悪闘L&A
PHASE 1「波乱」
「どうなって…るの?」
「わかんない……」
アテナもリリスも、さっき見たものからは、
思いもしない現場を目撃していた。
ふたり、日野壮介と、トガイの、闘いあい……
「くらえ空拳!!うおらっ!!」
「どこを見てるんだい?ホォ!!」
パワーのあり、風の膜をも破る壮介の正拳突き。
それをトガイは足でさばいた。
「……ちっ、まだだ!!くらあああああ!!!」
「うおお!!」
今度の手は、当たる。
そんな模様に、ふたりの女たちは唖然としていたが。
「ど…どうしよう」
リリスがやや弱々しくアテナに訪ねる。
そのアテナは。
「……助けるわよ。彼を……ね」
顎に指を当てて返答をした。
アテナは、誰を助けるつもりなのか。
★
降りが激しい。
それも、流れ流れるように降る。
異常なほどに。
それはふたりの系譜なのか。
「舞脚だ……!!」
「ふふふ……ハアア!!」
互いの技はぶつかりあい、それぞれの効果を打ち消しあう
。
「はははははははは!!!!」
「でやあっ!!!」
相打ちが続く。
「野郎…これでもくらえ!!」
そ は拳を引き金状に手前にひいた。
そしてトガイも、長き爪を胸もとに構える。
ガシッ!!
同じあたりかた。相手。
壮介もトガイも、そこで一歩下がって間合いをとった。
「やっぱり………やるなァ」
息をつきながらの言葉である壮介。手で口元を拭いつつ。
彼は彼なりの、「喜び」としての闘いをしているから、
こういうことがいえるのか。
「そういってくれると嬉しいよ。だけどさ……」
そしてあまり動かず、含み笑いをしながら静か、静かに
語りかけるように相手に話をする、あいつ。
「僕が考えなしに相打ちを狙うと、思ってるの?」
そのあいつ、トガイの言葉の意味は。
「………なっ!!」
ドッ!ブシッ!シュルルル……
血が吹き出す。
服をケガス。
そして、人の醜さをさらけ出させる。
壮介はその辛さに、膝をガクンと崩した。
「………てめ……なんで……」
痛みをこらえつつ吠える壮介。
「……本当……馬鹿」
ただ、そういう言葉ほど、トガイという奴の狂った神経を
気持ちよくさせ、いいように高ぶらせるのだが。
「……カウンター……狙い……って言うのはどう?」
「うぐああっっ!!」
それを静か、かつさらりとこぼす。
それと同時に、奴は彼を斬った。
地に伏した壮介の体は、もう痛みに
耐えることはできないのか。
「さて……さようなら………………」
トガイの爪が、肉、骨、そして、血を横に開いた。
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