ルリルダイアリー

13


=暑かった=

七月になった。暑くなってきていた。エアコンをかけっぱなしにしている。ラルシャお姉ちゃんは
ほどほどにしなさいって言っているけれど、暑いし。
夏は私は好きじゃない。日差しが強くなってきているから、紫外線対策と言うよりも
私はアルビノで、色素がそんなにない。

だから余りお日様の光りを浴びられなくてそれって吸血鬼みたいだなとか想った。
外に出る時はカラーコンタクトをしていてかつらとかを被ってるけど
前にそのまま外に出て大変な目にあったから。

染めようかな……髪の毛。


=本を買った=

私は結構本が好きで、色々と読んでいる。今日は楽しみにしていたあの本が来た。世界中で流行している
あのファンタジー小説だ。分厚かった。買ったのは英語版だ。ドイツ語とかロシア語でも読めるけれど
早速読んでみたらやっぱり面白い。ファンタジー小説とかも好きなんだ。ディヴァインが集まれって
言っていたので私は本を読みながら向かった。

会議室に行くと、ユディとシェイドとむーちゃんとギルティとヘル兄ちゃんが乱戦をしていた。ユディは殺人衝動が
入ってなかった。天保院さんがタロットを見ていた。たまーにだが、天保院さんも加わることがある。
ヘル兄ちゃんが加わってるのは珍しかったけど、ボクシングの腕前が凄いから
その気になればボクシングのタイトルが2,3個取れるんだって。

本を読もうと座り込んだら、いきなり机の欠片が飛んできて、避けた。
そうしたら、読んでいた本が飛んでいって
ユディの剣とギルティの爪とヘル兄ちゃんのパンチとシェイドの剣とむーちゃんの攻撃で粉々になった。

バラバラじゃなくて粉々になった。
最初は呆然としていたけど、ページが読めないぐらいに粉砕されてて、分厚い本が跡形もなかった。
すごかったけど、すごかったけど。

まだ。途中だったのに。良いところだったのに。

気がついたら馬鹿ー!!って叫んで、泣いちゃって。そのまま部屋を出た。

ヘル兄ちゃんの馬鹿
ギルティの馬鹿
シェイドの馬鹿
ユディの馬鹿
むーちゃんの馬鹿

世の中の不況も環境問題も猫が猫なのも全部、みんなのせいなんだ。


=ルリルが去った後の状況=

ディヴァイン「……機嫌がなおらんな。それは」

後から来たディヴァインは言うと頭を抱えた。集まり所ではなくなってしまった。

ギルティ「たかが本を一冊焼いたぐらいだろうが」

アーリィ「知らないんですかぁ?ルリルちゃん楽しみにしていたんですよぉ?私だって借りるつもりだったんです」

教授「つまりそれは私が大事にしている椅子を粉々にされた時のような感じですね」

ヘルレイオス「ある意味雷よりも厄介だぞ……」

シェイド「当の本人は?」

ラルシャ「ラボにこもったのぅ……ジェロニモに何かを頼んでおったが」

ユディラス「全く……それもこれもお前のせいだぞ。挑んできて」

ヘルレイオス「お前みたいな殺人衝動持ちに言われてたくはない」

屯雲「…………」

シェイド「おい、言い争いは止めた方が……」

瞬間、怒濤の光の刃が降る

教授「責任はちゃんと取ること。良いですね?」

ディヴァイン「……教授……何故私にまで食らわせた?」

天保院「間違えた、とおっしゃってさっさとお帰りになりましたよ?」

アーリィ「マスター、大丈夫ですかぁ?」

ラルシャ「主等、そろそろ耐性を着けておくべきじゃ。出ないと妾が苦労するぞえ」

カノン「レパートリー豊富な奴だからな。さて、これからどうなるか…」


=ストレス解消=

ジェロニモからある物を貰ってきて、私はラボにこもって作業をしていた。ハロが慰めてくれたけど。
前に遊びで書いたアレ。吸血する青いサクラ。植物に関してはジェロニモの方が得意だから。
何をしてるの?ってミユキが寄ってきた。ミユキは私が作ったエイ型の生き物で、エイなんだけれど
空中を自由に飛び回ることが出来るから乗る時に重宝する。空中から体当たりをしてくれたり
ヒレは三十センチの鉄板もやすやすと切り裂いて、尻尾には高圧電流が流れてる。

怒ったからそっとミユキを離した。本当はレイダー(大きい蝙蝠)とかエビちゃん(蛇)とか
にしようとしたけど、我慢してファムにした。大きな反重力で飛ぶ白鳥型の奴。
いっぱい羽を飛ばしたり、羽で切り裂いたり出来る。

作った後のことは後に考えることにしてひたすら作った。
ファムもミユキにもシェイドとユディとギルティとヘル兄ちゃんとむーちゃんを襲っても言いよって
言っておいたから、ギルティ辺りはやっつけちゃうかもしれないけど、ミユキもファムも
ギルティに倒されるほど弱くないし。それに倒したらもっと恨んでやる。

本の怨みは恐ろしいんだから。


=誰だろう?=

時計も見ずに作っていたら、ドアがノックされて、誰も入れたくなかったから無視した。
そうしたらミユキが帰ってきて、何かを持ってきてくれた。前から欲しかったアレキサンドライトが着いた
マグネットピアスとトルマリンのブレスレットと十字架のペンダントが黒い箱に入ってた。

欲しかったのだけれど、高かったから、それに私にはまだ速いかもって想ったから
誰がくれたんだろう。何も書いてなかった。

嬉しくなったから、さっさとサクラを完成させて、試しに着けてみた。似合ってるのかな?
ハロはニアウって言ってくれたけど。
でも、何でマグネットピアスなんてくれたんだろ……イヤリングは耳が痛いし
私がピアス穴は開けるのが怖くて開けられないってこと知ってるって事だよね……


=お詫び=

次の日になって、ヘル兄ちゃんが悪かったって言って、私が欲しかったCDをくれた。
しかもそのアーティストのサインまで入っていた。シェイドはヘリに乗せてくれるって言って
だけど、ミユキとファムは襲わせるなって言った。相棒が傷ついたんだって。
相棒って言うのはヘリコプターのことなんだけど……。

ユディは本を弁償してくれた。ギルティにお金を半分出させたとかで。
ラルシャお姉ちゃんが機嫌が直って良かったと言っていた。

アーリィちゃんがアクセサリーが似合いますねぇ〜って、嬉しかったけど。
今日は天保院さんもジェロニモもじさまもディヴァインも見かけたのに。
むーちゃんと教授は見かけなかった。


 


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