雨の日の出会い

〜エロローグ〜

 次の日。エリスは風邪をひいて、寝込んでいた。
「うわぁ……世界がぐぅるぐる……」
『だから、早めに服を脱がないと風邪ひくぞ、といったのだ』
 グァテマラは、大地に『く』の字の形で座り込んでいる。その彼のすぐ前に焚き火で暖を取り、毛布に包まっているエリスがいた。
『体が資本な者にとって、健康は大切だからな。きちんと休めよ』
「……うん。ありがとう」
 エリスは、熱でほほを赤く染めながら、にこにこしていた。
『……何を笑っている?』
「エヘ……エヘへへ…………」
『……?』
「なんていうか……友達っていいね」
『……そうだな』
 『鎧』である以上グァテマラには表情はない。
 もし、表情があったとしたら、きっと微笑んでいたに違いない。


『終わり』



第三話へ戻る
雨の日の出会いトップへ
小説の部屋へ