カプエス
DJステーションシリーズ
『新・BOFストーリーズ』
ライブ3
作者 タイ米
都内の高級住宅街から電車を乗り継いで4時間。
錆び付いてる街に存在する超オンボロアパート。
ここにB.O.F.、そしてキムプロを敵対視するプロダクションが
存在した。
ドラゴンプロ。
社長の山崎竜二、秘書の李香緋を中心として、芸能界を闇で支配すべ
く今までいろんな策を練ってきた。
だが、そのどれもがことごとく失敗。その度に借金が雪だるま式で増
えていく。
今日も社長は、アパートの一室で金勘定に精を出している。
「今月の収入…、一条あかりが3000円。オロチが5000円。残り
借金が…、アァ! 数えるのやめた!!」
社長の山崎が紙と鉛筆をばら撒く。
「社長、どうしたんですか? この頃、いつも以上に荒れてますよ」
香緋が心配する。
「これが荒れずにいられるか! あの響が、うちが手塩にかけて育てた
高嶺響が、よりによってキムプロに行っちまうなんて!!」
「育てた…、というよりただ利用しようとしただけでしょう。社長の場
合…」
その発言にピクッときた山崎。
「裁きの灰皿〜!!」
山崎が灰皿で香緋の頭を殴る。
ガツッという鈍い音が彼女の頭から聞こえた。
「いってぇ〜! 毎回毎回、灰皿で殴るのやめてよね! 私だって女の
子なんだし〜!!」
「るせぇ、関係あるか!!」
「もぅ! しっかし、これでますますキムプロとの差が広がっちゃいま
したねぇ」
そう言い、香緋は事務所にあった事務所の荷物をまとめる。
「おい、香緋…」
「それじゃ、社長。長い間、お世話になりました!!」
「くぉら、香緋〜!!」
ガツッ!!
またしても鈍い音が香緋の頭から。
「うぎぇ〜!!」
その場に倒れる香緋。
「ま〜たキムプロに行こうとしたな! んなこと誰がさせっか!!」
逃げられないように、香緋の体をロープでぐるぐる巻きにする山崎。
「わ、わかりました! もう逃げません。絶対!!」
最初は無視していた山崎も、香緋の必死の頼みに負けたか、ロープを
ほどく。
「しかし、確かにこの状況はまずい。あの超人気のB.O.F.に今や
勢いのある高嶺響までも奴らの手の中。このメンバーに対抗するには、
一条やオロチじゃとても無理だ」
山崎が冷静に状況を分析する。
「社長が!? 冷静に!!? 状況分析!!!?」
「いいから香緋もどうするか考えろ!!」
3発目の灰皿が飛ぶ。
「いててて! だったら、オーディションなんてどうです?」
「オーディション?」
「ええ、一般公募で。金の卵が埋もれている例も少なくないし…」
「そうか、なるほど。そりゃいい!」
山崎が香緋の考えに賛同する。
「よし、香緋! さっそくオーディション告知のチラシを作れ! 明日
までに一万枚!!」
「一万枚!? 無理っすよ! 社長も手伝ってくださいよ!!」
「そういう雑用は秘書の仕事!!」
「そんな〜〜!!」
体を猫背にしてトボトボ歩き、チラシの用意をする香緋。
翌日、気合で一万枚のチラシを完成させた香緋の体は、すでに干物の
如く、干上がっていた…。