もう一つの未来〜もし、この星が…


NO.4

作者 クラッシュさん


「これだけやっておけば、そこらの雑魚ぐれぇなら楽々倒せるだろう…。」

訓練を終えたムロフシが一人で呟いた。
あれから、すでに4時間は起っただろうか…ムロフシの胴着は汗でびっしょりと濡れている。

「今日は張り切りすぎたな。俺にしちゃぁ、めずらしいな。」

散らかしたダンベルなどを片づけずに彼は訓練室を出ていく。片づけをしないところはいかにも彼らしいと言えるだろう。彼は少し疲れたのか、体のバランスを崩した。

「チッ…寝ておくか。」

彼は部屋までゆっくりと歩いていき、部屋に着くとさっきまで着ていた胴着を干し、違う服に着替えベットに眠りこけてしまった。



………………

…………

……

…またか…

何者かが、俺の目の前に背を向けて立っている。

…また、おまえか…

俺がそう言うとそいつはこっちを見た。

…俺じゃないんだろ?おまえは…

そいつは俺が寝るといつも目の前に立っている。
俺のようにいつも青い胴着を着て、長い髪…さらに顔つきまで同じ…
だが、そいつは俺とは違う。
額から右の頬にかけて爪のような傷跡がある。
そして、そいつの眼は…俺が全く感じたことのない悲しみがあった。

…おまえは何が目的でここに立ってるんだ?…

そいつはいつも口を開かない。

…おい、答えろ。…

その時、そいつの頬に一筋の涙が流れた。

…何故だ?何故、泣く?…

…教えろ!!何が言いたい!?何故、ここにいる!?そして、何故泣く!?…

そういうとそいつはまた背を向ける。


…答えろぉぉぉぉぉ!!…………………

……

…………

………………

「うっ…」

ムロフシは目を覚ました。汗がかなり出ていたのか、シャツがかなり濡れている。

「…チッ…またかよ。」

彼は時計を見た時、見回りの前の作戦会議の時間が過ぎてしまっていた。

「クッソ〜…あいつらぁ〜、俺を置いて行きやがったのか?」

ムロフシは微笑んでそういうと急いで、専用の戦闘着に着替えて作戦室に走っていった。



・続く


 

NO.5に続く
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