世界規模格闘大会FOWについてのレポート
第六稿
さあてと、準決勝も終わったそうだし、そろそろこれを書き終えよう。
といっても、まだ何稿かは書いてしまうだろうが。
今回は、あの天井裏のやつについて書こうと思う。
警察からようやく情報が入ってきたので、そこから私が推理した事だ。
天井裏のやつは警報機であると思う。
私がやつに酒を与えた事で、なにか特別な事が起こり、それを察知して、
あの6月刺青が来たのだ。異常を確かめるために。
では、やつらは何者なのか。
警察の話では、あの男は、暦の関係者らしいのだ。
暦が、十二のグループの集合体である事はこの界隈に知れ渡っている。
そのうちの6月グループが、私に危険を感じ、
天井裏のやつ(警報機)と、6月刺青(実行、兼見張り役)
を、送り込んだのではないだろうか。
余談だが、あの男はインターポールに護送中、舌かんで自殺を図り、
その後、意味不明な言動を繰り返して、現在は精神病院だという。
ああまた話がそれた。元に戻してしまおう。
だが、私は疑問を感じる。
この筋書きで、つじつまはあう。
が、どうしてもあの鍵穴少年と、天井裏のやつとの関連が見えない。
別に関連が無いようにも見えるのだが、私の中の何かが、
しきりに何かを訴えるのである。
危険信号なのか、それとも好奇心なのか、邪悪への誘惑なのか、
それは分からない。
だが、私はこの感情を嫌ってはいない。
もっと煮詰めて考えてみよう。もっと知りたい。
そうそう、倫敦に行ってきた。無論、取材の一環だ。
そこで、前に書いた大道芸人に出会った。
噂にたがわぬ美青年であり、周りでは老若問わず女性が黄色い声を、
あげていた。
彼のショーを私は純粋に楽しんで、五ペンスほど支払って帰った。
去り際に彼がなにやら私に言った気がしたが、どうにも分からない。
何せ、周りは黄色い声で埋め尽くされていた物で・・・・
かれのショーはじつにユーモアにあふれ、華麗だった。
まるで瞬間移動のようにびゅんびゅんと動き回るのだ。
一見の価値ありである。
帰りの飛行機は香港経由であった。
機中で私はFOWの、チラシを広げている、三人組に出会った。
二人は男性、一人は女性で、なにやらこそこそと会話していたが、
三人の目は、私の経験から言うと、裏の人間の目であった。
暦の方だろうか、謎だ。
天井裏には今日は倫敦土産のフィッシュ&チップスをおいておいた。
専用のケースに入れたから油は回っていない。
あいつ・・・食うかなあ。
私はどうやらあいつに愛着がわいてきているらしい。今さらだが。
まあよしとしよう。どうせこの職についてから死は覚悟してる。
狂っていると思う感情にもなれた。
むしろ、私は今、狂っているといってもいい。
もういい、私はこのことに全てをささげ、骨身を削ってでも、
この大会の全てを解き明かそうと思う。
では、明日、私が目覚める事を祈って、今日はやめにする。
続きは、第七稿で。
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