氷の上に咲き誇る花


第六話〜室伏軍団〜

作者 クラッシュさん


■あらすじ
室伏とホープが公園でデート中に不良軍団に奇襲をかけられた。
果たして、室伏達は助かるのか?



5人の不良に襲われた室伏達。室伏は勝ち目がないと言うのに笑っていた。
「くたばれやぁ!!!!」
不良の鉄パイプが大きく振り上げられていた。その時、室伏はホープの頭を持ち下にしゃがみ込んだ。それと同時に大きな声と同時に大きな音がした。

「デェイヤアアアアアァ!!!」
ガッ!!ガスッ!!ドンッ!!!

その大きな音と同時に3人の不良が吹っ飛んだ。残り2人の不良は何が起きたのか、わからず呆然と立ってきた。室伏のしゃがんで丸くなった室伏を飛び越えて3発の蹴りを不良にかましたのは、市川だった。

「遅かったな・・・智也。どこから覗いてた?まだ来てないと思ってたのによ」
室伏は笑って言った。
「何だ、わかってたのか?つまんねぇな・・・」
市川も笑って答えると、後ろから残りの不良が襲ってくる・・・
「テメェ!!!!!」
また二人は、大きく鉄パイプを振り上げた。
「智也!!」   「市川君!!」
室伏とホープは同時に叫んだ。

・・・だが、市川は笑って言った。

「あれぇ?お前ら、後ろはいいのか?」

そう言うと、その不良の後ろから、木原と青島が蹴りで飛び込んできた。
「オルァ!!!」
「セイヤァッ!!」
二人の不良は室伏達の方向に吹っ飛んできた。
「なんだ?なんだ?やっぱり雑魚か?」
青島が笑って言うと、木原も口を開く。
「雑魚ならまだいいぜ・・。あの時のような強すぎるヤツらよりは楽だしな。」
「ヤツら・・」とはおそらくKOFの出場者であろう。そこで、彼らはまた一歩一歩と強くなっていった。
「ヤロォ・・・こ・・殺してやる・・・」
不良の一人が立ち上がり、ブツブツと言いながら鉄パイプを拾って、青島の方に向かってくる。
「しねぇ!!!!」
室伏がそれに気づき、怖がっていたホープを無理やり離し、青島の方に走り込み、再び叫んだ。

「伏せろぉ!!!和哉ぁぁぁぁぁ!!!」
「ヘッ!!?」

青島は伏せた。

「ドライブ!!!キィィック!!!」
ガスッ!!!!
「グヲォ!!」
市川のキックのあとに、室伏のキックをまともに喰らった不良は声にならないような声をあげながら倒れた。ホープは血を見るのが怖かったのか、目を思いっきりつぶっていた。
「悪い・・・室伏・・油断した。」
青島は立ち上がって言うと、室伏が手を差しのべてこう言った。
「気にするな怪我は?」
「おかげさまで・・。」
室伏達は安心していたが・・・まだ甘かった。
「畜生・・この女だけでも・・」
さっき、木原と青島が吹っ飛ばした不良だ・・。
その不良は拳をホープに振ろうとしていた・・・。
「キャァァァァァ!!!」
ホープは怖さのあまり、声を上げてしまった。
「クソッ!!!」
室伏は全力で走った。室伏の足が並の人間より速いとは言っても、このメンバーでは明らかに遅い方に入る。おまけに、距離があった。室伏はあきらめると同時に悲痛に顔を歪めた。
「(マズイ・・・チ・・チクショウ!!!)」
走りながら目をつぶり、そう思うと、市川から雷がうなっていた。
バチッ!!!バチバチバチッ!!!!
「雷電殺ッ!!!!」
地面を這うように市川の必殺技が不良に向かっていった。
「ぐわあああぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!」
不良は叫ぶとマヒしたのか・・倒れてしまった。
「!!!」
室伏はそれに気づき、走っていた足を止めず、ホープの方に走っていった。
「大丈夫か??ホープ・・」
室伏は申し訳なさそうに聞いた。

パァァァァァン・・・・!!!

「つっ・・・!!」
室伏は頬に激しい衝撃を覚えた・・・。
すさまじい音だった。その音で、木の上のハトが飛び去ってしまった
「バカッ!!!」
そう言うと、ホープは走って去ってしまった。

「な・・なんでだ?」

室伏は訳が分からず、しゃがみ込んだ。
「・・・。」
市川達は黙るほか無かった。


 

第7話に続く
第5話に戻る
図書館に戻る