ルリルダイアリー

番外編1


=シリアス(NOB)バージョン=

霞んできた目と、痛み続ける身体と、流れ続ける血。
脇腹を押さえて掌を広げてみれば、自分の血が付いていて、力無く笑ってしまった。
瞳と同じ赤色、髪の毛にもこびりついてる。服にもだ。
どうしてこんなことになってしまったのだろうと問いかけて、遠いところで戦う音が聞こえた。
考えていることだって辛くて、このまま死んでしまうのだと思うと、悲しかった。
機械と動物が壊れた残骸が散らばった中で、壁に身体を寄りかけて、それは余りにも凄惨だったのだけれど。
声が聞こえた。
今の自分では微かにしか聞こえない声だったけれど、確かにそれは聞こえていた。
それは一番聞きたかった声で――――――――――――――――――――。
「……撃たれた……のか……?」
見たら、傷だらけだった。どうして居るのだろうと驚いて、それでも、嬉しかった。ずるずると隣にへたり込んだ。
酷い怪我をしていたのに、ここまで来てくれたのだろうかと思うと、泣きそうになる。
「……私…のらなかった…から……」
持ちかけられた話にのれば良かったのに、のることはなかった。前ならそうしていただろうが、今は。
「バカだ……な……」
「新しい……ところ……なんて……行っても…多分…天国なんて…なくて…」
懺悔のような言葉を言い、それを聞いて貰っていた。
「…私、ね……そんなところ…行かなくても、みんな、がいて…それで……」
気が済むのなら、いくらでも言葉なんて聞いていて、それがいつの間にか当たり前になってしまっていたから
くだらないことも、相手にとっては分からない話も、何でも話してそれが日常になったから
「……そうだな……」
自分自身にもバカだと思う。探していたのだから、こうして闘いを放棄して。
泣いていたから、それが一番苛々したから、収めるために探していた。静かに寄りかかられた。
「……今度…ね………私……」
声が途切れた。眠るように眼を閉じたのを見て、微かに笑った。
それは、諦めのような、しかし、未来(さき)があるような希望のある笑みで。
「……お前は…先に居る…だろうな……」
たどり着けるかどうかは分からないし、同じ所に居るかは知らないけれど、それならそれで探しに行けばいい。
時間が止まったかのような場所で、

残酷な場所で、

二人は、

まるで――――――――――――――――――――

――――――――――――――――――――まるで


 


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