氷の上に咲き誇る花
第四話〜影×3人組〜
作者 クラッシュさん
| ■あらすじ ついに室伏とホープは明後日にデートの約束をした。 だが、果たしてこのデートは成功に終わるのか?? 午前8時 「ふあぁ・・・」 このだらしがないあくびは室伏だ。 「・・確か安倍川駅だったよな。うん、そうだな・・絶対そうだ。」 誰に聞いているかわからないがなんとなく一人で納得していた・・。 「ホープの奴、遅ぇなぁ・・・」 室伏は意外と時間にルーズだが、この日は特別だった。 自分から誘っておいて遅れる訳にはいかないっと思い今日は約束の30分前、つまり7時30分には、ここ、安倍川駅にいたのだが来るわけがない。 しかも、まだ待ち合わせの時間は2〜3分しか過ぎていない。 「まだかな・・・」 携帯電話の時間を見ながら何回も同じ事をブツブツと呟いている。 その後ろに、サングラスで帽子をかぶった男がコソコソした3人組いる。 一人はとても小さく、もう一人はオレンジ色の髪の毛がチョンチョンと出ている。この説明ですでにわかるであろう。青島、木原、市川である・・・。 「なんだ、まだ来てないじゃないか。青島、話がちがうぞ。」 市川が青島に向かって言い放った。 「うるせえなぁ・・あせるなよ。」 焦るように青島は答える。 「お前ら・・何で俺まで付き合わなきゃなんねえんだ!?」 木原は嫌そうに愚痴った。 「そんなこと言うなよぉ・・・おごってやるからさ。」 「テメエのおごるは、5円チョコ程度だろうが!!!」 木原は怒りながら青島に言う。 「しっ・・・ホープが来たかも・・」 市川が室伏の方を見て言う 「何ッ!!」 木原が即座に室伏の方を見る。 「何だと!?・・・って・・木原!!お前一番楽しんでるじゃないか!!」 ギャグキャラの青島が初めてツッコミを入れる。これは異例である。 一方、室伏は・・・ 「ごめぇん、室伏くぅん!待った??」 約束の時間より約10分遅れ・・ホープは来た。 「・・待ったなんてもんじゃねぇ・・・」 室伏は顔を上げホープを見た・・・ 「・・っ!!!」 室伏は驚いた。ホープがアクセサリー着用している。そして、スカートをはいて女性らしくなっている。 「あー、あー。ごめんね・・。こんな格好慣れてなく、おまけにアクセサリーも身につけるのに時間かかったし、スカートで自転車も嫌だし・・。」 ホープは言いたいだけ言ったのだろうか?少し間ができてしまった。 「まあ・・き、気にしてねえよ。」 どう考えても室伏はそう言いつつ、ホープに負けていた。ホープは女らしい格好が苦手でスカートはもちろん、アクセサリーだって身につけたのを室伏は見たことない、これが初めてだろう。 「どう?似合う??」 「あぁ・・?に、似合う・・ワ、ワケねえよ。」 どう考えても嘘だ。動揺しすぎであろう。ホープはそんな言葉は聞かなかったかのように、こう言った。 「アリガト!」 会話として矛盾はしている。しかし、この二人に矛盾なんて言葉は無かったように思える。 一方、3人組は・・・ 「室伏の奴・・・やっとホープの美しさがわかったみたいだな・・」 市川がボソッと呟いた。 「まさか・・お前が?ホープちゃんにあんな格好を?」 青島が質問する。市川はそれに微笑んで答える。 「ああ、あらかじめ、室伏は女っぽい奴が好きだって言っておいた。」 「そうだったのか・・誰かと思ったぜ、髪型も3つ編みだったし・・」 木原はそう言うとまた室伏の方を見る。 「あっ!!いないぞ!!あの二人!!」 「何ぃーーー!!」 青島と市川が大きな声を上げる。 「追いかけるぞ!!」 いつの間にか木原が指揮をとっているが、青島達はそんなことに気づかず、急いで、ホームまで駆けていった。 果たして、彼らの目的は?? |