『永遠』の使徒
〜Apostle of "Eternity"〜

魏信天蓋
イラスト:島村鰐さん
原案:島村鰐さん
・種別:隠しキャラクター
  魏信(道士スタイル)は隠しキャラである。
  デフォルトPCとしては別バージョンである
  「闘将魏信」(武将スタイル)が存在するが、
  CPU戦で敵として登場するのは原則としてこちらの道士スタイルである。
  「闘将魏信」はCPUキャラとしてはハイレベルプレイ時のみに出現する。

キャッチコピー:『永遠』の使徒
キャラ名:魏信天蓋(ギシンテンガイ)
性別:男
年齢:2700位?
身長:170cm強
体重:60kg程度
出身:春秋時代の斉
趣味:色々とある(新しいもの好き)
特技:色々とある(伊達に長生きはしていない)
好きな物:陰謀
嫌いな物:蛮勇
大切な物:探求心、知識欲
苦手な物:大概の物には馴れた
好きな食物:大概の味は知っているが、河北の料理は口に合う
好きな音楽:琴
得意スポーツ:無し

外見:
痩せて直線的な体つき、細く角張った顎と顔、
まっすぐな狭い鼻、酷薄そうに薄い唇、太く鋭いはっきりした眉、
切れ長でつりあがった目は三白眼で、眼光は鋭く人を怯ませる。
短く刈りこまれた顎鬚、上品に整えられた口髭、髪、いずれも既に白い。
髪は頭の後ろで結い上げられて曲げを成し、その上に冠をかぶる。
大きく拾い袖口を持った長い袖の、足元まで有る長い前合わせの長衣、
腰は豪奢な帯でとめ、先の反り返った靴を履く。
腰には宝剣を差しているが、滅多に抜くことは無い。

■武器

 ・宝剣「伍子胥」
  作:不明
  分類:剣
  中国では殆どの武器がただの道具として生まれ名も銘も無いのが
  普通なのであるが、剣と大砲だけがその例外であった。
  そのためか例えば「封神演義」などの仙人の作った魔法の剣の他にも、
  多くの魔法や呪の掛かった剣の話が残されているという。
  伍子胥(ごししょ)は元は楚の人であったが、無道の王と佞臣の讒言により
  父と兄を処刑され呉に亡命、呉を強大国にするのに大いに貢献し、
  呉の軍隊と共に楚を攻め、亡命中に死亡していた仇、
  楚の平王の墓を暴き屍を鞭打って恨みを晴らした。
  しかし呉の次の王夫差とは居り合いが悪く、
  無実の罪によって自決を命じられ憤死した。
  中国江蘇省の澹台湖には、
  この伍子胥の呪が掛かった剣が沈んでいると言う伝説が残されている。
  この湖ではたまに一振りの剣が浮かび上がってくることがあるが、
  この剣には伍子胥の呪が掛かっている為に、
  それを取り上げた人は病に罹ってしまう。
  そのため、この呪を解くためには、
  再び剣を湖に投げ込むしかないのだと言う。
  魏信が何時、どこで、何故この「伍子胥」の名を持った剣を手に入れ
  所有しているのか、またこれが澹台湖の伝説にあるものと同一のものなら、
  いかにして呪を防いでいるのかは不明だが、
  確かにこの剣には呪われた謂れに恥じぬ妖気が漂っている。
  剣はそれ自体意思をもち、黒く冷たい炎を吹き上げながら
  自在に宙に踊るのである。

 ・法宝「響命」
  別名「命の鐘」と称する魏信の手に成る法宝(マジックアイテム)。
  見た目は高さ20p程の何の変哲も無さそうな鐘(ベル)であるが、
  その音色には命を自在に生み、砕き、無生物を化生させ、
  生物をたちどころに絶命し、無より有を生み有を灰燼と化し無に帰する
  恐るべき魔力が籠っていると言う。
  ZHではこの力により大地から巨大な屍龍を生み出していた。

■背景設定・ストーリー

  姓は魏、名は信、字を天蓋。
  春秋時代(BC800〜500年頃)の頃、東国斉に生まれる。
  若い頃は侠の徒党に交じり、武勇でその名を知られたが、
  やがて学問の才を発揮して仕官し役人となった。
  だが若い頃の行いが祟って出世は望めず、現世をはかなんで
  神仙方術の世界にのめりこむようになり、結局官を辞し
  山野に入り仙道を極める為の修行の生活に日を送るようになっていった。
  当時、方士を称する者達はそれこそ車に乗せ升で量るほどいたのだが、
  彼の才知、精力、知識を極めることに掛ける執念は群を抜き、
  異能者と呼ぶにふさわしいものであった。
  だが、初めは単純に不老不死を求め仙人となることのみを志していた
  彼であったが、やがてその才は
  それ以上のものを求めて止まぬようになる。
  森羅万象全ての理を暴き、天地の全知を我が物とする、
  さらには絶対の彼岸、永遠普遍の絶対存在、
  天道の極みたる太極そのもの(キリスト教的世界観に従えば
  「神」のような概念)と一にならんと欲するようになっていったのである。
  それ故、彼の研究は人界の領域を越えより高次の宇宙、
  超高次元の世界へと広がっていくこととなった。
  彼は先ず道術の研究から当面の延命呪法を明らかにすると、
  その時間を利用し厳選された人間を弟子として
  研究の為の秘密サークルを形成し、
  上下の異次元世界を含めた宇宙の秘密を暴き立てる研究に没頭した。
  秦帝国に仕えたという道士、王龍、空龍、海龍ら
  (餓狼伝説3に設定のみ登場)は当時の彼の弟子である。
  また異界の研究に通じる過程で西洋のオカルト学の体系にも触れてからは、
  「ヨグ・ソトス」として知られる「門」をくぐり高次元の世界を覗き、
  「大いなる種族」との交渉を経て
  彼らの恐るべき図書館を閲覧もしたと言う
  (一説には話が逆で、東洋の研究が西洋のオカルト学の基礎となったとも
  言われているが)。
  後漢末頃(AD200年頃)、彼はついに目的の一つであった
  神仙到達に成功している。
  ほぼ同時期に東方の蛮地では例のオロチの騒動が起こっているが、
  魏信の研究との因果関係は不明である。
  ZHに登場したノマムを初めとする魔王らとの関係も古いものであるが、
  今までのところ概ね友好的、協力的な付き合いが続いてはいるものの
  魏信が彼らの行動にそれほど深入りしたことは無い。
  だが彼はその研究のために密かにユガの出現を助けたり、
  極東の地方神であった四神の一柱、朱雀に呪をかけて穢れを
  与えたりしており、サムライ(月華)世界の動乱との関係は
  浅いものではない。
  しかし彼は巧妙に且つ徹底して己の行動を慎み名を秘伝とした為、
  歴史にその名は残されていない。
  現在の彼は通常自らの作り出した小宇宙である仙界に住み、
  少数の輩とともに研究生活を送っているが、
  必要となれば現世に対して様々な陰謀を謀るであろう。
  彼の仲間の主なものは「張良子房」、「“無念の”范増」、
  「散位藤原朝臣清衡」、「細川勝元」、
  「“倣岸不遜の”ルガール」といった連中である。
  「SAMURAI FINAL」での彼の立場は七大魔王の協力者であるが、
  彼らの企ては成功する可能性が低いのではとの見方を
  魔王らにも示している。
  彼は実のところ魔王らの「宇宙再生」の計画も結局は過程の一部であって
  終点たるべき果てにはあたらないと見なしている。


★キャラ演出

■登場デモ

(一般)
 チリ〜ンと鐘の音がするや一陣の風が吹き抜け、
 開始位置に魏信がゆらりと出現、口元を歪めてにやりと笑う。

■勝利ポーズ

・チリ〜ンと鐘を鳴らすと、そこから画面全体に波紋が広がる。
 「ふっふっふっ…」

・体の横に「伍子胥」の鞘を差し出す。
 伍子胥は猛スピードで魏信の顔の横を一直線に駆け抜けて
 画面端に消えた後、画面上からゆっくりと戻ってきて鞘に収まる。
 同時に、魏信の頬から一筋血が流れる。
 台詞なし

・(2R目専用)
 画面がフラッシュしてそれまで戦っていたフィールドが、
 負けて倒れいる相手もろとも額の中の絵に閉じ込められ、
 新しい背景の地面に落ちる。
 魏信はその絵を見下ろし、笑う。

・(2R目専用)
 「伍子胥」を手に取り一振りすると、
 噴出す炎により魏信の背後に炎の太極図が描かれる。
 「真人、太極と一也…」

■勝利デモ台詞(ZHでのものもついでに)

 vsミカミ ユキオ
 「未だ生を知らず、いずくんぞ死を知らん」

 vs蒼 燕龍
 「之れを愛しては其の生きんことを欲し、
  之れを悪(にく)みては其の死せんことを欲するは、是れ惑い也」

 vs仙崎 秀
 「脛の腿より大なるものは以って歩み難く、
  指の臂(うで)より大なるものは以って把(と)り難し」

 vs覇王丸
 「勇ありて義なければ乱を為す」

 vsエヴァ・クラウザー
 「民の好む所は之れを好み、民の悪(にく)む所は之れを憎む。
  此れを之れ民の父母と謂う」

 vs風間 桐生
 「身体髪膚之れを父母に受く。敢えて毀傷せざるは考の始め也。
  高きに登らず、深きに臨まず」


★技設定

■キャラ特性

  基本操作:餓狼システム。
  自立して動く宝剣「伍子胥」、「響命」による召喚(?)術、
  そして背景とリンクした怪しげな道術の数々で闘う。
  最初はCPU専用キャラとして登場するので(?)、
  見た目に反則的な技が色々とある。
  
 ・宝剣「伍子胥」
  「伍子胥」は魏信の手から離れて宙に浮いているが、
  多くの通常技も含め基本的に攻撃は全てこの「伍子胥」による。
  「伍子胥」は通常魏信のそばにいて攻撃・防御を行うのであるが、
  コマンドにより「遠隔操作」モードに切り替えることもでき、
  その場合魏信本体は移動できなくなるが「伍子胥」は魏信から離れて
  遠くの敵を攻撃することができる。
  ちなみに、「伍子胥」は無敵で食らい判定は無いが、
  武器接触判定はある。
  また「伍子胥」による攻撃は
  月華システムなどの「弾き」で弾くことができるが、
  それによって「伍子胥」は硬直するが魏信本体は影響されない。
  「伍子胥」に関して注意すべきはガードに関してで、
  魏信はガードを「伍子胥」で行う為「伍子胥」が近くにいなかったり
  何らかの動作中でガードに使えない場合、
  本体は硬直中というわけでないにも関わらず
  ガードができないという状況が存在する。
  特に遠隔操作モードの時は危険な場合が多い。

■投げ技

・怨斬(C投げ)
  合気っぽく放り捨てたところを、待機していた「伍子胥」が両断する。
  「伍子胥」がいない場合、切捨てが行われず威力が下がる。

・爆符(D投げ)
  札を敵の顔面に貼り、爆破する。

■必殺技

・七孔噴血(AorC連打)
  手にした「響命」(鐘)を鳴らすと、
  そこから波紋状に広がる衝撃波が発生する。
  鐘を中心に画面全体に広がっていくので、回避することはほぼ不可能
  (KOFスタイルで前転でもすれば別)。
  ただ、コマンドの都合で咄嗟には出しにくいのと、
  ヒットさせても大幅不利という硬直の為、
  あまり安易に使うことはできない。
  ちなみに連打を継続したからといって
  連続で出し続けられるわけではないが、Cの方は最大三発連射可能。

・跳梁跋扈(623+BorD:ホールド可)
  足元から死霊(というかキョンシー)を召喚(?)する。
  出現した死霊は大きく前方に跳躍して倒れるのだが、
  ボタンを押しっぱなしにしていると
  その間は例の独特な動きで地上を進んでいく。
  Dで出すと死霊が二体出現する。

・気炎万丈(421+BorD)
  こちらは頭上に鬼火を召喚する。
  ゆっくりと相手をホーミングして飛んで行く飛び道具。
  発生までは遅いが、飛ぶ速度が極端に遅く、画面に長く残るので
  出てしまうとかなり邪魔。
  これもDの方は二体鬼火が出る。

・鬼哭愁愁(63214+AorC:要「伍子胥」)
  当て身技。
  モーション中に攻撃を受けると、不意に魏信が消え、
  続いて画面に八条の斬撃が走って敵を背景もろとも八つ裂きにする。
  背景がちぎれ落ちるとその後ろから新しい背景と魏信が出現する。

・不倶戴天(623+AorC:要「伍子胥」)
  「伍子胥」が回転しながら上昇していく対空技。
  魏信本体は地上にいるままなので硬直も少ない
  (「伍子胥」が戻ってくるまでガード不能だが)。

・乾坤一擲(214+AorC:要「伍子胥」)
  「伍子胥」がきりもみ回転しながら一直線につっこむ飛び道具(?)。
  ヒット数が多く、威力が高いが、
  戻ってくるまでガード不能状態なので隙は大きいといえる。

・起死回生(ダウン中にA+C:要「伍子胥」)
  魏信がダウンを奪われた際に入力すると、
  「伍子胥」が「乾坤一擲」のモーションで起き攻めを防いでくれる
  …のだが、勿論読まれているとまずいことこの上ない。

・遠隔操作(214+BD)
  普段は魏信のそばにいて離れることができない「伍子胥」を
  遠い間合いにまで離れて動かすことが可能なモード。
  遠隔操作モード中は魏信本体は移動できず、
  レバーは「伍子胥」の移動に使われる。
  遠隔操作中の「伍子胥」の通常技は一部を除き通常モードと変らず、
  必殺技も通常と同じものが使える。
  但し、遠隔操作中でも「跳梁跋扈」「気炎万丈」の二つで召喚される
  死霊と鬼火は、操作中の「伍子胥」ではなく
  本体の魏信の近くから出現する。
  伍子胥が離れている間は魏信本体は無防備なので、
  本体の近くにいかに敵を近づけないかと言うことが問題になる。
  また「伍子胥」自体は無敵だが、ガードを行うことはできるので、
  遠隔操作中でも本体を狙った攻撃を「伍子胥」を使って防ぐことは可能。
  遠隔操作中に214+BDを再入力することで、
  「伍子胥」を呼び戻し通常モードに戻すことが可能。

■超必殺技
・驚天動地(41236×2+ボタン)
  画面が一瞬フラッシュすると、次の瞬間背景の方向が90度から180度回転、
  一定時間文字通り天地の方向が転換してしまうという技。
  それに合わせて相手、及びその操作入力の方向も変ってしまうのである。
  魏信自身は常に画面下を「地」にして影響を受けない。

 A:画面左端が「地」になる。
 B:画面右端が「地」になる。
 C、D:画面上が「地」になる。

  CPU魏信は体力点滅するとこれをやたらと使ってくるようになるが、
  対戦でもかなり非道な効果を発揮する。

・六華八裂(2141236+BD)
  「伍子胥」が「乾坤一擲」のモーションで攻撃、
  ヒットすると切り刻む演出に移行する乱舞技。
  空振り時の隙がやはり大きい。

■潜在能力

・縮地の法(C・B・A・BD)
  魏信を中心に円状に広がるガード不能の波動が生じ、
  これがヒットすると相手は一定時間間合いを離す事はできても
  縮めることが出来なくなる。
  更に、飛び道具も魏信に届くことがなくなってしまうという非道な技。
  しかし、潜在能力技であるため有効に機能する場面が少ない上、
  発生が遅く極めて当てにくい。

・屍龍召喚(236236+BC)
  ZHの時に戦わせていた「屍龍」が出現し、強烈なブレス攻撃を行う。
  ほぼ全画面に攻撃判定が広がる上、
  飛び道具全般をかき消して攻撃できる。
  威力はそこそこで、削り技としてなかなか使い勝手が良い。


■ステージ・ステージ紹介デモ
  中国・江蘇省会稽山中(かつての呉国の辺り)。
  山の中に建てられた東屋、柱に何枚かの絵が掛けられている。
  その中の一枚の中に描かれていた絵の魏信が不意に立ち上がり、
  絵の中から笑いかける。

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