波間にて


車内で、プロトのほほは笑っていた。
「・・・・・ははははは・・・・・・・・は・・はあ・・」

金?ええ、もちろん払いましたよ。
いくらだったって?・・・知りたいんですか?
分かりました、教えましょう。んでは、ガルベットくん、どうぞ!!
「・・・・なーんか、いつにも増してやる気が失せるなあ・・」
こんな値段だそうです。皆さん、こんな事態にならぬよう、気をつけましょう。(他人事


「楽しかった、大宴会。」
「「「大宴会。」」」
「おごってもらった、大宴会。」
「「「大宴会。」」」
「みんなで行った、大宴会。」
「「「大宴会。」」」
「いつも心に、大宴会。」
「「「だいえ

「いや、どしたの?」
車から降りた途端の突然の卒業式にプロトはかなりめんくらっていた。
もっとも、現在あんまり対応できる状況ではないので、静かだが。

「・・・あの、あのだねえ、さんざん御馳走になったんだし、
 式を挙げつつ本日のお仕事お手伝いしよーかと・・」
少なからず、照れつつも、ひまわりの一体が言った。

「いやあ・・今日は仕事は・・」
「え?」
「やる気が出ないし・・眠いし・・頭痛いし・・(二日酔いで」

と、言いつつプロトはふらふらと車から降りて、そのまま歩き出した。
全くもって神・・うんにゃ、執行人をも恐れぬ発言に、
ひまわりたちは心の底から「やべー!!」と、思った。

「い・・いや、でもここでがんばれば――・・」
リヴィーナ嬢の粛正に巻き込まれてはたまらんので、ひまわり軍団は、
声を高らかにした。

「クリスマス休暇増えるかも・・」
「よおっし!さあ、今日も仕事だ――、手伝ってくれえお前ら。」

急に、プロトがしゃきっと歩き出した。
だが、休暇のせいではない。ましてやひまわりたちのおかげでもない。

ゲートの方にリヴィーナ嬢の影が見えたからである。


その後、何が起こったかは御想像に以下略。



波間にて END


 


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