悪闘L&A
DARK PHASE 1「捕獲」
あたしは…どうしてたんだっけ、
あたしは…いつから暗いところにいて、
あたしたちは…冷徹すぎる悪魔にいつから抱き抱えられた
んだっけ………
「…う…」
一人、濃い紫の色をした髪の少女が、何か声を漏らす。
さっきまで、彼女は意識というものがなかった。
それにまだ、それももうろうとしている。
まだ、カラダ中が痛い。
景色も変かも。
その時、突如としてこめかみにのしかかる重い衝撃。
「……お目覚めかい…?……麻宮ア テ ナ………」
……トガイ。
そのまま彼は、アテナの頭をぐしぐしと踏みにじっている。
「……くっ……」
この状態からなんとかするには、力を使うしかない。
そんな考えを持ったアテナ。
だが、その考えは奴のこの言葉でかき消された。
「……君は……今の自分の状態……わかってる?
……手、動かしてみなよ………景色も……」
言葉に靄がかかったように小さい声。それが恐いトガイ。
アテナは、とりあえずそいつの言うとおりに、後ろにあった
手を動かしてみた。
「手が……縛られてる!?」
鎖の音で衝撃の事実が、ひとつ。
それに彼女は、その後ろ手の状態で床につっぷしている形
となっている。
「それに………ここは……」
前は灰色のコンクリート。
横も同じ。
一面同じ。
おそらく、気を失ったあとに運ばれたのだろう。
「……薬を飲ませて力も出せなくしておいたよ……
残念だね………」
膝を屈ませてアテナの前に顔を近付けると、
暗い台詞を吐いた。
「……そんな」
悔しいけど、たしかに彼の言うとおり、サイコパワーが
体に力を入れても涌く気配がしない。
自分の力が。
自分のチカラガツカエナイ。
ツライ、歯がゆいことってない。
でも、もう一つ。
「…彼女は」
「……ん」
「リリスは……どうしたの……」
★
「きゃあうっ!!」
返ってきたのは、友のことではない。
先ほどの傷の痛みを呼ぶ痛みだった。
「……騒がないでほしいなぁ……心配しなくとも、ほら…
リリスなら、すぐ……そこ……………に」
指が、アテナの右を指している。
「……リリス!!」
アテナの眼の先。やや遠い場所に、やはり拘束された状態の
リリスが床の上に横になっていた。
「……これで解ったよね……」
無心でアテナに迫る顔。
「君の」
その冷たい殺意は、
「最愛の友達の、状態が………」
鬼を脅えさせるほどの恐さであった………。
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