カプエス
DJステーションシリーズ
『新・BOFストーリーズ』
ライブ4
作者 タイ米
オーディション当日。
すでに室内は用意が整っていた。
「おい、香緋。どれくらい来てる?」
山崎が香緋に聞く。
「ええ、金の卵が所狭しって感じっす!!」
「そうか。そいつぁ楽しみだ。それじゃ、早速始めようか!」
「へいっ!!」
オーディションが始まる。
「おい、最初の奴、入れ!!」
山崎が声をかける。
「失礼します…」
外から声がしたと思ったら、ドアが開かないまま、急にターバンを巻いた
坊主が現れた。
「な、何だ! いきなり!?」
この登場に驚く二人。
自己紹介を始める坊主。
「初めまして。インドからやってきましたダルシムと申します。特技はヨガ
と踊りを少々…」
「はぁ…。では、そのヨガというものを見せてもらおうか」
「わかりました…」
山崎の指示に従うと、ダルシムは急に腕を伸ばし始めた。
「ヨガッ!!」
数メートル伸びたダルシムの腕は、そのまま山崎の顔面にヒットした。
「痛っ!! 何しやがる!?」
「これぞヨガの神秘…」
ダルシムは座禅をしながら浮かび始める。
「それのどこがヨガだ〜!!」
山崎が叫ぶ。
「信じていただけない? ならばもう一つ…」
そう言い、ダルシムは口から炎を吐き出した。
「ヨガフレイム!!」
「あちぃ〜っ!! 熱いってんだよ!!」
火だるまになる山崎。
香緋が水をかけ、何とか炎は消えた。
「いかがでしょう…」
ダルシムは礼をする。
「いかがでしょうじゃねぇ!! 大体、このオーディションにヨガは関係ない
だろうが!!」
「でも、踊りもできるって…」
香緋が、山崎に言う。
「じゃあ、それ見せてもらおうか…」
席に座り直す山崎。
「ハッ…」
言われたダルシムは急にがに股になる。そして、手を叩きながらみょうちき
りんな踊りを始める。
「ヨ〜ガヨガヨガ…」
ダルシムの声が、さらに不気味さを演出する。
背後に寒気を感じる二人。
「え〜い! そのくらいにせんかい!!」
山崎が踊りを止めさせた。
「何だ! その踊りは!? 誰かに呪いでもかけてんのか!?」
「何を言っておられます。これでも我が村に伝わる由緒ある…」
「そんな踊りでブレイクできるかってんだ!!」
灰皿を投げつける山崎。
「ぬおっ!」
テレポートでその場を去るダルシム。
「ちぃっ。何なんだ、あいつは!?」
「まあまあ、次は大丈夫でしょう…」
香緋がなだめる。
「よしっ。次の奴、入りやがれ!!」
ドアが開く。
次の者が室内に入って行く。