スーパーロボット大戦
スノーマウンテン

閑話休題
<メタルスラッグ>フィオの口調と性格


 前略、『スーパーロボット大戦赤』を書いているナニコロという者です。
 この小説スーパーロボット大戦赤には、アクションゲームから『メタルスラッグ5』が登場しています。
 ネットでのスパロボ小説は数あれど、メタスラを登場させたのは……贔屓目で見ても、ウチぐらいではないかと思っています(苦笑)。

 それだけ筆者(ナニコロ)が、メタスラないし登場キャラのフィオが好きなんですよ。
 およそ、ナニコロ内部の好きなキャラベスト3に入るぐらいです。
 内訳は、獅堂光(レイアース)、八神庵(KOF)、フィオ(メタスラ)。

 さて、メタルスラッグですが、
 アーケードアクションゲームをプレイしない人には馴染みがないかと思います。

 メタルスラッグシリーズはSNKプレイモアから発売されているアクションゲームです。
 ポリゴンではなく、昔ながらのドット絵を採用し、その緻密な書き込みは芸術の域に達するほど。

 PS2では、メタルスラッグ3が発売されており、今度、5も発売しますゆえ、興味がある方は是非プレイして頂けると嬉しい限りです。
 特にメタスラ3の完成度は高いです。まあ、3ではロボは出ませんが(吐血)

 そのメタルスラッグに登場する主人公の一人がフィオこと、『フィオリーナ・ジェルミ』です。

 設定を述べると簡単に書きますと……

 イタリア系貴族『ジェルミ家』の一人娘。
 ジェルミ家は代々軍人の家系で、次期当主は正規軍へ入隊するのが通例である。
 ところが、現当主から生まれたのはフィオだけであった。
 次期当主が女性というのは初の出来事であったが……通例どおり正規軍へと入隊することとなった。
 本来ならば重要任務を課せられるほどのレベルの兵ではないのだが、
 派手な名声を望む現当主(つまりフィオの父親)の工作によりスパローズへ配属となる。
 本人はよく事情がのみ込めないまま、任務へ駆りだされるのであった。

 流石に軍人の家系の生まれとも言うべきか、最前線を駆け抜け、他の主人公と一緒に、大戦を終了させる立役者となる。
 また、その功績で上級曹長に昇進している。
 普通に考えると、一平卒から上級軍曹へ昇格というのは物凄い出生である。

 両親の愛を一身に受けて育っており、非常におっとりとした優しい性格。
 口癖は『平気です。大丈夫です』。
 ちなみにスタイルは、上から88.58.89。

 余談だが、プロポーションは相当良いらしい……のだが、自分(ナニコロ)は数値だけではどのくらい凄いのか解らないため、(色んな意味で)残念でならない。

 お金持ちで、おっとりとしていて、メガネで、スタイルが良くて、ヘソだしルックで、キュートという、完璧に近い設定のフィオなのだが……実は彼女、セリフが無い。

 セリフが無い、というのは『無口』ということではなく、
 『書かれたセリフが存在していない』んですよ。

 純粋にメタスラの公式設定に、書かれたセリフというのは

「あの、えっと、前大戦の英雄お二人にお会いできて光栄です。
 スパローズのフィオリーナ・ジェルミ一等軍曹です。
 こんな大規模な作戦は初めてですが、わたしは大丈夫です。がんばります。よろしくお願いします」
(メタルスラッグ2より抜粋)

 肩をすくめるマルコ。
 よぉ、と片手を挙げるターマ。
 ふん、とそっぽを向くエリ。
 お久しぶりですぅ、と笑顔のフィオ。
(メタルスラッグ3より抜粋)

 しかない。

 しかも、2と3じゃ、明らかに口調が違う。
(スパロボ赤小説では、3の『〜ですぅ』を採用)

 しかしながら、セリフが無いからといって悪いとは言い切れない。
 むしろ、メタスラに関しては良い方向に作用していると考えられます。

 これは、上記設定に加えて、ゲーム画面でのフィオの動作……

・動悸が速いのか胸を抑え、その後、ピース
・ポケットの中からシートを取り出し、座ってサンドイッチを食べる
・張り手で鉄の扉を吹き飛ばす
 etc

 加えて、イラストレーターTONKO氏による美麗なイラストと相まって、プレイヤー側に想像を書き立てるのに良い具合に働くんです。

 他社のゲームで例えると、エニックス社のドラクエがそれに近く、主人公が喋らない。
 つまりは、『書かれたセリフが存在していない』んです。

 そのため、プレイヤーは
 主人公はどんな性格して、どんなセリフを喋っているか、想像しながら遊べるのです。
 特に、ドラクエで一番名作だと言われているドラクエ3では、メンバーの全員が喋らないため、そういった想像して遊ぶという方式が何よりも高いように思われます。

 勿論、主人公を完全に記号化して見ていて、そんなことは考えない、という方も多いとは思います。

 ともあれ、ドラクエ(3)では『戦士』『勇者』などといったなぞる程度の軽い設定と、鳥山明氏による外見イラスト、ゲーム上のストーリーなどから、プレイヤーが、『自分の』登場人物たちの性格、様子などを想像して、遊ぶという方法を取っています。

 メタルスラッグの場合も同様な手法で遊べ、外見イラスト及び、軽い設定を以って、プレイヤーにフィオ(及び他の登場人物)の性格や口調などを補助し、楽しむという方式が出来ます。


 だからこそ、色んなプレイヤーが想像するフィオがいて、それぞれ微妙に違うけれども、全部が全部やはりフィオであり、それゆえに一部の熱狂的なファンは今でも支援し続けられる……と考えらます。


 ちなみに、メタスラ以外だと、『ザ・キング・オブ・ファイターズ バトルDEパラダイス』というネオジオポケットカラーのボードゲームで結構、多弁に喋っていたりします。

庵「なけ、さけべ、そして死ねぇ!」
フィオ「きゃあ! いやぁぁぁん!」(一回休み)

フィオ「シャワーを浴びて一休み。
    覗かないで下さいね(ハート)」(一回休み)

クリス「料理を作ったんだ。食べてみてよ」
フィオ「美味しい!
    こんなに美味しいの、生まれて初めて!」

悪フィオ「弾が詰まって、銃が撃てません!」(一回休み)

 ……など。
 これをみると、メタスラ2〜3ともさらに違う感じになっている。

 オマケに、ファミ通文庫『KOF2000』のギャグ小説では、さらに違った性格のフィオが存在している。

 これはきっと、製作者側も同様に、各製作者で、それぞれのイメージするフィオ(ようするに俺式フィオ)が、別々に存在しているためじゃないかなと思うところ。


 ここで前述のセリフを繰り返しますが、
 だからこそ、色んなプレイヤーが想像するフィオがいて、それぞれ微妙に違うけれども、全部が全部やはりフィオであり、それゆえに一部の熱狂的なファンは今でも支援し続けられるのである。



 と、ゆーわけで、
 ナニコロの書いたスパロボ小説のフィオの口調や性格は、あんなんですが、気にしないで下さい
(ガクガクブルブル)


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