もう一つの未来〜もし、この星が…


NO.9

作者 クラッシュさん


ハマサキの研究所に一人で戻った、ムロフシはまたしても目を見開いた。

「………ドアが開けっ放しだ…。」

いつも点いているはずの電灯も何故か点いていなかった。

「おかしい…出かける時は閉めていったはずだ……」

ムロフシは恐る恐る研究所の中に入っていった。

「…!!」

そこにあった光景はさっきまでの明るい家ではなかった。
すでに電灯は割られ、そして、この地球上に残ったわずかな緑を植えた植木鉢は割られていた。

「…ハマサキィ!!!」

ムロフシは急いで作戦室に向かった。
しかし、時はすでに遅かった。
ハマサキは仰向けになって、血塗れで倒れていた。

「…ハ、ハマサキ……」

倒れていたハマサキは首をムロフシの方に向けた。

「ムロフシ…か……?」
「そうだ。」
「他の…他の者は…?」

ムロフシは下を向いて首を左右に振った。

「すまない……守れなかった…」
「謝るのは…俺の方だ……ヤツらの動きを読めなかったばかりに…」

ハマサキは血を吐きながら言う。

「しかし、お前が残っているのは不幸中の幸いだ…。きっと、お前なら、世界の平和を…取り戻せる…」
「ああ、やってやるさ…。ホープ達の為に……」
「はは…俺の為って言うのも忘れるな…」
「ああ。」

ハマサキは開いていた目を静かに閉じた。

「……ついに一人になっちまったか…。」

ムロフシは立ち上がり大きなモニターを見て、赤いスイッチを押した。

ピッ…ブゥン……

モニターにはこの辺り一帯の地図と、様々な色で光る点が写っていた。
ムロフシは一つの赤い大きな点を見つめていた。

「危険レベル48……間違いない、アンゴルモアはこいつだ…。Zエリアか…。」

彼はこのレーダーを見た後、自分の部屋に戻り、ボロボロの戦闘着を脱いで、血をタオルで拭いて、青い胴着に着替えた。そして、武器庫に向かい、「ロケットランチャー」を持っていた。

「見てろよ…アンゴルモア。お前がくたばればこっちのもんだ!!」

ムロフシはロケットランチャー片手に再びバイクに跨った。
彼は真っ直ぐに「アンゴルモア」の元へと向かって行った。


 

NO.10に続く
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