もう一つの未来〜もし、この星が…


NO.10

作者 クラッシュさん


ムロフシはバイクに乗りながら、こんな事を考えていた。

「(あの危険な信号を放ってた場所のヤツ、あの位置から動いたのをほとんど見たことが無い。って事は…あれはアンゴルモアの本拠地か…?そんなことはどうでもいい、どんなに強かろうが、ヤツをぶち殺すだけだ…)」

そんなことを考えていて走っていると、たくさんの悪魔のような獣がこっちに向かっていくる。

「…!歓迎してくれるってか?丁度いい!!ウォーミングアップだ!!」

ムロフシはバイクから降りようともせずに、そのままスピードを落とさず獣の群に突っ込んでいった。

「らあああああぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」

彼は飛び掛かってくる獣を払いながら、目的地に突っ込んでいく。
ムロフシの目には真っ黒な塔が見えてきた。

「あれだっ!!!」

しかし、獣の群は全く攻撃をやめようとしない。
獣達は一斉攻撃を仕掛けてきた。

「キシャァァァァ!!!」

ムロフシは払おうとするが、1匹の獣はムロフシに張り付いて、全くムロフシを離そうとはしなかった。

「邪魔だぁぁぁ!!!どけっ!!!」

腰にくっついてきた獣を殴って剥がそうとするが、全く離す気配がない。

「ケケケ!!!」

ムロフシがそいつに目を向けた後、目の前に大勢の獣が視界に入った。

「!!…まずい!!」

ムロフシはやむを得ず、右手に持っていたロケットランチャーを獣達のど真ん中に向けた。

「…お前らも…後悔するなよ?自分が悪いんだからよっ!!!」

何も構わず、獣達は突っ込んできた。

「ぶっ飛んじまえぇぇ!!」

情けもかけず、彼はロケットランチャーを発射させた。

ドゴオオオォォォォォ!!!

「見たか!!」

ムロフシはロケットランチャーを捨てた。
獣達はあっという間にバラバラになったのか、全く襲って来なかった。

「さて、お前も死ぬか?」

腰にひっついてる獣に微笑んで聞いた。
そうすると恐れた手を離し、獣は遠くに逃げていった。

「へっ、意気地なしが……。ん?着いたか…」

そして、いつの間にか塔に着いてしまった。
ムロフシはバイクを降りると、塔の入り口から気配を感じた。
それと同時に声が聞こえた。

「まだ、雑魚が残っていたか…。」
「誰だ?テメェ…」
「私がアンゴルモアだ…よろしく…」
「お、おまえが?」

アンゴルモアがこちらに歩いてきた。
その名前とは裏腹に大きな事を出来そうな者には見えない。
だが、彼は大きな羽根を生やしていた…

「…お前が…お前がアンゴルモアか?出迎えてくれるとは…光栄なこったな!」
「ふふっ…君の事も聞いているよ…ムロフシ タカシ……」

彼は上品そうに口に手を当てた。

「へぇ、俺の名前を知ってるのか…。じゃあ、事情はわかってるんだろ?早速、本題に入ろうか?」

ムロフシは構えに入った。

「そのつもりさ……今、討っておかないと、君は私にとって、大変邪魔な存在になりそうだからな…」

そういうとアンゴルモアは微笑んだが、全くその場から動こうとしない。

「てんめぇ…笑ってる余裕があるのか?人間様をなめてんじゃねぇぞぉぉ!!」

ムロフシは全力でアンゴルモアの方に走っていった。


 

NO.11に続く
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