KOFXXオリジナル小説
一月の蒼い月
08
作者 蓮華
| 「あの人、感覚がずれてるから……」 「で、どうなったんだ?……俺はバーでピアノを弾くのを休んでまで来たんだぞ」 言いながら鞄から小瓶を取り出すと、それを死体にかけていった。死体が灰化して、風にながれていく。 「……お前、誰だ?」 「暁とか呼ばれてるな」 「……化け物だよ。お前の方が……」 「奴がいれば良かったんだが、用事を頼んで別行動中だからな……」 暁は手甲のようなものを鞄の中にしまう。 「聖痕機関の…ヴァイツだったっけ?彼女を殺すの?」 「それは止めだ。人間だったし、それに別の化け物を見たし」 「どうするの?貴方?」 夕陽が聞く。ヴァイツは肩をすくめた。 「ヨハネに関しては向こうが何とかするだろうし、掃除のための人員は別のが送られてくるし…かといって 教皇庁に帰れば殺されかねないし、そろそろ愛想が尽きてきたところだ。元々、俺は建前だけのカトリックだからな」 「……建前って……」 「……聖痕機関は建前のクリスチャンでも良いんだよ」 「私のことは殺さないの?」 「吸血鬼になったら殺してやるが、まだ人間だ……それにアイツ殺した方がよっぽど良い」 「言えてるわ。たまーに私もそう想う時があるから」 ヴァイツは夕陽を殺す気はすでに失せてしまったらしい。コーラルがヴァイツの言葉に同意して肯いた。 「何だか……色々なことが起きすぎて、頭がこんがらがっちゃう……」 「まあ、良いんじゃない?とりあえずこの場は収まったで」 夕陽は苦笑いをしていた。白兎が届くような大きな声で喋る。 「……さて、宿でも探し直すか」 ある意味化け物と称された金色の目を持つ男はふと、空を見上げた。気が付かなかったのだが、そこにはもう少しで 満月になろうとしているが輝いていた。冬の空気に冷やされているのか、蒼く輝いて見えた。 金色の瞳が僅かに和んだ。 それから三日ほど経ち、空港に来ていた。最終便で日本から別の国に旅立つ。吸血鬼である夕陽のことを 考えてのことだった。夕陽は暁たちに着いていくことにした。普通の生活には戻れないことは解っていたからだ。 夜中に自分の家へとこっそり帰って、必要最低限のものだけ詰めた。吸血衝動よりも悲しみの方が多かった。 夕陽に関しては暁が何とかしてくれたらしい。寝ている両親にさよならを言うとまた泣いてしまった。 「何処に行くの?」 「気の向くままらしいが」 ヴァイツは聖痕機関を抜けた。死んだとしておいた方が良いかも知れない。もう教皇庁に愛想が尽きてしまったし それに夕陽や暁のことも気になった。人間である吸血鬼と、人間の形をしたある意味化け物にだ。 歴戦の修羅場をくぐり、この国でSランクを着けられた魔王と闘い、生き残ったが、彼の方が恐ろしいところがあった。 着いていっても良いかと聞くと呆気なく了承した。そう言う性格をしているようだ。 「とりあえずはアメリカみたい。広いからだって」 「安易な選択だなー奴は」 コーラルは十四才の姿に戻っていた。二十一才の姿が本来の姿だが、身体に負担がかかるようだ。 白兎はコーラルの肩からつり下げられている。 「楽だからな……行くぞ」 カラーコンタクトで瞳を隠した暁は搭乗ゲートの方へと促す。空港の硝子窓から、満月が見えた。 金色なのか青色なのかを確認しないまま、去っていく。これからどうなるのか、どうするのか 輝く月は知らず、知っているのは金色の目を持つ夜明けの名を成り行きで名乗っている青年だけだった。 【Fin】 後書き 何かやけに長い話でしたが頑張れば終わりました。ガンバルって事は 大事だね……なんか所々抜けているところがあるが 眠かったって事で……そう言えばこれに似たことを昔にやって 体をこわしたような……あははは。 月姫が密かに流行しているようですが、こっちもそれに似たような風で だけどあまりに流行しすぎているとそれもどうかなと想ったり。 KOFXXの割にはほぼオリジナルですが、完結して良かったなと コーラル、夕陽、ヴァイツ、暁、白ウサギとなっていますが ……年齢取るのが遅い連中ばっかりだ。 タイトルは.hackの主題歌の優しい夜明けの一部から では |
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