共同戦線L&A


ライブ会場&街並編

ボクには、

あたしには、

俺には、


殺される理由も殺す理由もない。


そうだろ?生きる人たちよ。



「みんなー!今日のライブ最後まで聞いてくれて本当
ありがとー!!」
ここは、東京のある特設セット会場。
そこにずずいと詰まった人だかりの前に、台を隔てて
一人、マイクを持ってその塊に感謝の言葉をいう少女。
ちなみに、感謝とは、最後の盛り上げのこととも言う。
「それでは本日最後の曲、今まで魅せてない歌!
つまり本邦初公開『Air Baggage』!」
少女、麻宮アテナのその声がするとともに、
再びその人だかりは熱気に包まれはじめる。
「アテナー!」
「アテナちゃーん!」
「アテナさーん!」
…たぶん、あの長髪のテコンドー使いのアイドルおたくも
来ているのだろう。
「みんなー!はじまるよー!」
アテナの歌を歌うと言う声が会場をまた燃やす。
            ☆
で、ここは東京のまた別の場所。
「ん〜…四十円」
「う〜ぐ〜ぅ〜、ボクの描いた絵、そ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜んなに
買いたくない?」
街の中、人、人、人が行き通りするところ。
その  で、リリスはそれに深々腰かけている
中年の男と何やら話しこんでいた。
内容はリリスの描いた絵。
日本についてからというもの、彼女は絵を描いて、
行き交う人に売って自分の資金を稼いでいた。
ちなみに、主に風景画がメインで画力は中の上くらいか。
だが、いつもなら安くて五百円、高い場合は五千円の
場合で売れるこの絵が、(たまに鑑定もしてもらっている
らしい)今回はこれだけ。
絵の感じに変わりはないのに。
それで、今のようなことになっている。
「はう〜、十円単位は安すぎるよぉ」
「じゃあ、五十円」
「一緒だよぉ〜」
「じゃあ嬢ちゃん。これでひとつ」
男は一度立ち上がり、後ろのポケットからあるものを
取り出した。
それをリリスは絵と引き替える。それに
目を丸くする。
「はう?なにこれ」
            ☆
再びアテナ。
「おつかれさま、アテナちゃん」
「おつかれさまです」
誰もいなくなった野外ステージの裏でお辞儀を一つする。
普通ならこれで解散だが。
「アテナちゃん、明日からはどうするんだい?」
唐突な質問であった。
確かに明日からは仕事が空いている。
「どうって、何も決めてませんけど…」
「それなら丁度よいんじゃないかな。これ」
アテナにマネージャーはあるものを渡す。

DESINY。
運命がめぐりあわせるものは何。




「共同戦線L&A」温泉編1
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