死霊狩り
ZOMBIE HUNTER
STORY

小ボス:Mr.Π
●戦闘前

ユキオ「覚えているかΠ?
    それを最後に俺がZHを辞める筈だった、あの事件を…」
Mr.Π「…」
ユキオ「任務の内容は大量発生したゾンビ達を一掃する
    『再殺部隊』への参加だった…」
Mr.Π「ああ…覚えている…」
ユキオ「あのゾンビの中に…俺の死んだ恋人がいた…」
Mr.Π「…それも覚えている…」
ユキオ「最初から…知っていたのか?」
Mr.Π「君の恋人がゾンビ化することは想定していた…」
ユキオ「!?」
Mr.Π「ZHを辞めようとしていた君は『常世の思念』にとって、
    ZHの中で最も脆弱な部分だったからだ
    だから他のZHに君の恋人を殺させるわけにはいかなかった
    それは君が責任を持つべき任務だったからだ」
ユキオ「それがきさまの汚いやり口なんだ!
    俺が自ら恋人を殺せば、俺は常世の思念を憎むしかなくなる…
    全て計算していたんだろうが!」
Mr.Π「…」
ユキオ「………Π…俺はあの時…きさまを殺す事を誓った」

戦闘開始。

●戦闘後

ユキオ「今は殺さない…だがゾンビども全てが片づいた時には必ず…」
Mr.Π「逆恨みか…それもよかろう」
ユキオ「ふざけるな!!いつか必ず…殺してやる!
    この誓いは必ず果たす!!」
Mr.Π「我々は全てに優先すべき共通の目的をもっている…
    君の問題はその後のことだ…」
ユキオ「その時を忘れるなよ!!」

中ボス:美鵺
●戦闘前

空間に地獄門が開き、その中に吸い込まれるように画面がフェードアウト。
その中で待っていた美鵺の全身図が足元から顔にかけてスライド。
最後に美鵺の目がアップになり閉じていた眼が開く。

ユキオ「…ここは!?」
美鵺「…ここは黄泉比良坂…生と死の狭間の世界…
   私のような狭間人の世界だよ…玄武…」

美鵺の背中に炎の翼が現れる。

ユキオ「おまえは…朱雀…!?
    確か百年以上も行方知れずだったらしいな…
    きさまら一族のおかげで現世は…!」
美鵺「知っているよ…
   最初は…封印の儀の直後だったから、しばらく安定してた…」

美鵺の背後にクシャナが現れる。

ユキオ「!?」
クシャナ「しかし…
     徐々に現世に「常世の思念」の負の感情が綻び出すようになり、
     世界を巻き込む大戦が二度…起こりました」
美鵺「そして潜伏期…一見平穏に…それでいて確実に…
   人間達の心のスキマに地獄門の腐食が影響を及ぼしていった…」
クシャナ「遂には暴走期を迎え、
     世界中の至る所で小さな地獄門が自然発生しては消えるという…
     今の臨界状態を迎えました…」

ユキオ「きさまら…まさか…」
美鵺「そう…百年以上も前に行方知れずになった朱雀は…わたし…
   四神の一角が『イノチヲカルモノ』によって穢され…
   地獄門は長い年月をかけて徐々に腐っていった…
   ねえ…クシャナ?」
クシャナ「そして我らは…死ねない体になりました…」

ユキオが剣を構える。

ユキオ「つまりはおまえが元凶ってわけか?」
美鵺「さあ…わかんない…試しに殺してみる?」

戦闘開始。

●戦闘後

体を袈裟懸けに真っ二つに斬られた美鵺の下半身だけが起き上がり、
上半身が吸いつくように宙を待って一瞬のうちに体が繋がる。

美鵺「殺せると思った?私にも殺し方のわからない この体を…」
ユキオ「チッ!」

突然、黄泉比良坂の奥から光の手が伸びてくる。

ユキオ「な…何!?」

ユキオがその手に捕まり常世に吸い込まれ画面が暗転。

美鵺「行っちゃった…常世に近づきすぎたね…」
クシャナ「もう帰っては来れないでしょう…
     あの奥に居るのは…『死』そのものなのですから…」
美鵺「なんとなく…わかるよ…
   だって、わたしにはあの奥へは行くことが出来ないもの…」

画面が明けると、ダイレクトにラスボス戦開始。

ラスボス:NIRVANA
●戦闘後

ニルヴァーナ「何故…? 何故…人間が…ワタシを…『死』を…拒む…」
ユキオ「判らねえよ…家族も死んだ…恋人はこの手で殺した…
    生き残ったってどうせ行く所なんかありゃしない…
    そんな俺が何で足掻いてまで生き続けるのか…」

血が出るほどに歯を噛み締めるユキオの口のアップ。

ユキオ「おまえが神の使いだっていうなら教えてくれよ!」

ユキオがニルヴァーナを真っ二つに切り裂く。

ニルヴァーナ「オマエは…必要なのかもしれない…神の…」

ニルヴァーナが消滅すると同時に、
常世の底から「七つの光に取り巻かれた巨大な光」が飛び出す。

ニルヴァーナ「…が…受肉…する」

画面暗転。

気がつくと現世の大地の上に仰向けに倒れているユキオ。
空に巨大な流れ星が飛び、
その周りを取り巻いていた七つの光が地上に降り注いでいる光景。

ENDING
数日後…

ゾンビハンター機関の長、Mr.Πは何者かの手によって暗殺。
恐らくは強引に傘下に加えられた宗教団体のテロによるものと思われるが、
その真相は闇の中…。

ゾンビ騒ぎも「あの日」を境に世界中から消えてなくなった。

あの日…世界中の人間が『あの光』を見た日から…

ゾンビハンター機関は自然消滅…

ユキオ「俺は予想もしていなかった『日常』に戻る事が出来たわけだが…」

ユキオが空を見上げる。

ユキオ「『あの日』以来…どこか現実感がない…
    そして何度もやばい橋を渡ってきた俺の勘は、
    『何か』が始まろうとしていることを告げている

    とてつもなくヤバイ『何か』が…」

ユキオの頬につたう「冷や汗」のアップ。
画面がスライドして口元に移動すると、
ユキオの口は微かに「不敵な笑み」を浮かべている。

ユキオ「何が始まる…?」

画面暗転。

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