餓狼伝説
〜狙われた狼〜
作者 タイ米
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| レイラの作り出した巨大な気の玉が、アンディに襲い かかろうとしていた。 誰もが万事休すと思ったその時だった。 アンディが、レイラの左足を、両手で押さえ始めた。 「な!?」 彼の両手の周りから、気が噴出してくる。 「おぉぉぉぉぉーーーっっ!!」 アンディの握力は増していき、それと共に、噴出する 気の量も多くなっていく。 「ぐ、グゥッ!!」 レイラが苦痛の表情を浮かべる。 足の痛みは相当なもののようだ。 「喰らえ! 激・飛翔拳!!」 「グアッ!!」 レイラの作り出した気の玉は、いつの間にか消えてし まい、彼女は今の衝撃で、宙を舞ってしまった。 アンディは、この状況を見逃さない。 彼の周りに、炎が纏わりつき、前転の反動をつけて、 強烈な蹴りの一撃を浴びせる。 「超裂破弾!!」 「ガァッ!!」 レイラの叫びと共に、腹部にアンディの足が突き刺さる。 炎の属性も追加されてる為、彼女の体は火で覆われる事と なった。 倒れるレイラを確認するテリー。 「やったな、アンディ!」 親指を立て、喜びを共に分かち合おうとする。 だが、アンディの顔はまだ険しいままだった。 「いや、まだだ!!」 「何!?」 アンディの言う通り、レイラは尚も起き上がってきた。 「おのれおのれ! 貴様だけは、貴様だけは絶対に許さんぞ! アンディ・ボガード!!」 そう言うと、レイラは急に地面に手をかざしはじめた。 「勝利を掴むのはこの私だ! 貴様らは、この街ごと消えて もらう!!」 レイラの殺気が、どんどん膨れ上がっていく。 「こいつ! まだこんな気を隠し持ってやがったのか!?」 レイラの気の影響で、風が吹き始め、テリーはそれを こらえるのに必死だった。 「フハハハハ! 皆、仲良くあの世に旅立つがいい!!」 レイラが、攻撃を仕掛けようとしたその時だった。 「させるかぁっ!!」 先程の斬影拳とは比べものにならないスピードで、近づいた アンディは、肘をレイラの胴に突き刺し、そこからさらに炎を 纏わせ、超裂破弾を仕掛けた。 「斬影裂破ァァッ!!」 威力、炎の量は、超裂破弾の比ではなく、レイラを戦闘不能 にするには十分だった。 「グワァァァァァァーーーッッ!!」 炎に包まれ、断末魔の叫びを聞かせると、彼女はそのまま 眠り込んでしまい、先程までの魔女のような雰囲気も、完全に なくなってしまった。 勝負が決すると、アンディは、レイラの元に近づき、桃色の バッジを彼女から奪い取り、それをテリーに渡した。 「アンディ…」 「兄さん、やったよ。後は、まかせたからね…」 そう言い、アンディも意識をなくしてしまった。 「アンディ!」 「あれほどの傷を負ったんです。あそこまで戦えたのが奇跡 ですよ」 ボブが、傷だらけのアンディを見て、言った。 「ああ。舞が、アンディをあそこまで奮起させたんだろう。 全く、あの二人の絆の深さを改めて思い知らされたぜ」 テリーが、眠っている舞の方を見た。 「ところで、テリーさん。これで…」 突然、ボブが思い出すように言った。 「ああ。これで5つ。レオンの元に行ける事になるぜ!」 その時、突然、今まで沈黙を保っていたデイルが、言葉を 発した。 「まだだろ?」 「!?」 テリーがデイルの方を振り向く。 「まだ、大会は終わっちゃいないだろ」 デイルの目は、明らかにテリーに敵意を持っていた。 「デイル。お前、まさか…」 「あの時の決着はまだついちゃいない! テリー・ボガード、 俺と勝負しろ!!」 デイルが構える。 |