カプエス
DJステーションシリーズ
『CSanon、プロローグ』
作者 KUSANAGI´さん
プロローグ3「リリスと…」
雪が降っていた。
灰色に曇った白い空から、白い細かい雪がヒラヒラ踊りながら
落ちてくる。
この街の冬に雪は特別なことではない。
「…遅いなァ」
どこか雪の降る駅前で、マフラーを鼻の上まで
ひきあげ、コートのポケットに手を突っ込んで体を丸め、
不慣れなビジター丸だしでベンチに座って両手に息を吐く。
寒い中、約束の時間、1時を2時間過ぎていることは彼も
知っていたが、
彼は知る人を信じ、この寒さの中で待ち続けた。
鼻の中まで凍ってしまいそうな寒さであった。
また、思わず丸まってしまう。
と、そのとき、ふいに寒気が和らいだ気がした。
そのとき脚元に女ものの茶色いブーツがあった。
ブーツにそって視線をあげると、
すらっとした脚と、知らない形の制服と、
短い髪と頭に生えた羽根があった。
リリス「雪、積もってるよ……」
その人、リリスが座っていた彼を見つめていた。
彼の頭には、確かに塊となった雪がある。
「…2時間も待ったからな」
リリスが拳崇の頭に積もった雪を払い落とすと、
彼はベンチから立ちあがる。
リリス「一つ、聞いていいかな」
「…なんだ」
「今、何時かな?」
いきいきとした口調で訪ねる。
「3時だ」
「……え、びっくり。まだ2時くらいだと
思ってたよ…」
やはりびっくりしている。
リリス「ねぇ、寒かった?」
「寒いな」
あっさり返される。それも雪、いや氷のごとく冷たく。
リリス「うぐぅ…いいもんっ!
どうせあたしは代理だもん!
デミトリっ!」
確かに、リリスの言う通り、ベンチにはデミトリが座っていた。
着ているコートやマフラーの所為で、いつもと違い貫禄がある姿とはいえないが。
デミトリ「フン。貴様のような小娘の相手をしてやってるだけでも
有り難く思え」
リリス「う…うく…」
その言葉の所為かリリスの目には涙が。
リリス「もういいもんっ!!」
あっ!リリス?
雪を蹴ってどっか走り去っていってしまった。
デミトリ「奴のことはいい。モリガンを呼べ」
いや、モリガンさんは…
デミトリ「昨夜騒いでで寝ている、だと…?」
話をまとめると、こうらしい。
3夜モリガンは空から街を見るだの、男誘惑するだのの
遊びを続けていたため、今日はモリガンのところへ
スタッフが起こしても起きなかったという。
そこで、イギリス某所に定住していて連絡がとりやすい、
リリスに急遽、出演を要請した、と
いうことらしい。
デミトリ「…馬鹿らしい理由だ、奴も話にならん、私は帰る!」
あっ、待ってください、デミト…え?なんで首ねっこ掴むの?
デミトリ「通行の邪魔だ!ミッドナイトプレジャー!!」