| サイコクリミナルチーム |
| ☆無心狂信
☆”力”の継承者 |
| 〜ストーリー〜 羽賀蓮。どこにでもいる普通の女子高生。 ただ1つ違うことと言えば、「“力”の存在」である。 彼女は一年生の後半に交通事故に合い、生死の境を彷徨う。 一命は取り留めたものの、後遺症としてなのか、急性腎炎となってしまう。 透析患者として腎パンクにレシピエント登録され、数ヶ月を病院で過ごし、 運良くドナーが見つかり移植手術を受ける。 数日後、退院した彼女は、晴れて再び学校に通えるようになった。 運動も、激しいものでない限りはできる。 学校に再び通いだして数週間後、レンは体育の授業でその「“力”」が 体内に宿っている事に気付く。自分に向かってきた暴投球が、自分の眼前で 静止したのだ。球は真下に静かに落ちた。球の威力は決して低くは無かったはず。 その時は何が何だか判らなかったのだが、彼女はある種の確信めいたものを感じた。誰もいなくなったグランドで体育倉庫の前に立つ彼女。 「(…開け!)」 体育倉庫の扉は、音を立て、後ろに引き込まれていくように開いた。 彼女の感じたものは間違いではなかった。 サイコキネシス…いわゆる「念力」と言うヤツである。 彼女はしばらく考えた挙句、この「“力”」は押し込めておくことにした。 それよりも気になる事がある。この「“力”」はなんなのか? それ以前に、どうやって身についたのか? 悩んだ挙句、彼女が出した答えは…。 「(使えるものは仕方ない)」 であった。 「(サークル(円))」 球は円を描いた。 「(スクエア(四角))」球は四角を描いた。 やはりこの「“力”」は本物である。大抵の人なら、こういう “力”を持ったら悪事に使うのが普通だろう。だが、彼女にとって この力はそれ程重要でもなかった。と言うより、意味が無かったのだ。 「(気味悪がられるだけだしな)」 誰もいないところでは惜しげも無く“力”を披露できるのだが。 別に披露する気も無いけどね。 それから数日後…。 今宵彼女は破壊神となる。 「なんだ、お前まだ俺達が付き合ってるとでも思ったわけ?」 男はさも当然のように言った。 「あんだけ間開けといて続いてる筈ねえだろ?自然消滅ってヤツよ。 それに俺、そう思ってたからもう新しい女いる訳よね」 レンは愕然とした。これが今時の若者の考え方なのか? 「…私は…そんな事思ってなかった…」 「お前の考えなんかこっちが知ったことかよ」 その一言が彼女の思考を狂わせた。 他人の考えなんて知ったことじゃない。じゃあ私は今まで何の為に? …でも、それが本当なのかもしれない。確かにあれだけの間、顔も合わせて なかったのだから、こうなっても仕方なかったのかもしれない。 彼女は昔から自分を無理矢理納得させる癖があった。 「…判った…もう私達、終わったんだね…」 「そーだよ、そう言うわけだから」 男はその場を立ち去ろうとした。そこに彼の新しい女であろう人が現れる。 「誰アレ?」 「昔の女だよ、ずっと入院してたヤツ。今用件言って別れたトコ」 男と女は此方をちらりと見ると、また歩き出そうとした。 レンは男の言葉を脳裏によぎらせた。他人の考えなんて知ったことじゃない。 「…でも…」 「あ?」 少し言葉を濁らせ、レンは俯く。 「私は彼方の事を忘れられない」 「だからなんだよ」 「だから」 「彼方を忘れる為に彼方の存在を消す」 その日、学校は午後から緊急休校となった・・・ 「レシピエント候補を送ります」 26 レシピエント名 羽賀蓮 16歳 女 血液型 BB RH(+) 適正欠損・・・ 「候補はこれだけか」 「はい、他に該当する物はおりません」 「判った」 「なあ、あれって羽賀・・・だよな」 「羽賀だろうな…見た限り」 本鈴がなる前の教室の中では、しきりにその話題ばかりが飛び交っていた。 「何の話だよ」 一人の生徒が問う。 「知らないのかよ。これ見てみろよ」 グループの一人に新聞を渡された生徒。見出しの字に目をやる。 「破壊神少女降臨」 呆気に取られた顔で、生徒再び問いかけた。 「なんだこれ?」 「だから、それ羽賀なんだよ。うちの生徒」 それを聞いて生徒は顔を丸くした。 「ホントかよ…破壊神ってのはなんなんだ?」 「なんか超能力が使えるとからしいぜ。それで街を破壊し尽くしてるんだと」 「超能力ぅ?」 その言葉に少し反応した生徒。頭に良からぬ事が思い浮かんだ。 「そいつ、7月ぐらいまで入院してたんだよ。知ってるだろ」 「あー、噂になってたな。一学期でもう留年確実とか言われてた」 「それでそいつ、移植手術受けて退院したんだよ。 お前、知らなかっただろうけど」 確かに、そんな事知った事ではなかった。自分にとっては どうでもいいことだったから。話のネタには良く出ていたが。 それより…「移植手術」の言葉に、何時しかの光景が照らし合わされた。 「ちょっと前に1階の渡り廊下で誰か死んでただろ。その日からだよ、 羽賀が学校に来なくなったの。退院して一ヶ月もたってなかったと思う」 「そいつら殺したのって…まさかその羽賀ってヤツ?」 「と思うぜ。新聞見る限り。それに殺されたヤツって、 羽賀の元彼と新しい彼女だったってよ」 「判り安すぎるな…」 「それはそれで良いけど、それが切欠で破壊神にならないで欲しいぜ」 「女は恐ろしいな…」 家に帰ったその生徒は、テレビで実際に街を破壊する少女の映像を見た。 「移植して復帰したすぐ後って言ってたな…まさかとは思うが…」 彼は父親に気になっていた事を話してみた。 「何?力の移植後のこと?」 「いや…力じゃなくて、臓器。家の家系の“力”って、 臓器移植とかすると力まで移植されんのかなって」 「さあ…家の家系では移植手術に関わったのは弟が初めてだが… 前例が無いから判らんな。何でそんな事を?」 「いや深い意味は無くてちょっと気になっただけなんだけど。 あ…そう言えば親父の弟さんがドナー移植提供したのっていつ?」 「6月の…確か後半だったな。それがどうした?」 「いや、別に…」 彼は事実を照らし合わせ、考えを練った。 「伯父さんが臓器提供したのが6月の後半で、羽賀ってヤツが 学校に復帰したのが7月の…中旬ぐらいだったか。いやもっと前か? どっちにしろ…時期は重なるよな。じゃあやっぱり… それしか考えつかねぇな…」 ベッドに寝そべっていた彼は、体を起こし 何処ともなく確信を得たような目で壁を見つめた。 そして、その確信を実際の物とするためにはある事が必要だった。 「(羽賀…聞こえてるなら返事しろ)」 彼の家系は代々超越的な力を宿していた。もし彼の予想が正しければ 返事が返ってくるはずだ。 「(………聞こえてるんだろ、さっさと出てこいよ!)」 「(………誰?)」 思った通りだった。それなら話は早い。彼は話し続けた。 「(やっぱりな…てめえか?俺の伯父の移植に関わったのは)」 「(………何を言ってるのかさっぱり判らないわ)」 「(惚けんじゃねえ、ドナーから臓器移植されて 退院した後に超能力に目覚めただろ)」 「(…それがどうしたの?)」 「(てめえの噂は聞いてるぜ、破壊神少女って 新聞やらテレビやらに取り上げられてたぜ)」 「(…誰なの?)」 「(てめえに移植された臓器の持ち主の従兄弟ってトコ、かもしれねえな…。 椙邑棗だ。宜しくな)」 「(…何の用?)」 「(てめえが使ってる力は、家の家系に代々伝わるシロモノなんだよ。 そう簡単に他人に使われちゃあオリジナルの立場がねえってもんだろ? 何様だよ、てめえ)」 「(…それは失礼。で?力を使うのを止めろとでも?)」 「(誰もそんなこと言ってねえよ。ただ家じゃ力を使うのはタブーなんでな。 縛られずに力を解放してるてめえが羨ましいだけだ)」 「(…そう…)」 「(そう言うわけだ…。俺もお仲間に入れてもらうぜ。何しろ力の抑圧で ストレスが溜まりまくってんだ。破壊願望が有り余って仕方ねえ)」 「(…居場所もわからないのに?私がいる場所を教えるつもりは無いわよ)」 「(オリジナルの力甘く見すぎだぜ。本家の血をなめんなよ… 今からそこに行く。待ってろ)」 「(…好きにすれば…)」 事実を知った棗は、試すような感じで父に話し掛けた。 「親父…もし…伯父さんが移植した臓器に力が宿ってて、 移植されたレシピエントがその力を受け継いだとしたら…どうする?」 「…なんだ、さっきから?」 「今言ったとおりだよ…それで、 もしその力を受け継いだのが、あの「破壊神少女」だとしたら…?」 「…まさか…!?」 「ビ・ン・ゴ。そう言うわけで俺もあっち側に行かせて貰うぜ… つってもあんた等がそんな事許す筈ねえよな?だからその前にあんた等を 消しといてやるよ。面倒だろ、あんた等も」 「………!!」 「(この力を使えるのは選ばれた人間だけ… 俺はその選ばれた人間ってワケだ。それをあの羽賀ってヤツは… 所詮臓器が移植されなかったらただの女だった筈だ…。 思い知らせてやるぜ、アウトサイダーは早急処分しねえとなぁ!! それまで精々利用するだけしてやるぜ…)」 |
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