ルリルダイアリー
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| =何だろう?= 廊下を歩いていると、ヘル兄ちゃんと会った。今度、新曲のためにまた外国を回るそうだ。 お土産を楽しみにしていようかな。リクエストとか着けようとしたら、 「屯雲は何処へ行った?」って聞かれた。「むーちゃんは私のラボに居るよ」って答えた。 ふらりと入ってきてご飯を探して、それから寝ていたり、のんびりしているのが むーちゃんなんだけれど。 ヘル兄ちゃんはそれを聞いて、少し考え込むようにしていた。 「もしかして……」と言ったので聞き返したら、「屯雲ってヒモか?」と言われた。 それから一人納得するようにしていて「お前。人生破綻しないように気を付け……」と 言いかけたら、「イラつく……」といつもの台詞が聞こえて、振り向くとむーちゃんがいた。 キレていて、虐殺竜ジェノサイダーを出していた。 私が、ヘル兄ちゃんヒモって何?と聞いたら、答えようとしたヘル兄ちゃんに向かって ジェノサイダーが向かっていって、それから喧嘩が始まった。 何が言いたかったんだろう?ヘル兄ちゃん。 むーちゃんは「気にするな。忘れろ」とだけ言っていた。 =聞いてみた= 離れることにして、逃走するように歩いているとシェイドが居た。 シェイドはサングラスをプライベート以外では外さないらしい。私はシェイドの素顔は見たことがなかった。 聞いてみたら、ディヴァインに頼まれた仕事を終わらせたんだって。 今度、またヘリコプターに乗りたくなってきた。 丁度良かったので、シェイドにヒモについて聞いてみた。 新聞紙とかを縛っているヒモなら知っているけれど、ヘル兄ちゃんが言ったヒモは別の意味が あるような気がしたからだ。 シェイドは無言でサングラス越しに私を見て、「ディヴァインに報告をしなくてはな……」と言うと去っていった。 何か急いで居るみたいだった。 =闘いは続いた= 今度はユディにあった。じさまに逢っていたみたいだ。『ヴァジュラ』を改造して貰おうとしたんだって。 しばらく待っているようだった。丁度良かったので、ユディにヒモについて聞くと 目頭を押さえながら沈黙をしていた。 「俺が前に住んでいたところにも居たな……ヒモ」と言っていた。 ユディはイギリスの小さな町に住んでいたそうだ。昔を想い出すようにしていた。 私の故郷と言えば私自身が吹き飛ばしてしまって、もう二度と見たくもないあの場所だけれども。 「ヒモって言うのは人間としてはだな……」とか言おうとすると ヘル兄ちゃんが飛んできた。 キレた表情をしていたむーちゃんとジェノサイダーが居て、ヘル兄ちゃんとユディがぶつかった。 今日のむーちゃんはカルシウムが沢山不足して居るみたいで、ユディはじさまが『ヴァジュラ』を 預けている代わりに代理で借りた剣を持っていた。 人間とヒモは関係があるらしい。ユディとむーちゃんとヘル兄ちゃんが喧嘩を始めた。 「原因はヘルレイオスだろうが!!」「こうなったら一連卓上だ」「だれが!?」「イラつく……」 何て声が聞こえた後で、破壊音が聞こえてきた。 =結局のところ= 止めたのはラルシャお姉ちゃんだ。吹き矢を持ってきて、最初にユディを次はヘル兄ちゃんを 最後にはむーちゃんを止めた。どうしてラルシャお姉ちゃんは吹き矢を使うの?と聞いたことがあるけれど 面白いからじゃ、と答えた。これにギルティも加わったらどうなっただろう、と怖いことを考えてしまった。 前に言われたことがあるんだけれど、私は頭が良くて、トランクとかを除けばどこにでもいる女の子と 変わりがないって言われた。確かに戦闘力って全然持ってない。 このまま寝かせておけとラルシャお姉ちゃんが言った。私は疑問に想っていたヒモについて聞いた。 それから、知っているだけの状況説明もしておくと、ため息をついた。 「……ヒモというのは……まだ主が知らなくても良い言葉じゃ」 言って、ラルシャお姉ちゃんヘル兄ちゃんに針を突き刺した。 後で聞いたら、致死量ギリギリの毒物を刺しておいたんだって。原因にはそれなりに……って。 =まあいいか= 特性のアップルパイとポットに入っているアップルティーをラルシャお姉ちゃんから貰った。 すっごく美味しくて、これを食べた後だと、他のアップルパイとかアップルティーは不味くて食べられるものじゃない。 食べようとしたら、不機嫌なむーちゃんが入ってきて、ソファーに座った。 私はパイカッターでアップルパイを切った。半分にした。アップルティーも入れた。 「ヒモじゃないからな」とむーちゃんは言うと、アップルパイを食べ始めた。 意味は分からなかったけれど、そうじゃないって事は良いんだろう。 「アップルパイ美味しいね」と言って「そうだな」って言った。 あわただしい一日だったけれど、何だかホッとした。 食べ終わったらどうしようかな…… 後で考えよう。 |
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