 今回の大会が成功すれば、やっと溜まるハズでしたよ。 イタリアマフィアやガイアマフィアとの全面戦争資金がね……」 麻生夏香 「うむ、ズバリ! 『諦めろ!』という神の啓示ね。 少なくとも、自らの悪事を棚に上げ、 疑問に思わない根性はたいしたもんだわ」 白豚 「それを貴方が全て台無しにしてくださいました…… まったくもって予想外の失敗です。 ……そう……貴方には、償ってもらいませんとねぇ……」 白豚を中心に風が突然吹き荒れる。 麻生夏香 「……ま、お互いが 相手の言い分なんて聞くつもりないからね。 ちゃっちゃと、始めましょ。ラストバトルって奴を!」 白豚 「『旋風の白豚』と呼ばれる私の道(タオ)の力、 存分に味わってください。 ……死を持ってね」 |
■ラスボス戦勝利 ビルが爆発し、天井が崩れ落ちてくる。 床が落ち、プレイヤー、白豚共々落下。 場面は白豚。 白豚はボロボロで、足を引きづりながら地下通路を歩いている。 「く……まさか、このような事が…… しかし、私はまだ……まだ終われませんよ。 いずれ、世界の裏社会の頂点はこの私になるのですから……」 「随分と、下らない野望ネ」 暗闇の中に一人の女が立っている。 シルエットでよく分からないが若く見える。 「龍ですか……」 「貴方は少しやりすぎたネ……報いるときが来たヨ」 「まったく……無能な老人をブチ殺して、 私が頂点に立って差し上げたというのに……いつの邪魔ばかりしますねぇ アモンも、貴女も……」 言いながら、指を真っ直ぐ伸ばす白豚。 「ここいらで消えていただきましょう!」 白豚デモ終了。 |
■各キャラED 「疲れた」 菊坂綾女は、重い足取りでホテルを通路を歩いていた。 「幸い、今日は自由行動だったとはいえ…… そこかしこで、アタシが夏香のフォローしまくったから…… もうクタクタ……」 ちょっと背を曲げ、半眼な表情で綾女はうめいていた。 るしあは苦笑する。 「素直に事情を話せばよかったじゃないのよ」 「そんなわけいかないでしょう! だってさ!」 そう勢いよく応えてから……照れくさそうに顔を逸らした。 「アタシたち……友達だし」 そんな綾女の様子に、るしあはくすぐったそうに笑った。 「そんな綾女ちゃんだから、夏香は信用して任せたんじゃないかな」 「う……そうかな」 「そうそう。物凄く、いい人だからねー。綾女は」 と、夏香が付け加える。 夏香の言葉に、綾女は照れたように頭を掻く。 「まあ、そういうことにしとくかー……って」 そのまま、クルリと一回点しながら、裏拳を夏香に放つ。 「あんた、いつ帰ってきたのよーー!!」 綾女の裏拳を軽くいなしながら、夏香は朗らかに応えた。 「うむ、今さっき!」 「今さっき!」 「いや、大会優勝しちゃってさー」 「しかも優勝!」 「フォロー感謝料、飲茶を好きなだけおごる!」 「おっしゃ、のった!」 目を三角形にしながら全力で答えあう綾女と夏香を、 るしあはに、微笑んで見守っていた。 ふと、夏香が視線をホテルの窓に移す。 るしあも綾女も釣られて瞳を動かした。 100万ドルの夜景といわれる香港の街並み。 希望も欲望も、光も闇も、全てを包み込む街。 僅かな時間だったが、本当に楽しかったと思える時間。 「……また、戦いたいな」 そう呟く彼女の脳裏には、誰が移っただろうか。 |
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