氷炎の絆
作者 恵駆
第一章「引かれ合う運命の糸」
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| ※ 部屋を出たK´はホテルの屋上で夜空を見上げていた。 少し冷えた夜風がK´に容赦なしに吹きつける。 それでも、微動だにすることなく、K´は1人、思いつめたような表情をしていた。 「(KOF……俺が初めてそれに出場したはまだネスツの工作員だった頃だった……草薙京の力を移植され、奴を超える者としての名前を与えられた……)」 自分の右手に目をやる。 「(組織を抜けた後も、追っ手とのいたちごっこが日課のようなものだった……そんな中、2度目のKOFでクーラと出会い、ウィップから真実を伝えられ、俺はネスツをぶっ潰す決意をして……3度目のKOFで失われた過去と共に、俺は全ての呪縛を解き放った……)」 右手にグッと力を入れ、手に炎を纏わせる。 「(失われた時間を取り戻すために、俺はあいつらと共に生きてきた……それからしばらく時が経った後だったな、俺があいつと出会ったのは……)」 赤々と炎を上げる自分の右手をじっと見つめる。 「(はっきり言ってあいつは強かった……それに、今までのネスツの人間とは明らかに違う目つきをしていた……あいつは何もかも知っていた……俺達の持つ力も、失われた過去も……それからだ、俺がグローブに頼らずとも炎を操れるようになったのは……)」 勢いよく燃えよと言わんばかりに、K´は炎を纏った右手を高々と天に掲げた。 「(それからもことあるごとにあいつは俺達の前に姿を現すようになった……助けてもらったこともあれば、対立したこともあった……だが、あいつは俺達を裏切ったことは1度もなかった……)」 掲げた手を振り下ろしながら纏っていた炎を消す。 炎が一瞬巨大な火柱を象った。 「(俺があの2人の正体を知るきっかけを与えたのもあいつだった……あいつは全てを知っていたにもかかわらず、真実を俺に直接確かめさせた……そして、今度はあの2人……特にクーラ−αが真実を知る番になるのか……)」 そこまで頭の中で整理をつけたK´は、フッと鼻で軽く笑った。 「(ZERO……俺はお前を信じるぜ……)」 |