氷の上に咲き誇る花


第五話〜復讐〜

作者 クラッシュさん


■あらすじ
室伏とホープは電車に乗り、静岡駅に到着した。
それを追いかける室伏軍団(親友軍団)果たして彼らの目的は?



室伏とホープは静岡駅に到着した。
「さて・・どこに行く?」
室伏はありがちなセリフをホープに投げかけた。室伏にとってはこれが最大の心使いなのかもしれない。

「うーん・・・公園で二人ッきりで歩かない??」
「二人ッきり・・って・・もうすでに二人ッきりじゃないか・・」
「とにかく歩きたい!この季節だと枯れ葉が落ちてきて綺麗だよぉー。多分。」

こいつ・・・贅沢はしないのか?・・っと室伏はそう思っていた。
もっとも、室伏にとっては助かることであろう。今日は財布の中が1万札2枚と小銭しかない。そうなってくると・・食事代、買い物代、電車賃全て無くなってしまう。しかし、内心、安心していた室伏に恐怖の言葉がのしかかった。

「それに、まだお店ほとんど開いてないからね☆」
「ヘッ!?」

まだ、8時半こんなに早く開く店があるだろうか?あるはずがない・・。
「まあ、いいか・・。行くか?公園に。」
「うん!行こう!!」
ホープは元気よく答えた。

そして、また後ろでコソコソする3人組
「ったくよー・・・どこ行くんだ?あいつら。」
青島は不機嫌そうに答えた。無理もないだろう。ここに来る途中に変質者に間違えられたからだ・・
「あっちは公園の方だなぁ・・・」
市川は冷静に答える。
「公園で何する気だ?」
木原は真顔で市川に聞いた。
「さあな、何なら二人に聞いてみな。」
サングラスを外した市川はわりと男前に見える。青島の変装グッツのセンスなんて信じられないほどダサイのでグラサンを外したらしい。
「なあ・・市川?俺らの目的ってさぁ・・・なんなんだ?」
木原はまた質問した。
「俺らは室伏の邪魔をする不良共を止めるんだよ。どうせ暇なんだろ?丁度、俺は暴れたいしな。」
市川はその時が来るのが楽しみのように笑っている。
青島が室伏達の方より右に視点を変えた。そこには、5人ほど感じの悪い不良がいた。
「ん!?あいつら見たことあるぜ・・・。確か、俺と室伏でボコボコにした野郎共だ・・・。もしかして、あいつら、室伏をつけてるのか?」
「かもな・・・。様子を見ようぜ。」
市川は微笑んで言っている。本格的に楽しくなってきたようだ。


一方、肝心な室伏はそんなことも知らず、公園を歩いていた。
「・・・。」
室伏はただ黙るしかなかった。今まで彼女と呼んでいなかったような、ホープと手をつないでいるからだ。

「ねえ・・室伏クン誰もいないんだからさ・・・」

ボーっとしている最中にホープの声に気がつく。ホープは目をつぶり、まさにキスしてください状態に走っていた。
「(こ、これは!!!!どうする?俺・・・)」
考えているかなり・・今の彼ならノーベル賞だってとれそうな脳の回転をしているだろう。
「(ヘッ・・しょうがねぇな・・誰もいないし・・)」
室伏もキスの体勢に入ろうとした時、図太い声がした。
「オイ、室伏。」
室伏はその声に気づき振り向いた。そこには以前倒した5人の不良がいた。
ホープもさすがに驚き、目を開けて、室伏の後ろに隠れた。

「今日は、女連れか?へえ・・その娘、俺の好みだぜ・・可愛がってやろうか?」
ホープも格闘家だが、草の一部でも無ければただの女性に過ぎない。さすがにホープも不良相手にしかも素手では戦えない。

「テメエなんぞに惚れられてもしょうがねえってよ・・・。ったく・・いい所できやがって・・・。」
室伏が吐き捨てるように言う。
「ヘッ・・減らず口叩くな・・お前に勝ち目はないぜ?復讐してやるよ。」
そう言って、そいつは自信気に笑った。
鉄パイプを持った5人の不良が相手・・・室伏には明らかに勝ち目はなかった。
「・・・なめてんじゃねえって、ゲス共が・・。」
室伏は笑いながら呟いた。
「死ねやぁ!!!室伏!!!」
不良達は全員で掛かってきた。

「イヤァ〜!!!」

ホープは涙のでそうな目をつぶって、腹から叫んだ。


 

第6話に続く
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