氷の上に咲き誇る花
第三話〜明日・・もとい、明後日へのきっかけ〜
作者 クラッシュさん
| ■あらすじ ホープを誘いに運動場に行った室伏だが、抱きつかれそのまま窒息してしまった・・・果たして彼は生きているのか?? 「ここは・・・?」 明るい光が顔に射し込んだ・・・ 「うぅ・・ん・・?」 室伏は、ようやく状況を理解した。おそらく、あのまま窒息して意識が遠くなりこの保健室のベットの上にいるのだろう・・。しかし、布団を掛けられていたにしても中がどうも生暖かい・・・と言うよりどう考えてもこれは人の肌の感触だ、湯たんぽなんかじゃない。成績がいくら悪い室伏もそのぐらいわかる。 室伏はおそるおそるその布団の中を覗いた。 「うわあぁ!!!」 仰天だった、天地がひっくりかえるかと思った。 まあ、大体お見通しでしょう・・もちろん、中にはホープがいた。 「お、おまっ・・♂°℃♀$☆@#%・・・♂+♀・・・」 おそらく自分でも何を言っているかわからないであろう。これを書いているクラッシュにもさっぱり理解できない。 「Zzz・・・」 ホープはうるさいにも関わらず室伏の胸元に抱きついて寝ている。 横から何も知らない人が出てきたらこれはただの変態にしか思われない。 「やべえ・・どうするかな・・・」 「Zzz・・・」 ホントに気持ちよさそうだ・・・・ 「きっと、疲れたのね・・・」 たまに聞いたことのある、この声の主は保健室の先生だった・・。 「あなたが倒れて・・もう5時間よ?」 「5時間も・・?」 室伏は驚いた。完全下校時刻がすでに過ぎているにも関わらずホープがここにいるからだ。 「あなたは幸せねぇ・・そんなに想ってくれる女性はそんなにいないわよ?その娘ね、室伏君がこうなったの私のせいだから・・って言って、帰っていいって言ったのにあなたにしがみついて5時間目も出なかったのよ?」 「こ・・こいつが?」 言葉がそれしか出なかった。内心、とても嬉しかった・・戦い以外でこんなに心臓がなるのも初めてかもしれない。 室伏はそっと・・ホープの頭を右手で寄せた。 「帰れば良かったのに・・バカだなぁ・・」 先生に聞こえないように呟いた。 先生は安心そうな笑みを浮かべて言った。 「もうちょっとここにいていいわよ?親には電話しておいてあげる。楽しんで?」 「ちょっと!楽しむって?何を!!?」 そういうと先生は保健室から出ていってしまった。 「馬鹿馬鹿しい・・たく・・・」 とは言うものの、室伏はすでにホープに引かれているのかもしれない。 ホープは寝ている・・保健室には2人しかいない・・しかも夜・・・ これはもしや・・・と期待してはならない、無論、室伏は女を襲うほど落ちてはいない・・・。 室伏はホープを見てコソコソ言った・・。 「俺・・お前の事・・好きかも・・・」 本当に声になっているかいないかの声だった・・・ 「なぁ・・ホープ・・聞こえないかもしれないけどさぁ、明日・・・買い物にいかないか?好きな物買ってやるよ・・。」 室伏にとってこれは練習だったのだろう・・・彼は緊張していた。 ・・が、しかし・・・ 「ホントォ・・?」 声が・・答えが聞こえた・・ 「ハァ?」 室伏は腹から息と同時に声を出した。 ホープはあくびをしつつ言った・・。 「明日は服を用意するから・・明後日でいい??」 「お・・おう・・。」 室伏はやっぱり驚いていた・・いつから起きていたんだろう・・? こいつよく見ると顔が赤い・・まさか、聞いてたんじゃ・・・。 そう思うと・・室伏も顔が赤くなった・・。 「もう、帰ろうか?大丈夫なんでしょ?」 「あ・・ああ、大丈夫。帰ろうぜ。」 二人は先生にお礼を言って帰ったという・・。 |