『光に浮かぶ翼』

第2夜「MOON NIGHT〜目的のトコロに」


あの光は、
あの光は…
あの光は…!

運命の悪戯の始まりの光か。

「………っ」
買ったものを突然落とし、体を押さえて震えている。
夜だから寒いというわけこうしているではない。
悪寒がする。
その身が今にも砕けそうなほどに嫌な感じが。
「この感じ…なに…?」
耐えるのも苦しいような寒気に耐え、リリスはその場に
立ってものごとを考える。
今までで闘った相手…アナカリス、キュービィ、
モリガン、デミトリ…そしてジェダ。
いや、彼らでも、こんな狂気は発せない。
では、誰が…
(……まわりに…人はいないね…)
体を押さえていた手をほどくと、とりあえず、
自分の回りを確認する。
この道、今は回りには人どころか、
生き物の気配すらない。
それを彼女が確認した理由はひとつだけだ。
「…よし!」
そう言って、バッとリリスは着ていた服を一瞬で
脱ぎ捨て、
もとの姿…夢魔(サキュバス)の姿に戻った。
この姿なら、歩いて何日もかかる光るあの場所へ、
半日もないでいける。
「確かめなきゃ…ボクの体に悪寒が走る程の
強大な力の原因を!!」
リリスは光のある方向に向かってさっそうと飛び始めた。
            ☆
「時間…思ったよりかかってるなぁ」
飛んでいたリリスの目には、知らぬ間に朝日が
見えていた。
「それに…この感じも強くなってる」
目的の場所に近づくにつれ、リリスの寒気は強さを
増していた。
「…でも、ボクはいかなくちゃ!!」
それは自分に対する勇気づけの言葉なのかも。
ありったけの勇気を出して、
騒ぎの前触れかもしれないもの、再びくる悪夢の
前触れかもしれないもの。
彼女はそれを確かめるためにそこに向かう。
その目的の場所は、いまだ光をだし続けていた。

飛ぶこと約半日。
「やっとついた!!」
気がつくと寒気も消えていた。
そして、光も、すぐ目の前まで見える。
リリスはその場所に足をおとす。
ここは草原、何もない草原。岩や土など、
天然的なもの以外は見渡す限りなにもない草原だった。
いや、人工的なものでひとつ妙に目立つものがある。
かなり巨大ななにかの残骸のようで、非常に眩しい
光を放っている。
どうやら光の発信源はこれのようだ。
「これって…」
それに気づき、近づいて拝見するなりリリスは驚いた。
それは意外なもの。
意外すぎるもの。



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