悪闘L&A
「DARK PHASE 5」解体か爆発か
「…いよいよ本番、だね」
「そうね……」
赤いカバーの裏に隠れていたものは、幾重にも連なる
線であった。
(間違えれば、多分……爆発ね……)
真剣に幾重の線とにらめっこをするアテナは、リリスには
自分の持っていた懐中電灯の点灯のみを頼んだ。
「ライトで、ここをつけっぱなしにしてて」
「わかった」
懐中電灯でそこをリリスは照らす。
さらに明るくなった場所には、さらに線が多くなった
気がした。
ここからは、線を切って爆発を止める作業になる。
一つ間違えれば、たちまち爆発するだろう。
まずは、目前にある、縦に張った4本の白の線。
(…多分、全部切っていいんだ。けど…)
もしや、ということ。
成功と正反対にして最悪の結果が待っているかもしれない
。
本当に爆発はしないのか。
「…」
一つの線にアテナは手をかけて、カッターナイフで
切る。
…手前て止めた。
「…………」
やっぱり、恐い。
「切らないの?」
そのリリスの言葉も届いてない。
アテナの表情は険しかった。
そして残りの時間を見る。
(あと15分…)
☆
12:39.38.37.36.35...
カウントダウンはとまらない。
そんな中、線を切らなければいけない筈の女は、線の前で
線を切ることを躊躇していた。
(…)
やはり…
「ねえ……アテナ」
そんなアテナに、リリスは問を投げる。
アテナも振り向いた。
「何よ」
「信じようよ。自分を」
「……………」
そうだよね。
なにごとも、それから……
信じることから、始めていくんだよ……ね。
リリスの言葉で、雲に埋もれたアテナの顔が晴れた。
「ありがと、リリス。ちょっと、そういうこと……
忘れてたかもね」
「…それほどのことは…だよ」
にこっとリリスに微笑み、顔を軽く縦に振ると、アテナは
爆弾のほうに向いた。
そして、白の線は………
★
5:09.08.07.06.05...
白、黒、茶………
順に線を切り、残るは血管と同じ意味と色の線。
赤、青。
「あとは」
この二つ、とリリスは言おうとした。
が。
「待って。なにか嫌な予感がするの……
爆発が、あたしたちを呼んでいるような、そんな……」
「?」
☆
最後に残る2本の、赤と青。
まさにそれは人間の動脈と静脈だった。
つまりは、一つがマル。一つがドカン。
「……どっちが……」
カッターを握ったまま、アテナは呟く。
その手も、心なしか震えている。
こういう最後のしかけには、生死の確率というものはつき
ものだ。
流石にアテナも、今度ばかりは勘に頼りたくはなかった。
01:30。29.28.27...
爆弾の時計は、そんなことは聞いてくれはしないが。
「アテナ……」
後ろのリリスがアテナの肩に手をさしのべようとした。
「………よ……」
「!?」
「もうほっといてよ!!
どっちがこの爆弾の解除線かわからない……どっちが
ブービートラップかも解らないのに……
もう……どうしたらいいのよ!!話しかけないで!!」
振り向いて叫ぶ中に、涙がそこにあった。
「アテナ!!」
そんなアテナをリリスは一喝したが。
「超能力もなにもない……ただの女の子のあたしに……
ここからどう出ろって言うのよ……!!」
彼女は自分も知らないうちに、解体していたものに
手を挙げていた。
00:40.39.38...
(ここを壊させたくない……どうか、止まって……!!)
ドクン
(えっ!!?)
その時、封じられた力は覚醒する。
『…!!これって……』
そう、強いおもいが力を生む。
「悪闘L&A」6へ
「悪闘L&A」4へ
図書館に戻る