カプエス
DJステーションシリーズ
『新・BOFストーリーズ』
ライブ9
作者 タイ米
街中に白いギターを持って歩く一人の少女がいた。
高嶺響。
その彼女に声をかける一人の男。
「やあ、響さん!」
声の方を振り向く響。
男は銀髪で、ジゴロ風の格好をしており、満面の笑みを浮かべていた。
「…あなたは、どちら様?」
尋ねる響。
男から笑顔が消え、体が小刻みに震え始めた。
「あ、あのなぁ。こうして毎日声かけているんだから、いい加減覚えろよ!」
「?」
響はまだ首を傾げている。
「俺の名はK´。K´だ! 俺はあきらめない。いつか君を恋の魔法でゲッ
チューするその日まで!!」
K´はどこからか急に花束を取り出し、響に渡そうとする。
だが、そこには既に響の姿はなかった。
彼女はK´の横を通り抜け、颯爽と歩いていた。
「くっ、この程度ではあきらめん!!」
そう言い、響の後を追うK´。
彼女もK´に追いつかれまいと必死に歩くスピードを速める。
「響さん!!」
K´がやっとこさ追いついた。
響は呆れた様子だった。
「一体何なんですか? 私はこれから、嫌がる真吾さんをつけ回さなきゃなら
ないというのに…」
響もやってる事はK´と何ら変わりない。
「実は今、大注目のバンドのライブチケットを押さえたんだ。よかったら、響
さんもどうかな?」
そう言い、ポケットからチケットを2枚取り出すK´。
「これだよ」
響がチケットを見る。
「BBB(トリプルビー)?)」
「ああ。俺の友人がこのバンドのライブを観て熱狂的なファンになったらしい。
響さんもアーティストだし、何か参考になると思って…」
珍しくK´がまともな事を言った。
響もその言葉に惹かれた。
「そうね。面白そうだし…。行ってもいいかもしれない」
「響さん、それじゃあ…」
その時、響がチケット2枚をぶん取る。
「あ…」
「ありがとう。真吾さんと一緒に行かせていただきます」
チケットを持った手を高々と振り、その場を駆け足で去る響。
唖然とするK´。
彼はそのまま、響の後ろ姿を見つめていた。
夜、屋台。
「ああ〜っ、畜生! 絶対に、絶っっ対におとしてやる! 高嶺響〜!!」
おでんを一人やけ食いするK´の姿があった。
「親父。ちくわとがんも、あと神楽ちづるの肩パットはんぺん追加だ!」
「ヘイ。肩パットは新品中の新品ですぜ…」
「おっしゃ〜! 今日は倒れるまで食うぜ、肩パット!!」
2時間後、本当に倒れるまで肩パットはんぺんを食べたK´。
そして、100人の神楽ちづるの踊りを見せられ続けるという『素晴らしい
悪夢』を見る羽目になるのだった。