カプエス
DJステーションシリーズ
『新・BOFストーリーズ』
ライブ13
作者 タイ米
ドラゴンプロ事務所内。
キムプロ対策、そしてオーディションを勝ち取るための最強バンド+リュウ
は、一同に会していた。
今日は社長である山崎に、日頃の練習の成果を見せる日であった。
と、部屋に山崎と香緋が入ってきた。
山崎は非常に上機嫌であった。
「ありゃりゃ、社長さん。何かいい事あったんでっか?」
あかりが尋ねる。
「おうよ! これが喜ばずにいられるか! ヒ〜ッヒッヒッヒ!!」
笑いが込み上げる山崎。
「ねえ、香緋。一体何があったの?」
今度はシェルミーが尋ねる。
「ああ。高嶺響が今度のオーディション出場を辞退するそうよ」
「ほんまでっか!?」
驚くあかり。
「へっ。響の奴が勝手な行動起こして、遂には仕事の出来ねえ状態に陥ったの
よ。キムの野郎、タレントを大事に扱わないからこうなるんだ!」
「社長、あんたも人の事言えないんじゃ…」
「何か言ったか!?」
香緋に睨みを利かす山崎。
「何でもないで〜す!」
そう言い、黙る香緋。
「とにかく、これで有力候補の一角は消えた! 俺達が選ばれる可能性が更に
高くなったということだ!!」
「確かに、ライバルがいなくなることは俺達にとって都合のいいことだ…」
松田○作似の柳生十兵衛がつぶやく。
「とはいえ、ライバルがいなくなるのは少し寂しい気もするな…」
リュウがあさっての方を向きながら言う。
「ライバル増えて、何の得になるんだ? 全然わからねえぜ。てか、あさって
の方を向きながら喋るの、やめやがれ!」
山崎がリュウに言う。
「すまん。だが、これも雰囲気作りの為だ。わかってもらいたい…」
「わからねえよ! て、何の雰囲気作りだよ!?」
「社長、リュウにつっかかるとキリないですよ。それに今日はみんなの演奏を
聴くんでしょ?」
香緋が止めさせる。
「おう、そうだったな。お前ら、練習はちゃんとやったんだろうな!」
「無論…」
ダルシムが言う。
「よし! それじゃ見せてもらおうか! まずはバンドの方な!」
「オーケーや!」
スタンバイを始めるバンドメンバー。
その様子を見ている山崎に、香緋が尋ねる。
「そういや、社長。バンド名って決まったんですか?」
「おう!」
「へえ。何て名前?」
「『BOF』だ」
そのバンド名を聞き、唖然とする全員。
「社長! それってモロにパクってるじゃないですか! しかもよりにもよっ
てキムプロのバンド名なんて…」
香緋が言う。
「だから、あえてつけたんだ。『BOF』の名に似合うバンドはうちらだって
意味でな」
「訴えられますよ…」
「そうか? じゃあ、『真・BOF』でも構わねえぜ」
「あまり意味ないじゃないですか!」
「うるせえ! てめえ、秘書の分際でいちいち俺に意見すんじゃねえ!」
香緋に山崎の灰皿が飛ぶ。
「いって〜!」
頭を強打し、そのままうずくまる。
「全く、旅館の時から『BOF』って名前にこだわりまんな〜。社長さん」
「ていうより、私達のバンド名はとっくに決まってるわよ…」
「何!?」
シェルミーの発言に驚く山崎。
「『ASDYY』。メンバーのイニシャルから取ったのよ」
「すげえ、覚えにくい名前…」
「てか、『CYS』(クリス・シェルミー・社のバンド名)と同じ名前の
付け方じゃん。まさか、あんた発案なの? シェルミー…」
「う、うるさいわね〜! パクリよりましよ!」
山崎と香緋の文句を一蹴するシェルミー。
「とにかく、名前なんてそのバンドに実力があれば、多少長くても覚えられる
ものよ。見てなさい、そして驚愕するのよ! 私達の演奏に!!」
シェルミーが高々と叫ぶ。
他のメンバーも、演奏準備が完了したようだ。
「では、参る…」
ドラムのダルシムがカウントを取る。
いよいよ、ドラゴンプロの最強バンド、『ASDYY』の実力が明らかにな
る!
「社長…。何か嫌な予感がするんですけど…」
「あ? 何だ、香緋」
「こんな風に期待されて引っ張られる場合、大抵ろくなオチがつかないんです
が…」
「夢のない事を言ってんじゃねえ!!」
山崎の裁きの灰皿。
再びうずくまる香緋。
やはり、ろくなオチがつかないかもしれない…。
「コラ! 語りも変な事言うんじゃねえ!!」
(裁きの灰皿、炸裂)