カプエス
DJステーションシリーズ
『新・BOFストーリーズ』
ライブ12
作者 タイ米
キムプロ事務所内のソファーで一人眠る響。
その姿をキム、チャンとチョイ、BOFのメンバーが見守っていた。
「ふう。とりあえず、彼女の捕獲に成功したか。ご苦労だった、アテナ君」
キムがアテナに礼を言う。
「いえ。こちらこそ、いざという時の為の中国拳法が役に立って良かった
です。首に手刀一発入れたのが効いたみたいですね」
アテナが笑顔のままで言う。
(おい、何気に凄い事言ってないか?)
(どう解釈しても、暗殺拳にしか聞こえないぞ)
庵と京がヒソヒソ声で話し合う。
「どうしたんですか? 京さんに庵さん」
アテナが笑顔のまま、こちらを振り向く。
思わずたじろぐ二人。
「いや、何。こちらの話だ…」
「そうだ。こっちの話だ」
二人の返事を聞くや否や、響の方に向き直るアテナ。
(アテナには、なるべく逆らわないほうがいいな…)
(いささか不本意だが、同意せざるを得まい…)
京と庵は自分の身の安全を確保するのであった。
と、そこにK´が慌てて入ってきた。
「ひ、響さ〜ん!!」
響のもとに駆け寄るK´。
「OH! なんてこった! 響さんがここに連れ去られたのを目撃したから、
ここに来たが、何という仕打ちだ! 誰だ!? 響さんをこんな目に遭わせた
奴は!?」
京と庵がこっそりアテナの方を指差す。
それに気付いたK´。
「お前らか〜!!」
京と庵に対し、K´はいきなり暴れ始めた。
「な、何言ってやがんだ! 俺達は何もしてねえよ!」
「やったのはあの女だ! 笑顔振りまいて、いかにも『アイドルで〜す』みた
いな雰囲気を出してる…」
K´がアテナの方を見る。
アテナは相変わらず笑顔でこちらを見ている。
「何、女性に罪をなすりつけようとしてやがる! ああいう女性がそんな酷い
事するはずないだろう!!」
反論するK´。
「だから俺達じゃないって…」
「そもそも、何で俺達が疑われなければならんのだ!?」
京と庵が抵抗する。
「あ? こういう場合、犯人は最初に嘘の情報流す奴って相場が決まってんだ
よ!」
「ちがう〜、誤解だ〜!!」
「え〜い、そんな相場があるか! というか誰かこの状況を何とかしろ!」
その時だった。
「鳳凰脚〜!!」
キムの脚が3人まとめて吹っ飛ばした。
騒ぎはそれで落ち着いた。
「全く、今はそんな喧嘩をしている場合ではないでしょう!」
『ふゃい…』
3人同時に返事をする。
「ところで君。見かけない顔だが、一体誰だね?」
キムがK´に尋ねる。
「おっと、そういやBOF諸君はほとんど初対面だったね。俺の名前はK´。
世界の女性は全て俺のものさ…」
3秒で立ち上がり、どこから持ってきたか、一輪の薔薇の花の匂いを嗅ぐ
K´。
が、そこにキムのネリチャギが入る。
「教育!」
「いってぇ〜!!」
脳天に踵が激突したK´。
しかし、ストーリーの性質上、すぐに起き上がるのはお約束事だ。
「何しやがる、てめえ!?」
「君の言動は、教育上よろしくないものばかりだ。この場所ではなるべく慎む
ように…」
「な!?」
「ダンナのいう事は聞いた方が身の為だぜ…」
「これ以上逆らうと、アッシらのように更正の対象にされるでヤンス…」
反論を試みようとしたK´だが、チャンとチョイの表情を見て、ここは退い
た方が身の為だな…と悟るのであった。
「ん、そういや響さん。見ない間に随分化粧のイメージが変わったなぁ…」
やっと響の異変に気付いたK´。
ここまで引っ張りすぎである。
「そうなんです。BBBというバンドのライブを観た途端、こんな風に変わっ
てしまったんです」
ナコルルが説明する。
「BBBのライブ!? まさか俺が渡したあのチケット…」
「チケット?」
テリーが尋ねる。
「ああ。オススメだから行ってごらん、て言ったんだけど、まさかこんな事に
なるなんて…」
湿った表情になるK´。
だが、次の瞬間、全員の視線が彼に注がれた。
K´もそれに気付く。
「あれ、みんな。なんでそんな恐い顔してるわけ?」
『お前が結局元凶か〜!?』
「何〜!?」
七枷社ばりの悲鳴を上げたと同時に、K´は数分の間、全員分の超必をまと
めて喰らうのであった。