「共同戦線L&A」
旅館内編
彼心旅館、『枝阪の間 弐百拾六』
窓の見える方角に見える時計は八時を指そうとしている。
紫の髪をした子供は、とっくに浴衣に着替えて、
机に腕をついて星空を見て…………
「はぁうぅ〜……お〜そ〜い〜よ〜ぉ〜…ふわああ…」
誰かを待っていた。が、その人が何かと遅いあまり、
「はうー」や「ふわー」がさっきから出てばかりで
ある。
……さっき、「うぐぅ」とも言ったような気もするが。
「…リリス、いる?」
その時、ノックの音と声がリリスを呼ぶ。
「……うぐぅ……遅い……」
言葉と同じで声も潰れている、すねた声。
「ごっめ〜ん」
「うう!ホントに遅いよぉ!!」
アテナがリリスの部屋に遊びにきたのは、
約束の時間から20分を過ぎてからのことであった。
☆
まあ、楽しみが始まれば、そんなことは忘れられる。
まず二人がいった場所は、旅館内のカラオケボックス。
金を払ってテーブルをかこったような椅子に着席すると、
そのテーブルに置いてあった2つの曲目の本に二人して
目を通す。
最初に反応を見せたのはアテナ。
「あっ、もう『Ordinary Life』入ってるんだ」
ちなみにこの曲は彼女が少し前に出した持ち歌らしい。
「ほえ〜、この曲ってたしか、えーと…え〜……
き……きん……ききき……」
リリスも気になった歌を見つけたが、その歌の歌手の
名前が読めず、また意味不明な声を出していた。
「はう〜、ほえ〜……うぐぅ〜………」
最後の『うぐぅ』が、やけに高く聞こえた。
「ああ、『KINKI BOYs』ね」
そんなリリスにフォローを入れるアテナ。
それによって少し気持ちが和らぐリリス。
「はう〜、ありがと〜」
いつのまにか、二人の間に、何かがあろうとしていた。
「あ、そうだアテナ。この『GREEN LEAF'S』って
なに?」
また何か聞くリリス。
「……女の子の口からはちょっと…」
「気になるよ〜」
……GREEN LEAF'S。日本語役で、○っ○隊。
楽しく、ある意味おかしく、でも面白い時間を、
そんなこんなして二人は過ごしていった。
「一緒に食べにきちゃった」
「ほえ!?だったら一緒に」
「はう〜、またババひいちゃった〜」
「残念ね。ということでこれであがり」
「と、ちょ、ちょっと待ってよ!」
いつまでも鳴っている目覚ましやオルゴールのような
楽しさを過ごして…
そんないいものも、止まるときが来る。
暗闇の時、深夜に、紫は目を覚ます。
ある声で…
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