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ROUND23:「ジェノバの占い師」

作者 タイ米

 『シャドルー』の情報を得る為、イタリアのガルシア
財団に向かったロバート。
(『シャドルー』か。前々から噂だけは聞いておったが、
遂に本格的に動きよったか…)
 その時、背後で妖しい気を感じた。
「誰や。ワイの側で妖しい気をプンプン匂わせておる奴
は…」
 後ろを向くロバート。
 そこには、気だけではなく、見かけも妖しい感じの女
性がいた。
「あんたか。何者や!」
 女性がロバートの問いに答える。
「私はローズ。ジェノバで占い師をやっている者です」
「占い師? そういや聞いた事あるで。イタリアでよく
当たる女性占い師がおる事を。あんたやったか?」
「ガルシア財団のロバート・ガルシア氏ですわね。お会
いできて光栄ですわ」
「ワイの事を知ってるんか?」
「イタリアで、あなたの事を知らない人はおりませんわ」
「光栄な事や。で、用事は何や? どうもサイン求めに
来たわけではなさそうやな…」
「冗談のうまい事。まあ、ここではちょっと話しにくい
ので、場所を移したいのですが…」
「ワイも財団の人間を待たせてあるんやが…」
「ご心配なさらず。財団の方には連絡してありますわ」
「!? どういうことや!」
「とりあえず、ついてきて下さい」
 よく意味がわからないまま、ロバートはローズの後を
ついていった。

 占い師、ローズの住む館。
 ここにやってきた二人。
 早速、ロバートが話を切り出す。
「そろそろ、教えてもらおか。あんたの用件を…」
「ええ。あなた、『シャドルー』という組織をご存知か
しら?」
 『シャドルー』。
 この女性から、そんな言葉が出るとは思わなかったロ
バートは、幾分か動揺した。
「噂だけならな…」
「本当に?」
「嘘はついとらんで。悪の組織の話なら、たまにこっち
にも入ってくるやさかい!」
「確かに。嘘はついてはいませんね。でも、完全に本当
の事もおっしゃっていないでしょう」
「何を根拠に…」
「心がそうおっしゃってますわ…」
「心!?」
 ロバートは全くわからない様子だった。
「顔で平静を装ってても、心は嘘をつけませんわ。あな
たは『シャドルー』の話を、春日野さくらという少女か
ら聞きましたね」
 見透かされてる。
 いや、心を読まれている。
 全て…。
「あんた、何者や? 『シャドルー』の事について知っ
てたり、心をそこまで読むなんて…。第一、ワイが話を
聞いたからってどないやっちゅうねん」
「私は、『シャドルー』のある人間と関係があるんです。
そして、用件なんですが、ある事をあなたに言いに来た
んです…」
「ある事?」
「これ以上、『シャドルー』について詮索なさらない方
がいいですわよ。あなたの為にも、周りの人間の為にも…」
 ローズの言葉にクエスチョンマークを浮かべるロバー
ト。
「どういう事や?」
「つまり、『シャドルー』は、あなた方の手に負える相
手ではないという事です」
 今の言葉に、反応したロバート。
「ほう。随分言うてくれるやないか。せやけど、それに
関しての心配は無用や。腕には多少なりとも、自信はあ
る方なんでね…」
「あなたの腕では、あの男には勝てないわ…」
「あの男? ワイの腕も知らんくせに、言い過ぎやない
か?」
 ロバートの感情が高ぶる。
「私は事実を申し上げてるだけです…」
「じゃあ、どないせえ言うんや! あんた、心読めるん
ならわかるやろ! このまま、あいつらの思う壺になっ
てええんか!?」
「そうは言ってません…」
「せやったら…」
「私が何とかします…」
 その言葉にさらに反応するロバート。
「今の言葉は聞き捨てならんな。つまり、あんたがワイ
より強いって言いたいんか」
「今のあなたなら、確実に…」
「ほう…」
 いきなり、立ち上がるロバート。
「?」
「そこまでの自信なら、ワイと一回立ち会ってみるか?」
 ローズはしばらくのまま、黙っていた。
「どないした? 達者なのは口だけなんか?」
「そこまで、あなたがおっしゃるのなら構いませんよ」
「決まりやな!」
「ただし…」
 ローズがロバートの目をジッと見る。
「どうなっても知りませんよ…」



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