チキンの名を持つレスラー



イラスト:島村鰐さん
原案:ナニコロ
■プロフィール
●チキン仮面●
キャッチコピー:チキンの名を持つレスラー


性別:男
年齢:64
身長:186cm(マスクのトサカも含めると206cm)
体重:120kg
国籍:アメリカ
血液型:AB型
職業:プロレスラー
趣味:ボランティア
特技:情け無いしかも笑える負け方が出来る。
好きなもの:ファンからの贈り物
好きな食べ物:ニワトリの塩焼き(共食いではない)
好きな音楽:古典オーケストラ
得意スポーツ:プロレス
格闘スタイル:プロレス
イメージボイス:田中秀幸

イラスト:以津真天さん
■外見
・マスクマン時。
 チキン仮面の名が示すとおり、
 ニワトリを象ったマスクを被っている。
 このニワトリのマスクは妙に眼つきが悪く、
 変にトサカが大きい。
 白いパンツを履き、全身を白いタイツで覆い、
 その上から、ギザギザの白いマントをまとっている。
 手足には黄色いブーツ、黄色い手袋をしている。

・素顔を晒した時。
 鍛え抜かれた体躯には、マスクもマントもなく、
 白のパンツと黄色のブーツを履くのみ。
 表情は気の優しい、しかし疲れきった老人の顔に見える。
 頭髪は短く、白髪にも見える銀髪。
■キャラストーリー
 とある日本人のプロレスファンはこう言ったそうだ。
「アメリカのプロレスはショー。日本のプロレスはスポーツ」
 それを示す通り、アメリカのプロレスはショーに徹している。

「……というわけで、俺がラリアットするから、情けなく負けてくれよ」
「うん、任せてよ」

 アメリカのプロレスファンは、ショーだと知っていて来るのだ。
 まるでコメディ映画のようなストーリーをリングの上でひろげ、
 しかし、本気で殴り合い、本気で投げ技を受け止めるそれは
 そこらのショーには無い本物の迫力が存在するのだ。

 今日もプロレスの会場には多くの観客が詰め寄せている。
 リングの上では、アメリカ一のプロレス団体のオーナーが、
 気に入らないレスラーをどうやって陥れて、
 解雇させようか策謀を入れている。
 と。

「そこまでだ! 如何に他の団体とはいえ、見逃せない!」

 ニワトリの姿をしたレスラー、チキン仮面が登場する!
 彼はインディーズ団体のプロレスラーでありながら、
 数々の謀略をめぐらす大御所プロレス団体のオーナーが許せず、
 ケンカを売っているのだ!

 だが、繰り出す数々の技を悪徳オーナーに弾かれる!
 悪徳オーナーは強かった。
 そして、無様に滑稽に逃げへつらうチキン仮面。
 観客の間からドッと笑いが上がる。
 チキン仮面は正義感こそ人一倍だが、実力はまったくない、
 チキン(臆病者)レスラーなのだ。

 悪徳オーナーがチキン仮面にトドメを刺そうとする瞬間、
 マイクパフォーマンスが挿入、
 会場のライトが一斉に選手入場口に向かれる。
 そこにはヒーロー……スラッグ・ロウがいる!
 湧き上がる観衆。
 いつの間にかリングの上から消えたチキン仮面のことなど
 もう誰も覚えていない。



「ふぅ」

 試合が終わり、控え室でチキン仮面はマスクを外しくつろいでいた。
 疲れにまみれた年老いた男性の顔がそこにあった。

「お疲れ様」

 そこにはリング上の悪徳オーナーが立っていた。
 実際に彼は団体のオーナーであり、実生活は紳士な人間であった。

「これから皆で飲みに行く予定だが、君に来るかい?」
「いやいや……遠慮するよ。僕は医者に酒を控えるように言われていてねぇ」
「それは残念だ」
「ところでオーナー、聞いて欲しいんだ」

 苦笑していたオーナーに、チキン仮面が話題を変えた。
 年老いた彼に決意の光が見えた。

「僕はもう、プロレスをやるには高齢だ。もう引退することにするよ」
「そうか……残念だ。
 君のような面白おかしい負け方が出来るレスラーは貴重なのだがな」

 酷いことを言っている様だが、
 オーナーは決して彼をけなしている訳ではない。
 『ショー』である以上、
『変な負け方が出来る』『いつでもどこでも好きなだけゲロが吐ける』など
 そういったスキルは、重要なのだ。
 決してスター選手にはなれないが、ある種スターよりも必要な人材である。
 チキン仮面はそのことを重々承知していたし、それに徹していた。

「知っているさ」

 チキン仮面は笑うように答える。
 彼はインディーズプロレスで、
 メジャーなプロレスのリングに立てることを夢見て、
 50になっても身体を鍛え続けた。
 念願適ってスカウトされた時、彼に与えられたのは
 『無様に負けて、スター選手を輝かせる引き立て役』とチキンのマスク。
 チキン仮面となった彼は、10年以上、ショーの中で負け続ける。
 それで構わないと思っていたし、それこそが自分の役割だと認識していた。

「だけど」

 チキン仮面は、口を開く。

「だけど、僕は見てしまったんだ」
「見た? 何を?」
「拳に翼を宿した少女を」

 それは偶然見た試合だった。
 三つ編みをした一人の小さい少女と、
 体躯が異様にでかいプロレスラーとの試合だった。
 誰が見ても、少女が負けるのは日を見るより明らかだった。

 だが……。

 結果は逆であった。

 少女の勝利。

 レスラーの得意技一発で、少女は沈みかけた。
 だが、踏みとどまった少女が一発の拳を放つ。
 瞬間。
 レスラーの背中に翼が生えたと錯覚するほどの、
 波動のような『何かが』突き抜け……レスラーは沈んだ。
 一撃だった。

 何よりもチキン仮面を驚かせたのは、
 あのパンチを放った刹那、
 確かに少女の拳に翼が生えていたのだ。
 いや、これも『生えていたように見えた』ぐらいのものだが。

 チキン仮面はこの時、理解した。
 少女は、勝つためでも負けないためでもない。
 『羽ばたくため』に戦っているのだ。

 一方、自分は何だろう。
 ニワトリの名を持ち、ニワトリの装いをしているのに、
 決して、空を飛ぶこともしない。
 いや……はなから飛ぶことを諦めている。

「その少女に夢を見てしまったんだ。
 だから……もう止まれないんです」
「そうか」

 いつの間にか壁に寄りかかり、オーナーは話を聞いていた。

「チキン仮面の最後は……せめて夢に準じたいんです」
「そうか」

 呟くように言うとオーナーは壁から離れ、
 チキン仮面に背を向けた。
 2、3歩歩き、足を止める。

「ショーレスラーが総合の試合に出るのは、
 私にしてみたら自殺行為だと思っている。
 だから、勝て……とは言わないが……」

 オーナーは顔だけ振り向くと、微笑んだ。

「負けるときは誇りたくいけよ」
「オーナー……ありがとうございます」

 翌日、スポーツ新聞紙はビックニュースを報じた。
 ガイア主催のかの異種格闘技大会に、プロレスのスター、
 スラッグ・ロウが参加!
 それはアメリカのプロレスファンを大いに沸かせた。

 そして。
 三面記事の小さな一角に扱われた、チキン仮面の参戦に
 誰しも振り向きはしなかった。
■サブシステム
・ダッシュタイプ:B。

・空中ガード
・前転回避
・後転回避
・ガードキャンセル
 ガードをキャンセルして動作を行える。要ゲージ
・ジャストディフェンス
 攻撃の瞬間ガードすることで、体力を少しだけ回復。
■投げ技
『ボディスラム』 強PorK投げ
「せい!」
 相手を持ち上げ、投げる技。
 相手の左肩に自分の左腕で掴み、自分の右腕を相手の股下に差し込む。
 その状態で相手を逆さまに持ち上げ、相手を叩きつける。
 なお、Kだと反対側に投げる。
■特殊技
『チキンウィングチョップ』 →中P
「チョップ!」
 素早く小ジャンプしながら、両手チョップを放つ。
 しゃがみガード不可だが、小ジャンプするためやや隙あり。
 なお、チョップ中は空中判定となる。
■必殺技
『チキンビーグ』 236+P
「(セリフ無し)」
 その場でクチバシによる素早い攻撃を繰り出す。
 なお、素顔時は頭突きとなる。
 射程距離と攻撃判定は狭いが、素早く隙が少い攻撃。
 威力はレスラーの技にしては低いので、牽制にでも使いたい。

『フライドチキン・スルーソルト』 空中で236+P
「ソルト!」
 空中で一回転した後、跳び相手を掴みパワーボムを行う投げ技。
 移動投げの属性があり、空中でも地上でも捕まえられれば投げられる。
 弱は真下に、中は斜め下に、強は真横に飛ぶ。
 威力は高いが、打撃には弱い。

『フライドチキン・ドロップキック』 空中で236+K
「ドロップキィック!」
 空中で一回転した後、跳び、ドロップキックを行う技。
 『フライドチキン・スルーソルト』と同様の移動軸を行う打撃技。
 威力は『〜〜スルーソルト』より劣るが判定が強め。

『チキンウイングフェイスロック』 63214+P
「クケーーー!!」(マスクマン時)
「ぬん!」(素顔時)
 コマンド投げ必殺技。
 文章で説明するのが難しいぐらい、少々複雑な技(苦笑)
 相手の背後に回りこみ、
 片腕の肘の間に相手の片手を挟んで極めつつ、
 両腕で相手の頭部(眼のあたり)を極める技。
 見た目地味だが、かなり痛い。

『チキンウイングスープレックス』
 チキンウイングフェイスロック中に63214+P
「スープレックス!」
 チキンウイングフェイスロックの状態から後ろに投げる、
 追加入力式コマンド投げ必殺技。
 スープレックスまで決まるとなかなか侮れない威力となる。
■秘技
『チキンウイングアームロック』
 ダウンした相手に6321463214+P
「クックドゥドゥドゥ!」(マスクマン時)
「ぬりゃーーー!」(素顔時)
 ダウン攻撃技の性質を持つ。
 なかなか極める機会は薄いが威力は高め。
 超必によるダウンからも繋げるので魅力的。
 なお技は、チキンウイングフェイスロックに続いて説明しづらい(^^;
 うつ伏せに倒れた相手の腕を反対側の腕で掴み、
 鶏の羽のような形(ようするに背中側)に曲げて極め、
 さらに相手の肘の間に自分の手首を押し込み、テコの原理でさらに極める。
 肩胛骨が助骨や鎖骨からはがれる痛みを加える技というが、
 極めると普通はまず折れる。その上、普通は(本当は)極めにくい。

『エリア51』 236236+PP
「クックックッ!」(笑い声でなくてニワトリの鳴き声)(マスクマン時)
「おおおお!」(素顔時)
 タックルで突進後、マウントポジション状態になり相手を数度殴り、
 その後、相手を肩に乗せ、ダッシュしながら地面に叩きつける乱舞技。
 移動速度は遅めなので、連続技にはならないが
 図体がでかいため、当たり判定は大きく狙いやすい。

『マスクを脱ぐ』 214214+挑発
 マスクを脱ぎ捨てる。
 vsなのは以外でマスクを脱ぐことは無いが
 この技を入力することで任意にマスクを脱ぐ。
 だからどうした、というわけではないが……。
 趣味技。一試合に一回のみ。
■絶技
『チキンウイングパイルドライバー』 6321463214+PP
「クックるドゥドゥドゥ!」(マスクマン時)
「これが……僕の……取って置きだ!!」(素顔時)
 コマンド投げ絶技。威力は非常に高い。
 『チキンウイング〜〜』の技は、見た目はともあれ
 説明しづらい技が多く、これもまた説明しづらい(^^;
 まず、相手の頭を自分の股下に差し込み、
 自分の右腕を下から相手の左脇に、
 自分の左腕を下から相手の右脇に差し込み掴む。
 そこから、相手を垂直に持ち上げ、開脚ジャンプしながら相手を叩きつける。
 ようは、相手を股間に置きつつ、開脚しながら相手の頭と胸を叩きつけ、
 自分は尻餅をついて着陸する感じである。
 余談だが、チキンウイングとは鳥の羽根の意味で、
 料理的には『手羽先』の意。
■挑発
「コケコッコ――――!!」(マスクマン時)
「さあ、来い! 来てくれ!!」(素顔時)
■ファイナルダウン
「クケ――――!」
(空中でバタバタ足を振りながらダウンし、
 ダウン後、ゴキブリのように這い回りながら力尽きる)(マスクマン時)

「これが限界か!」

vs月影なのは
 ダウンした後、立ち上がり
「満足だ……これで安心して逝ける……」
 そのまま、後ろから倒れる。
■登場演出
登場(通常A)
 唐突に何故か地面に立っているコーナーポスト。
 それの上に腕組しながら立っているマスクマン、チキン仮面。
「このチキン仮面が相手だ!」
 コーナーポストを蹴りながら、飛び降りる。
 コーナーポストは画面外に飛ぶ

登場(通常B)
 チキン仮面の腹部を鉄糸で釣り、画面外から
 鉄線を滑りながら飛ぶように降りてくる。
 降りると鉄線と鉄糸は画面外へ。
「チキン仮面、ただいま参上!」

 3分の1で鉄線が切れ、
 地面に顔面から激突する。
 しばし痙攣後、何事もなく立ち上がる。
■特殊登場演出
vs月影なのは
「君と……戦いたかったんだ……」
 ニワトリのマスクを脱ぎ捨て、上半身の白タイツを破り脱ぐ。
「僕の夢……僕の願い……受け止めてくれ!」
 構えるチキン仮面。
 なのはも拳を深く握り、構える。
「押忍! 全力で……行きます!」

vsスラッグ・ロウ
チキン仮面
(マイクパフォーマンス)
「スラッグ・ロウよ……今日こそ見せてあげよう!
 このチキン仮面の戦いを!」
(マイクをスラッグに投げつける)
■勝利ポーズ
勝利1
「いつもどこかで見ている。このチキンのマスクは見ている!」
 画面外に走り去る。

勝利2
「おおお……おおおおおお!!」
 両腕を振り上げ、歓喜の声を上げる。

勝利3
「覚えておいてくれ!
 このチキン仮面だって、いつかは勝てることを!」

vsなのは
「ああ……夢が見える……」
■勝利メッセージ
メッセージ1
「このチキン仮面。100戦99敗!」

メッセージ2
「コケコッコー! クックドゥドゥドゥ!
 コックェリコ! クックーエーココーコ!」

メッセージ3
「覚えておいてくれ!
 このチキン仮面だって、いつかは勝てることを!
 人は諦めない限り、夢を達成できることを!」
■キャラ別勝利メッセージ
vs月影なのは
「僕は……君に出会えたことを深く感謝している……
 ありがとう……僕の夢よ」

vs炎虎
「君もまた……僕と同じ夢を見ているのだよ。
 きっとね……」

vs日向義仲
「ふふふ……少年よ! プレロスは良いぞ!
 キックの虎でなく、リングの虎となれるぞ!
 君は未来のマスク・ド・タイガーだ!」

vs麻生夏香
「君の豪腕は……きっと夢のためにあるのだな」

vsスラッグ・ロウ
「スラッグ……君の道は憧れであり……
 僕には永遠に歩めない道だよ」

vsロイ・ベーカリー
「ショーレスラーだからといって甘く見たようだな!
 むしろ、勝てた私が驚きだ!」

vs紗雪・ドゥルーベ・弔祇邸
「このチキン仮面、煮られようがハサミで斬られようが
 決して屈しない!
 でも唐揚げだけは勘弁!」

vsアルシャンク
「………………あぁ……生きているって素晴らしい……」


格闘編へ
鍛え抜かれた体。
卓越した技。
頂上を目指すファイター達。
異世界・能力者編へ
異世界からの訪問者。
人知を超えた能力を持つ者。
超越した存在たち。
エージェント編へ
格闘家とも超能力者とも違う。
しかし彼らは対等に渡り合える。
何故ならばエージェントだから。
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