KOFXXシリーズ
漆番隊
『それは、誰がための?』

作者 蓮華


【それは、誰がための?】


「良くできた銃だ」

感嘆に似た言葉を言ったのは、政府武力組織「ホーリーナイツ」第漆番隊隊長である土方洋介だ。
まだ十八歳だったが、番隊を一つ任されている。
今は漆番隊の執務室の椅子に座り、銃を見ている。自動式の拳銃だったが、有名なベレッタなどではなかった。

「本当ね。安くて、高品質で子供にも扱えるわ」

隣をのぞき込んで、同じように感嘆に似た言葉を言ったのは少女だった。

「『セブントリガー』の中でも一番のガンスリンガーである貴方がそう言うとは……」

副隊長、ツヴァイ・セルトラックも感心していた。執務室にいるのは三人、隊長である洋介と副隊長のツヴァイ、
そして明るい太陽の光を沢山吸い込んだような金髪をポニーテールにした少女、退院であるドライ・ユルバルトだ。
ツヴァイの焦げ茶色の髪の毛が僅かに揺れた。見ているのは洋介の方だ。

「それで、これは?」

「アルハンドラ013と言います」

銃の名称を聞くと、ツヴァイは簡潔に返した。手に持っている分厚そうな紙の束をめくった。
ドアがノックされて、入ってきたのは亜麻色の髪をした紫色の瞳の少女だ。髪の毛を三つ編みにしている。

「隊長」

「何処が動くことになった?」

「まだ決まっていませんが、うちに回ってくる可能性もあります」

「そうか……」

椅子に深く腰掛けると、洋介は考え事をし始めた。
あの事件が起きたのは二日前のことだ。某国の大統領が撃たれた。幸い、命に別状はないものの使われた銃が
アルハンドラ013と言う最近聞き始めた名前で、調べてみると、安くて、品質が良くて、子供にも扱えるという
それが銃ではなかったらどれだけ良いかという性能をしていた。大統領が撃たれたと言うことで
「ホーリーナイツ」も動くことになった。問題はどの部隊を動かすかということだ。
零番隊からに十一番隊まで、タロットカードのように二十二も在る部隊は特徴と得意分野がある。
たとえは補佐に長けているのは五番隊と九番隊、法術に長けているのは十八番隊、
漆番隊はどちらかというと攻撃向きだと言われていた。

「私としては、十一番隊や四番隊に動いてもらいたくないですね」

「それ、言えているかも」

「身内批判ですね」

「その気持ちはわからないでもないが」

ツヴァイが言うと、ドライは肯定した。アインがそれを咎めているが、完全に咎めているというわけではない。
批判と言うより、相手を倒すと言うよりも抹殺することに長けているのが十一番隊と四番隊だ。
隊長をやっている洋介だが、自分たちの部隊を抜いても二十一もある部隊だ。相性の良い隊長と悪い隊長があるし
相性の良い番隊と悪い番隊もある。

「しばらくは様子見ですね。隊長、資料見ます?」

ツヴァイの提案に洋介は頷いた。



「これで全部だよな」

買い物メモを見ながら、まだ幼さを残している青年は買い物袋を車の助手席に放り込んだ。リュックサックを背負っている。
名前をフュンフ・グスヴァスと言った。街は今日も平和そうに見えている。後は帰るだけとなっていた。
帰ろうと、自動車の鍵を取りだした。エンジンをかけて運転すれば、すぐにでも、帰ることが出来た。

その時だ。発砲音が聞こえた。

そして、フュンフから三百メートルほど離れたところにいた少女が血を流して倒れた。
車に鍵をかけるとすぐさまフュンフは少女の方に駆け寄った。脇腹を撃たれていた。すぐにタオルを取り出すと応急手当をする。

「誰か、警察に!」

テキパキと応急処置をしていると裏路地の方に誰かが居た。その誰はすぐに去っていってしまった。
それからすぐに救急車が来て、少女は一命を取り留めた。フュンフも事情聴取をされて、帰ってこられたのが
夕方になってからのことだ。疲れたように荷物を持ってきた。

「災難ね」

「ドライ姉……はい。買い物してきたよ」

ドライに買ってきたものを渡すと、ソファーに倒れ込んだ。

「子供が銃で撃たれたんですね」

ツヴァイの言葉は何処か寂しそうだった。それの話を……とフュンフは口を開いた。

「それが、撃ったの子供みたいなんだ。言わなかったけど」

「……子供ね……」

ドライが何かを考えていた。子供の暗殺者というのは居ないわけではなかった。むしろ、子供の方が油断を誘えるとかで
使われることが多かった。全員、それを熟知していた。

「疲れた……帰ってきてたのか?フュンフ?」

「会議だったんですか?」

「そうだ。全く……シューにアイリス、それにチェリーまで揃ってると、アイツも居たし」

隊長達とその一部の側近だけで行われる隊長会議、またの名を円卓会議かアルカナ会議だ。巨大な丸テーブルを囲んで
会議をするから円卓会議、番隊が全部で二十二あるのでタロットカードの大アルカナに引っかけてアルカナ会議だ。
本当の意味で全員揃うと言うことは滅多なことではないのだ。

「議題って、大統領が撃たれたとかの?」

「それなんですが……」

側近として着いてきたのは今回はアインだった。大抵はツヴァイも行くのだがやる用事があったのだ。

「最近、諸国にアルハンドラ製の銃が出回ってるらしい。被害が広がってる」

「実態とかつかめてるの?」

洋介がアインの言うべき事を続けた。ドライが聞いてみると、アインは首を横に振った。

「いえ……朧気にしか、何処が引き受けるかでもめましたから」

「上層部が何も言ってこなかったとは……言ってくること自体希ですけど」

安くて精度の良いアルハンドラ製の銃が出回っていて、被害が広がっている。警察も手を焼いている状態とかで
どうやら様子を見ていると言うことが出来なくなってきた。どの番隊が調べるかで、もめたのだ。
協調性がないわけでもないし、手柄を横取りしたいとかというわけでもなかった。要するに、
この番隊には任せておけない……ならうちがと言うのが重なり合うのだ。

「銃があるとろくでもないことが起きるよ。本当」

「そうね、極端な話、引き金さえ引けば誰だって殺せるもの」

銃弾が入っていて、引き金さえ引けば銃弾が押し出されて、それが人を殺す。銃をメインで扱わないフュンフも
銃をメインで扱っているドライにだって解るのだ。さらに言えばアルハンドラ製の銃は、他の銃よりも安いし
性能も良かった。そんなのが広がっていれば…………結果は誰が考えても想像できていた。

「……隊長……」

会議がまた開かれていて、それに出席をしていたのはツヴァイだった。漆番隊の他にも隊長が不在の部隊もいるが
漆番隊の場合は隊長が不在と言うよりも隊長が業務をサボることが原因だ。それのしわ寄せはツヴァイに来る。
思わず、名を呟かずには居られなかった。十八才にして隊長になった……最も、自分は十七才で副隊長をしているし
同じ年齢だが隊長をやっていたりする者もいるし、十七番隊隊長なんて少年隊長だが……洋介だが、
業務をしているのはツヴァイとアインだったりする。

「アルハンドラに構っているのも良いですが、それよりも、懸念しておくべき…」

「それぐらい解っている!」

「……仕方在りませんね。他にも組織はありますから」

回りの声を聞いて、アインが呟いた。

「数ヶ月前のテロ事件、あれは……」

「潰せばいいだろう。それぐらい」

「お待ちを。むやみに調べないで、兵を出すのは、人類壊滅組織が所持している……」

慣れていない者では頭痛を起こしそうなぐらいに騒がれていた。この会議に出席をしていると、世界は平和そうに見ているが
実は平和ではないと言うことが良くわかるのだ。ツヴァイとアインは傍観者になっていた。

「まずは、何からすればいいのかを考えるべきでしょう」

ようやく、ツヴァイは口を開いた。

「副隊長如きが……」

何処かで聞こえる声にツヴァイは僅かに怒りを押しとどめていた。アインがやれやれと言った表情で癖である
額に手を当てて目をつぶることをしていた。こうなったツヴァイは……。

「……では、隊長たちが小田原評定を行っていたとしても、何の解決にもなりません。副隊長の私が言うのも何ですが
やるべきことは山ほど在ります。政府武力組織である私たちは政府を、言うならば世界を護ると言う役目があるのです」

言っていて自分が嫌になってきた。いつまでも会議を繰り返していることに関してもだ。
役目なんてものではない。ツヴァイは世界を護るなんて役目は本当は好きではない。実際の所、世界なんて護らなくても
やっていけるものなのだ。護ることを大義名分にすれば何でも出来る。それこそ、中世の魔女狩りのようなこともだ。
ツヴァイにとって世界を護ると言うことはいわば――――――――――――――――――。

「後で胃薬やろうか?」

イヤーカフスから声が聞こえてきたのは、次の瞬間だった。ツヴァイはため息を吐くと、声に答えた。

「貴方のせいですよ。隊長」

「悪かった。で、お前に相談だが「セブントリガー」あるいはすぐに使える部隊はいるか?」

「……いきなり何ですか……?」

アインに会話を任せると小声でツヴァイは洋介と会話をしていた。耳に付けているイヤーカフスのお陰で会話は容易だ。
洋介と漆番隊内にある「セブントリガー」の面々が着けているイヤーカフスは、何処にいても通信が出来る。
何となく嫌な予感がした。脳の一部が痛み出してきた。胃も痛み出している。朝はちゃんと食べたはずだったし
胃が痛むようなものは食べていない。……いや、解っている。現実逃避をしたいだけだ。
この隊長がこれから言う言葉はどれだけ副隊長の体調を悪くできるだろうか?

「何故か、成り行きでアルハンドラの武器製造工場に居るんだが、俺一人だと潰すのが厄介で、しかも居るのは……どうした?」

頭痛がしてきた。
眩暈も起きてきた。
胃が痛み出してきた。

今、「ホーリーナイツ」が必死で調べているアルハンドラの武器製造工場にいて、居るのは「ホーリーナイツ」が
追っている他の組織の重要な幹部?それについて今頃、この会議で言い争いをしているというのに
その言い争いに参加していないで、恐らく、自分で調べに行ったのではない。
……彼が忠誠を誓った人間は本人が望む望まないにかかわらず解決策を持ってきてくれるのだが、それが突然すぎる。
ツヴァイ・セルトラック、十七歳。寿命を確実に縮めていそうな感じだった。

「……え?某国の大統領を撃った犯人がわかった?本当ですか?ヌル?」

テーブルに身体を伏せたくなってきたツヴァイ、そして隣ではアインにしては疑問符を沢山並べて、応答していた。

「調べた結果だ。アルハンドラの人間が関わってた」

「―――――なるほど」

「……で、ここからが本題だ」

ヌルと呼ばれた青年の声は調べた結果というのをアインに伝えていく。会議の声もアインの耳には入っていない。
やがて……彼女にしては珍しいことに、誰が聞いても解るぐらいの怒りを込めていた。

「許せませんね……、すみません。急用なので失礼します」

最初の言葉を小声で言うと、アインは会議を抜け出した。



「病気なんだ。妹は」

「何となく解るけど」

「妹は耳が聞こえなくなったし、喋られなくなった」

少年の名前はニースンと言った。フュンフは事情を聞いていた。両親が亡くなってからと言うもの、身内も居なかったので
二人で暮らしてきたのだが、妹であるフェニアが喋られなくなり、耳が聞こえなくなってしまった。
医者に診せようにも、診せるための金がなかった。

「だから、人殺しをしようと?」

「男の人が来て、銃をくれたんだ。人を殺したらお金をくれるって、最初にあの子を撃ってみろって、言われた。
でも、お兄さんが助けちゃったけどね」

悪気などまるではなく、言う。それを怒ることも、咎めることもしなかった。ただ、耳を傾けていた。
フェニアは何事もなかったかのようにフュンフとニースンを見ていた。フュンフは微笑みを見せた。
どこかに行っていろと、ニースンはフェニアに指示を出した。

「撃てたんだ」

「怖かったけど、当たったら、こうすれば佳いんだって……フェニアのためなら何だって出来る……死ぬことだって」

「……そうか……」

「銃が在れば何でも手に入るんだ。だから……」

一瞬、フュンフの手がゆるんだ。それを見逃さずにニースンは落ちていた銃を拾うと、フュンフの脇腹をめがけて一発撃った。
銃声がした。アルハンドラ013から硝煙が上がっている。

「こうすれば良いんだ……邪魔なら撃てばいい……」

それは、邪魔なものを排除できる力を持った者の眼だった。邪魔ならば蹴散らしてしまえばいい。ニースンはその場を去ろうとした。

バンッ!

が、それを遮ったのはニースンが使っている銃で発射できる銃弾よりも、大きな銃弾だった。見ると、
脇腹を撃たれて倒れたはずのフュンフが、平然とショットガンを握っていた。ウィンチェスター製のショットガンで
撃たれたところからは血が出ていなかった。その代わり、何かがシャツの間から見えていた。

「生憎さ。着るものがなくて防弾チョッキ着ていたんだよ」

冗談に見えて実は本気の言葉を言いながらリュックサックの中に入れていたショットガンを向ける。
リュックサックにショットガンを入れているという人間は滅多にいない。その表情は、あどけない微笑が消えていた。
代わりにあったのは、殺気だ。

「……あ……」

「オレには偉そうなことは言えないけれど」

ポンプを動かして、空薬莢を排出して、新しい銃弾を詰めた。動けないニースンに近づいた。
いきなり蹴り飛ばされ、倒される。
怖かった。
ショットガンを持っていることが怖いのではない。それとは別に怖かったのだ。身体が震えた。
額にショットガンの銃口が突きつけられていた。引き金を引けば、それこそ石榴が弾けるように簡単に脳ぐらい吹き飛ぶ。

「……銃が在っても良いことない。死ねるって言ったよね?なら死んでみる?それとも、殺そうか?」

冗談抜きの本気の問いかけに震えた。冷たい声だった。夢なら覚めてくれと、本気で言いたくなった。
その夢が覚めたのは、フュンフの頭を何かがぶったからだ。

「何やってるの?」

「ゼクス?」

救世主は黒髪に金と赤のオッドアイをしていたウィンドブレーカーの少年で、フュンフの頭を叩いたのは死神が持つような
大鎌だった。持ち主の身長よりも高いそれを軽々と持っている。もう片方の手では少女の手を引いていた。
フェニアだった。涙を流してニースンに抱きついた。

「ごめんね」

ゼクスは謝りながら、ニースンのアルハンドラ013を回収した。

「何でここに居るんだ?」

「フュンフが心配だって見にいけってさ。案の定……似合わないよ。ショットガン……さて……」

死神はニースンの方を向いた。フュンフはショットガンをリュックサックの中に入れている。
さっさと入れないとゼクスの大鎌が振るわれるからだ。ニースンは泣いていた。

「……ごめんなさい……」

「怖かっただろ?あんなのになりたくなかったら銃なんて二度と持っちゃ駄目だよ?」

言い聞かせながらゼクスはフュンフを攻めることを忘れていなかった。

「……なんか、オレのこと攻めてるよね」

「うん。後でちゃんと報告するよ?それより隊長の所に合流。一緒に来てね。車は止めてるんだろう」

「場所解ってるなら案内してくれ……報告は止めてもらえないか?給料が減らされる」

「何で防弾チョッキなんて着てるの」

「寒かったし、着ればちょっとは暖かくなるかなって」

いつもの調子に戻ったフュンフはすでにあの時の殺気は消え失せていた。ゼクスは大鎌を折りたたんだ。
それをしまうと、フュンフに着いていく。

「心配しなくても良いよ」

ゼクスはニースンに言った。


紅い鞘の日本刀が、次々と相手を倒していった。銃を持っていても、撃たれたとしてもそれは止められることはなかった。
武器製造工場で行われている戦いは殆ど一方的に進められていた。

「銃弾なんて、当たらなければ意味がないだろう」

考えてみれば当たり前のことを口にした。それを避けたりするのが難しいことだというのに。
一般人に関してみれば、だが、避け方というのもちゃんと存在していた。銃口と手の動きを見ていれば
避けられる。それをいとも簡単にこの青年はしていた。避けながら、倒していった。

「……な、何者だ?」

信じられなかった。いきなり入ってきた青年が、兵士たちを倒していく様子が、気絶させられているだけで
殺されては居ない。後で話を聞くためらしかった。問われて律儀に青年は名乗った。

「政府武力組織『ホーリーナイツ』漆番隊隊長、土方洋介」

自己紹介をすると背後に迫っている相手を日本刀『阿修羅』で斬った。たった一人に殆ど壊滅状態にさせられていた。
これぐらい出来なければ隊長クラスなんてやっていられないのだ。

「『ホーリーナイツ』……政府の狗か!」

「そう言われるのは好きじゃないんだが、……お前達のことは俺が許さない」

死刑宣告に似た言葉を言うと、撃ってきた黒服の男の懐に入り、斬る。
リーダーらしき男も撃ってきたが、銃弾を阿修羅ではじき飛ばすと、一回斬った。斬られたがダメージがこなかった。

「許さないだと……それで……斬ったようだが何も……」

「気絶する前に言っておくがお前達は俺たちを敵に回したんだ」

「……は……?」

「お前達は俺たちが生きるのに邪魔だ。それにいると苛々する」

相手が全てを聞いていたのかは解らない。相手は少しして血が噴き出して、倒れた。
誰も洋介に手出しをすることが出来なかった。洋介は洋介で『阿修羅』で肩を軽く叩いていた。
逃げだそうとしている兵士や幹部だったが、動きが止まり、そして銃声が何発もして、撃たれてしまっていた。
そこに来たのは、金髪の少女と亜麻色の髪の少女だった。

「必要なかったんじゃないですか?」

「事後処理が居るだろ」

亜麻色の髪の少女、アイン・は洋介の方に来た。彼女の着けている金色の腕輪から何か細いものが出ていた。
銃を握っている金髪の少女、ドライはしょうがなさそうにしていた。

「とりあえず、私たちと小隊だけ来たわ」

「おおかた片付けたし……」

他の組織の幹部も倒してしまっていたし、逃げようとしていた相手も、仮に逃げてしまった相手も捕まえている。
後で聞きたいことが山ほど在った。

「あれ?終わってる?」

気落ちしながら言っているのはゼクスだった。祭りに参加できないでしょげている子供のようだった。
ドライが最初にそれに気付いて、聞いた。

「ゼクス、フュンフはどうしたの?」

「抑えておいたよ。で、相談があるんだけれど……」

「またか……で、どうした」

「ツヴァイ、怒ってますよ……」

会話を始めた洋介、アイン、ドライ、ゼクスを誰かが見ていた。楽しそうに口元には笑みが浮かんでいた。

「埋葬騎士団か……面白いことになった」

埋葬騎士団……漆番隊の別名でもある。隊長である洋介と『セブントリガー』と呼ばれている者達のことをまとめてこう呼ぶのだ。

「……追いつめられている者に銃を握らせ殺しを行わせ、安くて使いやすい銃をばらまき、争いを引き起こす、か」

「あの子も……そうやって……」

執務室には殆どのメンバーが集まっていた。隊長と『セブントリガー』の面々。居ないのは別の用件で出している一人と
普段は数えることのない一人と学校に行っている一人だ。洋介の言葉にフュンフは自分の両手を組ませた。
人の弱みにつけ込んだり、争いの火種を巻く。あの兄妹に関しては医療機関に預けておいた。
こういうつてが出来るのも、こんな仕事をしているからだ。フェニアの耳が聞こえなくなってきたのと
喋られなくなったのはストレスのためだったらしい。今は治療を受けている。

「咎められてますよ。引き受けたこと」

一方的にアルハンドラに関しては引き受けると、洋介が宣言してからは回りからの苦情が来ていた。
こういう隊長なのだとツヴァイは殆ど諦めてしまっている。それにこんな洋介だからこそついて行っているのだ。

「何をするの?」

「……言わなくても解っていますけどね」

「楽しいことが起きそうだ」

解っていて問いかけるドライと、瞳を伏せるアイン。そして楽しそうにしているゼクス。
この場にいる全員の顔を見て、洋介は宣言した。

「――――――潰すぞ、アルハンドラ!!」

そしてその宣言通りにアルハンドラは潰れることとなる。だが、それはまた別の話……………。


【Fin】






後書き

蓮華:……何となく四番隊それに長けてる気がするんだけれどね。主役誰なんだろ?この話

ドライ:何だが長くなったわね。落ちが付かなかったみたいだけれど

蓮華:入れたかった場面も入れられなかったし、まあいいや……紹介みたいな話って事で

ドライ:適当ね。

蓮華:……あはははは……(乾いた笑い)

ドライ:感想などに関してはいつでも募集しています。つっこみどころもね。

蓮華:さて、寝るか


 

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