カプエス
DJステーションシリーズ
『新・BOFストーリーズ』
ライブ15
作者 タイ米
「ああ。何で、こんな目に遭うんだかなぁ…」
顔中、傷だらけのK´。
というのも、響を使い物にしなくなった責任を取られて
の事なのだが…。
「高嶺響を元に戻せ、か。できるんなら、俺がとっくにそ
うしてるっつうの」
K´が愚痴をこぼす。
キム社長から、オーディションが終わるまでに、必ず、
高嶺響を元の状態に戻せ、といわれたのだ。
しかし、どうすれば元の状態に戻せるかわからないので、
とりあえずBBBが出るラジオ番組のスタジオに行く事に
決めたのだ。
「ああなったのは奴らのせいだからな。メンバーなら、何
か知ってるに違いない…」
スタジオに着いたK´。
しかし、周りは既に、BBBの熱狂的なファン達によっ
ていっぱいであった。
「かぁっ! こんなに多いのかよ。だから、人ごみは嫌な
んだよ…」
人ごみからちょっと離れたところで、メンバーを待とう
と、K´が移動しようとしたその時だった。
けたたましい笛の音がなった。
そして、K´の肩を取り押さえる。
「な、何だ!?」
驚くK´。
そこには、BBBのファンクラブの会長と思わしき、金
髪の縦ロールの少女が立っていた。
「まあ、新入りの男児でありながら、一番先にクリザリッ
ド様のお顔を拝もうなんて、2億年早いですわよ!」
「だ、誰だ。あんた?」
K´が尋ねた。
その瞬間、周りの空気がシーンと静まり返った。
そして、急に女性達からの非難をK´は次々と浴びる羽
目になった。
「まあ! ファンクラブ会長のかりん様をご存知ないなん
て! 非常識にも程がありますわ!!」
「いや、人間的に犯罪かと!」
「いやいや、生物史史上、あってはならないことかと!」
何だかムチャクチャな事を言われているK´。
しかし、仮にも彼はジゴロと呼ばれる人間である。
ここは、じっと耐え忍んだ。
そんな女性達の非難の声だが、ある時を境に、悲鳴にも
似た声に変わった。
この豹変ぶりは尋常ではない。
早速、確認しようとするK´だが、女性達にモミクチャ
にされ、なかなか顔を見れない。
「くそっ! くそっ!! しゃらぁぁ〜っ!!」
K´が気合一発、精一杯のジャンプをする。
一瞬だが、クリザリッドと思しき人物の姿が見えた。
(なるほど。あいつがクリザリッドか…)
K´が確認を終えた直後、クリザリッドがこちらに目線
を向けた。
「!?」
クリザリッドが一瞬止まる。
そして、こう呟いた。
「クローン、か…」
「!?」
今のセリフは小さいながらも、K´の耳にははっきりと
聞こえた。
着地するK´。
今の言葉の真意を確かめるべく、スタジオに入ろうとす
る。
だが、案の定、スタジオは関係者以外、立ち入り禁止で
あった。
「チッ…」
舌打ちをするK´。
とりあえず、ブースの中を確認できる場所があるような
のでそこに行ってみる。
相変わらずの人で、とても見れるような状況ではなかっ
た。
帰りこそ、その真意を聞こうとするも、クリザリッド達
は違う出口からサッサと帰ってしまった。
結局、響の元の戻し方は聞けず終いだった。
「クソッ。これじゃ、帰るに帰れねぇじゃねえか!」
手ぶらで帰ったら、それこそ超必の刑で済みそうにない。
KOF2002に出た連中なら、平気でMAX2を食ら
わしそうである。
「何とかしねぇとな…」
その時、K´の肩を叩く人物がいた。
先程のかりんである。
「な、何の用だい? お嬢さん…」
一応、ジゴロっぽく接してみる。
しかし、かりんの機嫌はとびきり悪く、今のでさらに害
してしまったようだ。
「あなたに、尋ねたい事があるのですけれど…」
かりんが口を開く。
「我らがクリザリッド様とは、どういうご関係ですの?」
いきなり核心をつく質問をしてきた。
だが、それはこっちも聞きたい内容であった。