悪闘L&A


PHASE 3「サディストの調べ」

「こんなときでも随分おちついてるよね。あなたって」
「…誉め言葉……どうも……」
矢をつきつけてトガイを牽制しているのは、リリス。
だが。そんなことはそううまくいくものではない。
「……でも、動きを押さえただけじゃ……僕を止めて
おくことは……」

『無理さ』
            ☆
「お前になら……あいつの考えてること、話しても
いいよな……」
「あいつ……の?」
壮介が突然として口にだした、その思いもよらないこと。
「あいつ……って、たしかトガイとか」
「ああ」
確信に入ったことからか、アテナの目が大きく開いた。
そして。
「教えて。そのトガイの考えてることって……」
「ああ。言うさ。それは……」
今、真実が明らかになろうとしている。

「………ぁぁあああっ!!」
突然、二人の頭上に投げ出された子。
「ってぇ!!」
壮介はそれをよけられず、顔面でその子をキャッチして
しまった。
再び地面にいい格好となった彼。
「ごめん、あたしだけじゃ止められなかった…」
と。飛ばされて誰かの顔にまともにぶつかったリリス。
小さき体から、また血が流れている。
それも降る雨で流される。
「リリス!今治してあげるから」
「待ってアテナ……もう……彼は来る!」
「俺の存在は無視か」
リリスのアドバイスをよそに、まだ下敷きとなっている
彼がいる。

……リリスが止められなかった。彼とは。

「雨……なんていい……冷たさなんだ……」

「来たな……イカレ野郎」
壮介がたった今つけた、良くも悪くも意味が一つしか
ない愛称。

『トガイ』

「君が僕を見限るなんて……由々しきことだよ……
まったく」
「由々しきことねぇ……」
「……フフ」
その受け答えの後、トガイは長い長い爪をふりかざす。
爪という名のふたつの狂気が3人の目に向かった。
「……その前に……そろそろ……教えてもいいかな……
この子……日野壮介を……僕が力を合わさせたわけを」

「必要だったんだ。君たち二人、僕『たち』の
Projectにね」
「『Project』……?」
謎の言葉に、アテナはたじろぎ、
「なに…それ…?」
壮介の両肩を使って立ち上がったリリスは理解しているの

いないのか、そんな戸惑いの表情を見せ、
「何を考えてるんだよ…てめぇ」
壮介は淋とした感じでトガイにその言葉をぶつけた。
「…………………あせらずとも……
 今いうさ……………………………」

雨と雷鳴がくる。
激しく。
そしてトガイの語る真実は、さらにそれに拍車をかける
こととなるだろう。



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