共同戦線L&A

PLEASURE 2

彼の名は、日野 壮介(ひのそうすけ)。
暇な毎日を潰すのを糧として生きる青年。
暇さえ潰せればそれでいい。
また、知られざる空手の手法『空拳』と『舞脚』を
扱うことのできる、格闘のセンスも一流の奴。

そんな彼が、なぜ、危険、かつ人間として認められるに
値しないことをしているのか。

「甘いんだよな。攻撃も、心理もよ」
壮介は、はかなげに地に顔を向けているリリスに向かい、
きつい言葉を投げ、背を向けてその場を去った。
…『去ろうとした』というのが、正しいか。
「ん?」
足首に、リリスの手がかかっている。
「…まだ、負けてないもんっ!!」
言葉は、間違ってない。
彼女が闘うことを忘れなければ、勝ちというのは
確定しない。
「……やかましいぜ!!」
言葉と一緒に、その足からリリスを振り払う。
「きゃあ!!」
少しばかり横に転がり、リリスは地面に傷ついて寝つく状
態となった。
「そこで、じ〜っとしてな」
壮介は倒れたリリスに向かい、そんな事を言う。
そのとき、リリスは気になるワードを発した。
「…う……どうして……」
「ん?なんだ」
「どうして…普通の人間のあなたが…こんな酷いことする
の…?」

いきなり会ったと思ったら、いきなりのこの仕打ち。
考えてみれば、確かにこれは普通のことではない。
どうして、いきなりこんなことをされるのか……

「さあな」
返答はそんなものだった。
「だけど、もう解るころなんじゃねぇの?
俺が人の身ながら、こういうことしてる理由をさ」
「え……」
いきなりそんなアドバイスを出されても、リリスには
何のことだかわからない。
壮介は、すぐ近くにある連なる木の陰に背中を預けると、
腕を組んであさっての方向を見ていた。
それは、待ち人。
「…遅かったじゃねぇの?ひょっとして………」
心のない待ち人。
「ごめんねぇ…そうだよ…遊んでたけど……」
そいつは、自分の手をその遊んでいた少女の腹部に刺した
まま、肩に血を浴びながらかついでいた。
「やれやれ、トガイ、てめぇって奴は……」
青年は、その男、トガイの常識をやや外した思考に、
頭を抱える仕草を見せる。
「…………あ………ア………」
一方、悲惨な友人の姿を目のあたりにしたリリス。
せっかく……
トモダチに……
なれたのに…………
「アテナああああああああああ!!!!!」
悲痛な叫び声が木霊(こだま)する。
「……う…」
その時、その言葉に反応を見せたのか、アテナの動きが
微かにあった。
「……アテナ?」
「…………ごめん………リリ……ス」
だが、もう力のなくなった彼女からは、それっきりだった

再びアテナは、トガイの肩の上で眠った。
「……アテナ……うっ」
リリスもまた、アテナの後を追うかのごとく、完全に
気を失った。
            ☆
「終わったな」
「…そうだね……」
「こいつら、どうする?」
「……僕に考えがある。…………………………なんて…
どうかな…」
「……やれやれ、もう好きにしろよ」

少女たちは、死ぬのか。
生きるのか。
選択は、二つに一つ。


共同戦線編 FIN

アテナ「えっ!?もしかして前後編なの!?これ!?」



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