FOW閑話シリーズ
7NEWSッ☆
“A.ワイルダー特集”
作者 ダンジョンさん
| 亀田総一郎は帰宅するなり、テレビをつけた。 今日は疲れた。何か面白いのはやってないものか。 時刻は7時45分。まあ、なにかやってるだろう。 (CM開け) ♪ドゥッ、ドゥッ、ドゥワッワッ、ウワシャー、 ギラギラメロローン、モンロォ〜! テロップ 『州知事立候補!話題騒然アダム・ワイルダー!』 画面中央に座る二人の男女と一人のオカマ。 左からドスギ、美濃さん、なっつぁん。 左から映画評論家、タレント、アナウンサー。 左からおかま、男、女。 なつ「というわけでですね。 今までアダム・ワイルダーさんの州知事立候補のニュースを、 お送りしてきたわけでございますが。 やはりこのアダムさん、本業は映画俳優ということで、 今日は映画評論家のドスギさんに来てもらいました。どうもこんばんわ。 ドスギ「声が小ィィィさいッァ(掌底)」 なっつぁん死亡。 画面が切り替わる。 花畑を駆け回る少女。 テロップ 『しばらくお待ち下さい』 (2分経過) 画面が元に戻る。 なっつぁん、顔面に包帯巻いて復活。 にやにやしてるドスギ。 美濃「それで、何。ドスギさん、今日は、何すんの」 ドスギ「血の雨降らすZEYO」 飛びかかるドスギ。ブロッキングする美濃。 体が青く光り、ドスギの体を床にたたき付ける。 床に皹。衝撃で一瞬だけライトが点滅。 三人とも席につく。 美濃「ええとね、ドスギさんね、今回ね、 アダム・ワイルダーの映画を紹介しにきてくれたんだよね」 ドスギ「ドスギですっ☆ そうなのよッ。 わたし、アダム・ワイルダーはホントに好きで、 デブイデー(DVDのこと)も全部揃ってるワ!それくらい好きよ!」 なっつぁん「それでは早速…いっ(吐血)一本目から」 VTR。 『ホワイトハウスニンジャ(07年)』のワンシーン。 主人公のサミュエル(アダム・ワイルダー)がロッキー山脈で、 覚醒したワンチン先生(トム・クルーズ)と闘う場面。 機関銃でサミュエルを打ち落とそうとするワンチン先生。 だが防弾チョッキを身に纏ったサミュエルには効かないのであった! なっつぁん「この映画は忍者の役ということで日本でも話題になった作品です」 美濃「アクションシーンが良かったよねえ、 いまのVTRなんか、あれクライマックスですよね」 ドスギ「ドスギですっ☆ もうすっごいわよ!この映画っ!いくら払ってでも見るワ! コメディ、爆破、カーチェイス、毒殺、 も〜映画の面白いとこ全部もってってるのよ!すごいわ! ねえ、すごいの!」 なっつぁん「アダム・ワイルダーさんについてはいかが(喀血)ですか」 ドスギ「この映画でアダムは、ホワイトハウス直属の忍者っていう設定なのね。 でもさすがはハリウッドっていうか、俺たちのワイルダーつうか。 私たちのイメージする忍者観をみっごとぶちゃけらかして(ドスギ語)くれてんの! うさぎ、チェーンソー、煮豆、毒殺 もうなんでもありな忍者って感じよ!パーフェクト・ニンジャーよ! そこが見所よ。はっきり言ってこの映画のアダムが一番ステキだわ!」 なっつぁん「なんかそれもう忍者じゃないです」 ドスギ「(鬼の形相でなっつぁんを威圧) 美濃「(へらへら)」 なっつぁん「…つづいてはこちらです」 VTR。 『アダム・ワイルダーのチャンピオンにお任せ!(03年)』のワンシーン。 ロンドン郊外を歩く詐欺師ケネス(アダム・ワイルダー)。 天性の才能で、医者から金をだまし取る毎日を過ごしてきた彼だったが、 遂に彼にもロンドン警察の手が忍び寄る。 なんとかしてこの国を出て、祖国アメリカへ帰りたい! そう思った矢先、彼の肩を後ろから叩くものが… それは、斧手の人面鬼ジャガー・ザ・マウンテンプッシュだった! なっつぁん「この映画ははじめてアダムさんが監督・脚本をつとめた作品です。 私はまだ見てないんですが、どうでしたか?」 美濃「割と最近ですね。私これ見ましたよ。 詐欺師ものでね、最後はアッと言わされた。なかなか楽しめました」 ドスギ「ドスギですっ☆ 私、この映画見るまでは「監督しなくてもいいじゃないかのう」って思ってたの。 やっぱり俳優は俳優業でこそ魅力でるものじゃない? でも、実際見てみると…その通りだったわ ダメよ!これ全然ダメよ!死んで!ねえ死んで!」 美濃「(放心)」 ドスギ「いい男がいっぱい出てくんのに全員怪物メイクなのよ!」 美濃「(放心)」 ドスギ「最後はなに?なんなの!? あのラストはいただけないわ… (にやにや)」 なっつぁん「いやがらせのようですが、あんまり知りたくないです。 次行きます」 ドスギ「(目が発光)」 ♪しゃーん モダモダモダーン モンロォ〜 (CM) (CM開け) ♪ケッケッ ケッチャララン テカテカッテッテン め、めず、めず、めめめ メンコォ〜 VTR。 『エコノミスト(90年)』のワンシーン。 経済学者マクレーン(アダム・ワイルダー)が 19世紀末に建てられた古い屋敷に悪霊と対決する場面。 手に持った人参を悪魔に突きつけるが、悪魔は実は彼の従姉妹のミッキーだった。 なっつぁん「アダム・ワイルダー作品の中で最もヒットした作品です」 美濃「日本でもロングランヒットでしたからねえ、これは」 ドスギ「ドスギですっ☆ 見ましたねえ、エコノミ。 最初はねえ、面白いんですよ。アダムらしくて。 ざるそば食ってのどつまらすシーンとか、 チャリで4,5人轢いちゃうシーンとか、 悪魔の呪いで「割り箸」になりかけるシーンとか、 ホント劇場で爆笑しました。笑い死にしました。一回死にました。 でもまあ、中盤のホラーになってからはフツーよねえ」 美濃「へぇ(疲れてきた)」 ドスギ「アダムは上手いのよッ!でも共演者がダメダメなのッ! 池にダイブするシーンで一瞬カメラ目線になるところとかッ アダムの首を捻ろうとするシーンで台詞が棒読みなところとかッ ムカつき度60万ポッシブルよ!」 なっつぁん「いよいよ最後の映画です(嬉しそうに) 最後の作品は一番のオススメということでドスギさんに持ち込んでもらいました」 ドスギ「(持ってくんの忘れた)」 とりあえずVTR。 『底抜けヒーロー2(91年)』のワンシーン。 難解だったパトカー強奪及び俺のおばさん殺人未遂事件を解決し、 酒場でパートナーのピーマン(ブルース・ウィリス)と 飲み交わすジェイク(アダム・ワイルダー)。 だが突然、彼らの居るテーブルがまっぷたつに斬られてしまう。 そこに現れたのはアジア系ヤクザのウナギィヌ(役所広司)だった! ドスギ「ドスギですっ これはすごいわっ。アダムの映画でも一番好き! もうなんか(放送コードに引っかかりました)って感じ!」 美濃「ははあ(肩肘ついて聞く) ドスギ「前作も好きなんだけど、こっちのほうがいいわ! なんつっても、あれね。このシリーズ特有のアクションシーンね! とにかくいろんな武器が出てきて面白いワッ。 豚足ブーメランとか、 本気で殴れミサイルとかステキなのよ!」 なっつぁん「どんな話なんですか?」 ドスギ「知るかよ…」 なっつぁん「………」 ドスギ「一番印象に残ってるシーン、というか映画史に残るシーンはあれね。 エンディング直前、アダムが相棒のピーマンと祝賀会を訪れるとこ。 前作から一緒にタッグを組んできたピーマンが 実は自分はゲイだと告白するシーンね!もう泣いちゃったわ!」 美濃「ん、さて、ざっと紹介してもらいましたが。面白そうな作品ばかりですね(ちょっと眠りかけてた)」 なっつぁん「ええ。どの映画もアダム・ワイルダーの魅力満載でした………ッ!」 ドスギ「うふふふふふふ」 美濃「あ、もう時間ですね。それでは皆さん、お別れです。 さよならさよなら」 ドスギ「うふふふふふふ」 (なっつぁんの姿がない。慌てるスタッフ) (エンディングテーマが流れる) (ガラスの割れる音) (惨劇のはじまり) (CM) 亀田は妻の手料理をすべて平らげた。 彼女は毎日、おいしい料理を作ってくれる。妻に感謝だ。 さて、8時。 なにか面白い番組があればいいが。 妻と一緒に見られるものであればいいが。 尚、知事選はアダム氏落選しました。 |