カプエス
DJステーションシリーズ
『CSanon、プロローグ』
2
作者 KUSANAGI´さん
プロローグ2「アテナと拳崇の場合」
雪が降っていた。
灰色に曇った白い空から、白い細かい雪がヒラヒラ踊りながら
落ちてくる。
この街の冬に雪は特別なことではない。
「…遅いなァ」
どこか雪の降る駅前で、マフラーを鼻の上まで
ひきあげ、コートのポケットに手を突っ込んで体を丸め、
不慣れなビジター丸だしでベンチに座って両手に息を吐く。
少年の名は椎拳崇。修行のすえにサイコパワー"超能力"
を得た、自称、『ナイト』である。
ただし、本当はおっちょこちょい度120%の
コメディアン男で、
ナイトにしては情けないのだが。
やるときはやるが。
拳崇「待ってるで…」
約束の時間、1時を2時間過ぎていることは彼も
知っていたが、
彼は知る人を信じ、この寒さの中で待ち続けた。
鼻の中まで凍ってしまいそうな寒さであった。
また、思わず丸まってしまう。
と、そのとき、ふいに寒気が和らいだ気がした。
そのとき脚元に女ものの茶色いブーツがあった。
ブーツにそって視線をあげると、
すらっとした脚と、知っている形の制服と、
長いまっすぐな髪があった。
アテナ「雪、積もってるよ……」
その人、麻宮アテナが座っていた拳崇を見下ろしていた。
拳崇の頭には、確かに塊となった雪がある。
拳崇「…そら2時間も待ったからな」
アテナが拳崇の頭に積もった雪を払い落とすと、
拳崇はベンチから立ちあがる。
アテナ「一つ、聞いていいかな」
拳崇「お、なんや」
アテナ「今、何時?」
のんびりとした口調で訪ねる。
拳崇「3時や」
アテナ「……え。びっくり。まだ2時くらいだと
思ってたのに…」
言葉とは違って抑揚のない声。
だが相手の反応はこう。
拳崇「ううん、全然構へんて」
優しい待ち人の言葉が反応となる。
アテナ「えへへ。遅れちゃったお詫びに、これ…」
一本の缶コーヒーを拳崇に差し出す。
今の季節には欲しいくらいの熱さである缶コーヒー。
拳崇「あ、…悪いなぁ」
そう言って拳崇が手を差し出す。
アッチャアアアアア!!!アチィィィィ!!!
アテナ「あ〜!ごごごごめんなさい拳崇大丈夫?」
あまりのショッキングな出来事に動揺、
セリフまで棒読みとなっている。
缶コーヒーの底が抜けてしまって、拳崇にびっしょりと
かかってしまった。
拳崇「アチィィィィ!!!」
ちなみにこの出来事は、椎 拳崇KOF200X
やむなく出場辞退というハメになったらしい。
ちなみに麻宮アテナは、その時終了まで自分の治癒能力、
『リペアー』と『ヒーリング』を忘れていたらしい。
アテナ「あ〜ん!拳崇、ごめんなさ〜い!!」