氷の上に咲き誇る花
第七話〜自己満足〜
作者 クラッシュさん
| ■あらすじ 不良達に襲われたが、そこに現れた室伏軍団。間一髪で室伏とホープ共に助かったが、ホープは自分より青島を選んだ室伏に腹を立てたせいか、走ってどこかに走って行ってしまった。 「なんでだ?」 室伏は、数分悩んだが、それを見ていた木原は呆れるように言った。 「お前、いいのか?追いかけなくて。」 市川も同じように室伏に言った。 「そうだぜ…女の考えていることわからねえが…、かなり、お怒りだったみたいだしな。」 室伏は少し考えたあと、答えた。 「そうだな…理由だけでも聞かなきゃな……。」 そうすると青島も・・・。 「そうだ、別れ話もそれからでも遅くない…。」 ガッ! 市川は青島を思いっきり殴り強く言った。 「オイ!!馬鹿!!室伏の心にダメージが……」 「ダメージなんてねえよ。」 そう言うもののかなり彼は落ち込んでいた。それを見た木原は 「室伏…お前やっぱりホープのこと…」 「言うな!!」 室伏は木原が大事なことを言う前に大きな声で叫ぶように言った。 「俺は自分の強さに自己満足するまでは女を愛さねえ!それはガキの頃から決めてるんだ!そうでもしなきゃ、俺は…本当の駄目人間になっちまう!」 市川はその言葉を聞くと怖い目つきで室伏を睨むように見て呟いた 「…なのに、愛してないのに…理由だけでも聞きたかったのか?………そうじゃないだろ?お前はあの娘が…ホープ・グリーンが好きなんだろうが!!それを、その気持ちを、自分で押しつぶしてるだけだろうが!!!違うか!?」 室伏は「好き」の二文字を聞きたくなかった。 今までの自分を支えてきたもの「友情」「自信」「努力」と言う言葉だが、恋人ができてもそこに「愛」と言う言葉は加わる事がなかった。室伏は、まるでその言葉から逃げるようだった…。 「てめえは苦手なものから逃げてるんだろ!?この臆病者!!」 「んだとぉ!!?」 室伏もここまで言われると怒りだした。市川はまた叫ぶように言った。 「なんだ!?俺が何か間違ったこと言ったか!?てめえには「愛」とか言うモノがないから勝てねぇんだよ!!そんな余分なプライドなんか捨てろよ!「愛」なんて俺にはわからねえだけどな…お前は中途半端なんだよ!!……自分のプライドに負けるんじゃねえよ…お前はわかってるんだろ?愛とか…好きとか…」 室伏は舌打ちをしたあと、市川に背を向けた…そして、 「そうかもな…、だけど、あいつは、ホープは、気づいたらあいつは毎日のように俺の視界に入ってくる…あんな女、初めてだ、俺なんかにつきまとうなんてよ。馬鹿にもほどがあるぜ。でも、やっぱり俺は……智也の言うとおり、ホープの事が……」 「ダアアアアアアァァァァァァァァァ!!!!!!」 室伏のある言葉が出る前に、青島が大声を出した。 「びっ・・・びっくりしたぁ!!何なんだよ!!」 室伏は驚いた様子で質問した。 「それは、ここで言う言葉じゃねえ!あそこで言う言葉だろ!?」 青島は橋のある方を指さした、そこにはホープがいた。 「ホープ…?」 木原は微笑んで室伏に言った。 「そうだろ…、やっぱり心配になって戻ってきたんじゃねぇ?」 市川も満足そうに微笑んで励ますように室伏の背中を叩いた。 「行って来い!戦って来い。自分と・・・」 市川がそう言うと室伏も背を向けたまま微笑んでこういった。 「ここで別れようが何だろうが…絶対に最後には言ってみせるぜ…」 市川は室伏が考えてる事がわからなかった… 「何を言うんだ?」 「最後には絶対「自己満足」って・・・言ってやるさ。」 そう言うと室伏は走ってホープの方へ向かっていった。 |