「共同戦線L&A」

温泉編1

「はう〜」
そうリリスがいつもの声を出して喜ぶ場所。
「これが日本の風情の一つなんだね〜」
            ☆
あの時、あの人に、あの場所でリリスが貰ったあれ。
それは、老舗の温泉旅館
『彼心旅館(かれころりょかん)』と呼ばれる
場所のチケットであった。
今、彼女は、宿泊場所の三階の窓のベランダから
体を出して、風を受けているところであった。
旅館にきて最初にやることがそれというのもアレだが。
「はぁ〜っ。そうだ、お風呂に入ってこないと!
日本の楽しみって、いうし〜」
頭がボケボケモードに入っているのか、リリスは
その目的に向かう。
その時、月は輝いて見えた。
空も暗かった。
            ☆
彼心旅館には、正面玄関から旅館を挟んで
まっすぐある4つの風呂に、さらにそこから奥まった場所

ある2つの風呂があった。
その中でリリスは、正面から見て左から2つめの『矛泉』
に肩までゆっくりとつかっていた。
リリスの他には人はさっきまではいたのだが、彼女が
風呂につかり始めたときからあがる準備をしていて、
今はリリスを除き誰もいない。
            ☆
「はう〜」
どのくらい時がたったのかは不明。
リリスは風呂の暖かさに、頭にタオルを乗せた状態で、
半分寝てしまっていた。
…と、トーンの高い声が聞こえる。
自分ではない。
半分寝て、半分起きた状態でその声を聞く。
「…うぐ?」

            ☆
「ほら、起きて。ここで寝てると風邪ひきますよ?」
さっき聞いた声が聞こえる。
それも自分のすぐ近くで。
「うぐ…ボクは夢を見てるのかな…だって…
まだ…コンサートの途中……うぐぅ!?」
何やらリリスの体中に、首を針で刺されたような刺激が
走った。
びっくりして首を横に振り回して周りを見る。
「お客さま?あたしのライブでも、お風呂でも、
寝ないでくださいね?」
「う?……うぐぅ〜!!」


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