裏ラジオ!
『おりちゅぴ!』
第十九回放送
〜マーシャル・ブラン〜
作者 以津真天さん
某月某日某所
?1「なにいい!持ってかれただとお!」
?2「すいません!ほんっとうにすいません!まさか、まさか、
あれ、持ってちゃうとは思っても見なかったんです!」
?1「馬鹿野郎!どうするんだ!
たとえ裏といえども民間人がいるんだぞ!そもそもなんで呼ぶんだ あの人を!」
?2「はあ・・・」
?1「はあ、じゃない!どうにかしろ!このままだと信用問題だぞ!」
?2「けれど、あれ、生放送ですよ・・」
何かが切れた音。
?1「おしまいだああああ!」
チャラッチャッチャッチャ〜♪チャラララ〜♪
チャ〜チャチャッチャッチャッ♪チャラララチャ〜♪
室伏「おはようございます。
前回くたばったとか絶命したと言われたけれど、
じつはちゃんと生きて夕べも深夜ラジオを聴いていた室伏です。」
ホープ「おはようございます!
室伏君が生きていてくれたのは嬉しいけれども、
なんでこんな早朝にこれの放送をしなくてはならないのか、
はなはだディレクターに怒りを感じるホープです!」
室伏「お前、そんなあからさまに・・」
ホープ「だってだって!夕べも深夜番組みてて、寝不足だし、
第一いま何時だと思ってるの!四時よ!四時!」
室伏「おいおい・・・やめろよな、暴れるのは。
俺はこの前のけがも完治してないんだし本当はもっと静養をな、」
ホープ「おまけに今度のゲストはおっさんだし!
室伏君は相変わらず毎回の如くけがしまくりだし!
なにより最近の深夜番組は多いし!それで寝不足だし!」
室伏「それをいったら、おれだってもっと若くて可愛い娘のほうが・・」
冷たい視線がホープより放たれる!
ホープの怒りのボルテージがあがっていく!
室伏「う・・・・・
わかった、わかった!今度、鬱憤晴らしにどっかつれてくから!」
ホープ「ほんと!」
室伏「う・・・一瞬で百八十度の豹変、はっ!もしや謀られた!?」
ホープ「それでは、今日のゲストさん。R・J・Hまたは、
明るい死の商人ことロット・J・ハワードさん。どうぞお!」
室伏「え・・ちょっとまて!ま、まだ心の準備が!」
ロット「はああい!」
後ろの壁を戦車が叩き壊しながら登場、おっさんが一人乗っている
室伏「のわああああああ!」
ホープ「わああ!ロットさん!踏んじゃう!踏んじゃう!」
ロット「おおっと、これは失礼。大丈夫かな?」
室伏、反射的に床にふせながら
室伏「あ、ああああ・・・ま、ま、真横にキャタピラが見える・・
幻覚か・・・・?」
ロット「いや、ほんもの。しっかし、すまないねえ!
私の予定上、こんな朝早くに集まってもらっちゃってねえ。
ああ、失礼。皆さんおはようございます。
R・J・Hコーポレーション社長、ロットです。
今後とも、ごひいきに。」
ホープ「ごひいきにじゃなくて、何で戦車なんかで来るんです!?
私はてっきりそのドアから来るもんだと・・
いや、そうじゃなくて危ないでしょう!」
室伏「・・・・・毎度の事ながらなんでこれにでるといつも
人生の危機に直面するんだ・・・!まあ、いいや。平常心。」
ロット「最後にお土産見せるから、楽しみにしててね。」
ホープ「無視ですか!」
室伏、念仏のように平常心を唱えつつ、半壊した椅子に座る。
ホープ「ええっと・・そ、それじゃあ、早速、ロットさんに
ご質問してみましょう!」
室伏「まずは俺から。今、一番見たい物は?」
ロット「映画、エニグマ。しばらく軍事もの見てなくてねえ。」
室伏「へえ、ご職業柄いっぱい見ている物と思いましたが、
それじゃあ、最近見た映画は?」
ロット「最近はもっぱら特撮モノかなあ・・・
この前、現実でおもしろいものをみたから・・ああ、秘密。」
ホープ「この後の予定は?」
ロット「秘密。ああ、けれども、秘書に起こられると思う。」
室伏・ホープ「なぜ?」
ロット「は、はもった・・・さすがカップル。いや、っとと。
持ってきちゃいけないものをお土産に持ってきたから。」
室伏「・・・いやな、予感。」
ホープ「戦車じゃなくてですか?」
室伏「お、おい、ホープ。」
ロット「いや、あの戦車もわが社のだけど、あの中に入ってるんだ。
今、出してくるよ。」
ごそごそ・・・・
室伏「ホープ!逃げよう!ぜったいまともなものじゃないって!
絶対に!」
ホープ「いや、きっと菓子折りとかでしょ。
室伏君、疑心暗鬼に駆られすぎだよ。平気平気。」
会話の最中、ディレクターがパネルを見せる
(あの人スポンサーだから逃げちゃ駄目だよ)
室伏「そ、そんなあああ!」
ロット「出てきた。」
室伏「ひゃあああああ!」
ロット「名菓かもめの卵。美味しいよ。秘書のを勝手に持ってきた。」
ずざあああああああああ!
ロット「い、今のは・・・」
ホープ「室伏君がこけた音です・・どうもありがとうロットさん。」
ロット「いえいえ。」
室伏「ああああ、怖かった。心底、怖かった!」
ロット「けれどもなあ・・・」
ぴく!
ロット「そんなに期待してたとはなあ・・・・」
ぴく!ぴく!
ロット「よし!特別に見せてあげよう!」
ぴく!ぴく!ぴく!
ごそごそ
ロット「はい!光学粒子砲!」
スタジオ中騒然
ロット「撃ってみる?」
ホープ「い、いえ結構です!」
室伏「おねがいします!あとで、あとで!」
ロット「・・・そうか。残念だな。」
スタジオ中、安堵のため息がもれる
ロット「じゃあ、僕が外に向けて!」
大パニック
ホープ「うそおおお!」
ロット「発射。」
室伏「きいちゃいねええええ!」
パウッ!ゴガ、ゴゴゴゴ、ズズ−ン!!!!!!
ホープ「ビルが・・」
室伏「お隣のビルが・・・」
根こそぎ倒れてる
ホープ、あきらめたかのようにためいきをつく
ホープ「ロットさん・・・あとで戦車でドライブに行くんで、
それ、貸してください。レンタル料は室伏君が・・・」
室伏「えええええええ!」
ホープ「だって、どっかつれてってくれるんでしょ!?」
室伏「ホープ!きれんな!ああ、もう、今日は終わり!終わり!」
チャラッチャッチャッチャ〜♪チャラララ〜♪
チャ〜チャチャッチャッチャッ♪チャラララチャ〜♪
室伏「おりちゅぴぃ!」
ホープ「ちゅっぴぃ!」
ロット「僕は別にいいけれど・・・一日で0が八個つくよ?
レンタル料。」
室伏「やめてえええ!」