KOFXXシリーズ
漆番隊
『それでも来た道』

作者 蓮華


「敵か。のんびりさせろ」

如何にも妖しいといった男たちが出てきた。狙われる覚えならいくらでもあった。職業が職業だからだ。

「レン・クライフォードか。『ホーリーナイツ』零番隊隊長の」

「元、だけどね」

「第471工蔽の借りを……」

「『テスカトリポカ』か」

洋介が言うと言いかけている男をさっさと切り裂いた。これぐらいなら一人でも片付けられる気がしたのだが、
それは無理だった。先ほど倒したはずの男の右腕がまるで鉞のようになっていた。

「全く……」

レンは赤い薄い革の指出しグローブを手にはめた。洋介が少し嬉しそうにした。

「腕、鈍ってないと良いけれど」

「……誰だと想ってるんだい?私を」

とん、と地面が蹴られた。


時計を見ると、三十分ぐらいが経過していた。一時間ぐらい経過したかのように見えたがそうではなかった。
何か不安があると時間の進みが速く感じてしまうのは……速く感じるようになってしまう。

「帰ってこないね」

「まだ、時間はあるけど……」

心配そうに言う梓と時計を見る遙、帰ってくるのかどうか心配だし、二人の関係も気になっていた。

「信じると良いよ。仲間なら」

飛鳥が言うと『Baroque Heart』のメンバーが、反応の違いがあったがレンを信じていた。


政府武力組織『ホーリーナイツ』の隊長クラスというのは違いはあっても、部隊一つを任されていると言うことだ。
構成の違いや得意分野が違っていたとしても、言えることがあった。隊長クラスというのはそれなりに強くなくては
ならないのだ。色々な面で強くなければならない。そうではくては隊長を任されるどころか、隊員達まで危険にさらすからだ。

「本当に腕が落ちてなかった。今度、勝負しません?」

『阿修羅』をスポーツバッグに納めながら、洋介は言った。倒してしまったらしい『テスカトリポカ』の刺客らしい
人たちが倒れていた。人数は十倍はあったような気もするが、それを二人は倒してしまっていた。
改造されていたのに倒されてしまっていた。改造は意味をなさないようだった。少なくとも、今の場合は。

「勝負ね。暇だったらやってやるけど、洋介、腕が上がった気がするよ」

「どうも……さっき、どうしたら償えるかって言ってましたよね…」

スポーツバッグを肩に担いだ。

「……誰かの言葉なんだけれど、罪ってのは消えないらしい。誰かを傷つけて、その人の傷を治したとしても、
傷つけたという罪は消えないし……どんなに頑張っても、犯してしまった過ちは消えてくれない。
償う、と言うのは結果ではなくその過程のことだそうだ」

「過程か……エリーはどんな風にしたら許してくれるんだろうね」

「少なくとも、死んで許してくれる人じゃない。怒るだろう」

洋介はエリーのことについては良く知らなかったが、少なくとも、自殺でもしてしまったとしたら無言で怒るタイプだ。

「確かにエリーはそうみたいだね」

「俺はレンさんが幸せでいることだと想うけど」

「……そうか。なら、帰らないとね。逃げちゃったせいで心配かけてるよ。それに誤解されてそうだし、どう説明するかな……
どうする?恋人通しって勘違いされて居るみたいだけれど、そうじゃないしさ。手伝ってくれよ。事情を説明するのに
手間がかかりそうだけどさ」

「生き別れの姉弟とか」

「無理だな」

少しだけ何かが吹っ切れたかのようにレンは言うと公園を去っていく。洋介も去ることにした。
ここに居るのも、今までの積み重ねがあったからで失敗してしまったとしても、とりかえしの着かないことを
してしまったとしても、道を進んでいくしかないのだ。

「後頼む」

一言だけ言うと、走っていった。レンも走っていったからだ。少しすると、現れたのは日本人らしい男で年齢は
洋介と同じぐらいだった。しょうがなさそうに肩をすくめると倒れている男の一人を無理矢理起こすと胸ぐらを掴んだ。

「これ以上、近付くな」

それだけだったが脅しには十分すぎる威力を持っていた。

「もう一つ、あの人の情報を何処で手に入れた?」

「提供者が居たんだ……」

身を隠していたレンをどうやって見つけたのか、それを聞いてみると意外すぎる情報が手に入り、男は少し、驚いた。
そのまま話を終了させると、やがて携帯電話を取りだして電話をかけた。


「悪いけど、今は『ホーリーナイツ』に帰ることは出来ない。仲間が待ってるんだ」

「良い仲間だな。面白い、ライブはちゃんと聞かせて貰う」

「漆番隊も良いけれど、他の友達についても教えてくれ、今度、おごりで」

「……未だに覚えてたのか?」

「立場が違っちゃっているけどね」

ライブハウスの会場が見えてきた。外で待っていたのはレンの今の仲間である『Baroque Heart』の
メンバーとそして洋介のクラスメートである飛鳥たちが待っていた。梓が気付いた。遙が手を振っている。
これからライブがあるし、事情も説明しなくてはならない。色々と考えると頭が痛くなるが、とりあえずは、帰ることにした。
待っている……仲間の元に。


【Fin】





後書き

ゼクス:……なんか長いよね。相変わらず、これでもカットしたんだろう?戦闘シーンとか

フィーア:そうらしいよ……?テーマが隊長通しの(元もあるが)会話だったりするって

ゼクス:最後に出てきたのは当てて、日本人なんてそんなに居ないから

フィーア:読んでくれてありがとうございました。キャラを貸してくれた青猫さん、恵駆さん、ありがとうございます

ゼクス:名前だけならKさんのキャラも借りたよね。ありがとう

フィーア:没になったシーンって?

ゼクス:………が……に……とか色々。感想とか質問とか誤字脱字とか苦情とかはメールとかチャットでね。

フィーア:掲示板でも、では、次回があったら逢ってくださいね


 


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