ルリルダイアリー

11


=何だろう?=

廊下を歩いていると、ヘル兄ちゃんと会った。今度、新曲のためにまた外国を回るそうだ。
お土産を楽しみにしていようかな。リクエストとか着けようとしたら、
「屯雲は何処へ行った?」って聞かれた。「むーちゃんは私のラボに居るよ」って答えた。

ふらりと入ってきてご飯を探して、それから寝ていたり、のんびりしているのが
むーちゃんなんだけれど。

ヘル兄ちゃんはそれを聞いて、少し考え込むようにしていた。
「もしかして……」と言ったので聞き返したら、「屯雲ってヒモか?」と言われた。
それから一人納得するようにしていて「お前。人生破綻しないように気を付け……」と
言いかけたら、「イラつく……」といつもの台詞が聞こえて、振り向くとむーちゃんがいた。
キレていて、虐殺竜ジェノサイダーを出していた。
私が、ヘル兄ちゃんヒモって何?と聞いたら、答えようとしたヘル兄ちゃんに向かって
ジェノサイダーが向かっていって、それから喧嘩が始まった。

何が言いたかったんだろう?ヘル兄ちゃん。
むーちゃんは「気にするな。忘れろ」とだけ言っていた。


=聞いてみた=

離れることにして、逃走するように歩いているとシェイドが居た。
シェイドはサングラスをプライベート以外では外さないらしい。私はシェイドの素顔は見たことがなかった。
聞いてみたら、ディヴァインに頼まれた仕事を終わらせたんだって。
今度、またヘリコプターに乗りたくなってきた。

丁度良かったので、シェイドにヒモについて聞いてみた。
新聞紙とかを縛っているヒモなら知っているけれど、ヘル兄ちゃんが言ったヒモは別の意味が
あるような気がしたからだ。

シェイドは無言でサングラス越しに私を見て、「ディヴァインに報告をしなくてはな……」と言うと去っていった。

何か急いで居るみたいだった。


=闘いは続いた=

今度はユディにあった。じさまに逢っていたみたいだ。『ヴァジュラ』を改造して貰おうとしたんだって。
しばらく待っているようだった。丁度良かったので、ユディにヒモについて聞くと
目頭を押さえながら沈黙をしていた。

「俺が前に住んでいたところにも居たな……ヒモ」と言っていた。
ユディはイギリスの小さな町に住んでいたそうだ。昔を想い出すようにしていた。
私の故郷と言えば私自身が吹き飛ばしてしまって、もう二度と見たくもないあの場所だけれども。
「ヒモって言うのは人間としてはだな……」とか言おうとすると

ヘル兄ちゃんが飛んできた。

キレた表情をしていたむーちゃんとジェノサイダーが居て、ヘル兄ちゃんとユディがぶつかった。
今日のむーちゃんはカルシウムが沢山不足して居るみたいで、ユディはじさまが『ヴァジュラ』を
預けている代わりに代理で借りた剣を持っていた。

人間とヒモは関係があるらしい。ユディとむーちゃんとヘル兄ちゃんが喧嘩を始めた。
「原因はヘルレイオスだろうが!!」「こうなったら一連卓上だ」「だれが!?」「イラつく……」
何て声が聞こえた後で、破壊音が聞こえてきた。


=結局のところ=

止めたのはラルシャお姉ちゃんだ。吹き矢を持ってきて、最初にユディを次はヘル兄ちゃんを
最後にはむーちゃんを止めた。どうしてラルシャお姉ちゃんは吹き矢を使うの?と聞いたことがあるけれど
面白いからじゃ、と答えた。これにギルティも加わったらどうなっただろう、と怖いことを考えてしまった。
前に言われたことがあるんだけれど、私は頭が良くて、トランクとかを除けばどこにでもいる女の子と
変わりがないって言われた。確かに戦闘力って全然持ってない。

このまま寝かせておけとラルシャお姉ちゃんが言った。私は疑問に想っていたヒモについて聞いた。
それから、知っているだけの状況説明もしておくと、ため息をついた。

「……ヒモというのは……まだ主が知らなくても良い言葉じゃ」
言って、ラルシャお姉ちゃんヘル兄ちゃんに針を突き刺した。

後で聞いたら、致死量ギリギリの毒物を刺しておいたんだって。原因にはそれなりに……って。


=まあいいか=

特性のアップルパイとポットに入っているアップルティーをラルシャお姉ちゃんから貰った。
すっごく美味しくて、これを食べた後だと、他のアップルパイとかアップルティーは不味くて食べられるものじゃない。
食べようとしたら、不機嫌なむーちゃんが入ってきて、ソファーに座った。
私はパイカッターでアップルパイを切った。半分にした。アップルティーも入れた。

「ヒモじゃないからな」とむーちゃんは言うと、アップルパイを食べ始めた。
意味は分からなかったけれど、そうじゃないって事は良いんだろう。

「アップルパイ美味しいね」と言って「そうだな」って言った。

あわただしい一日だったけれど、何だかホッとした。
食べ終わったらどうしようかな……

後で考えよう。


 


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