SNKvsCAPCOM
ROUND4:「最後の賭け」
作者 タイ米
京とリュウの白熱した試合が行われてる中、そのTV
中継を車の中で確認する者達がいた。
「草薙京か。この男、なかなかやるではないか…」
赤い軍帽、黒いマントに身を包んだ男が呟く。
「草薙京。KOFの日本代表。その力は世界においても
トップクラスだとか。全日本異種格闘技選手権の94年
度優勝者でもあります」
パソコンにある草薙京のデータを見ながら、赤い軍帽
の男の部下と思われる少女が淡々と説明した。
「そうか。しかし、リュウ相手にここまでやるとは。こ
の男、相当に使えそうだな…」
「リュウ捕獲の為に、日本にやってきたわけですが、ど
うなされますか。ベガ様…」
ベガと呼ばれた男は少し黙ってから、こう言った。
「この男の力を使わない手はないであろう。キャミィよ。
彼もこの『シャドルー』の戦闘員の一人として引き入れ
ようではないか…」
「了解。車を…」
キャミィと呼ばれた少女は、運転手に車を出すよう指
示した。
その通りに従う運転手。
目指す先は、全日本異種格闘技選手権の会場であった。
「闇払い!!」
「波動拳!!」
互いの炎と衝撃波が相殺しあう。
あれから、何分試合が続いているだろう。
全く、力は五分と五分だった。
「フンッ!」
「でやっ!!」
互いに攻撃を仕掛けては防御をする。
この繰り返しが延々と続いた。
おかげで、二人の息もかなり上がっている。
「ハァハァ…、くそっ! これじゃ埒が開かないぜ!!」
「かなりやるな、彼も。堅い守りのおかげで、なかなか
突破口が開けない…」
二人はまたもや同時に突進する。
攻撃がかち合い、拳同士の鈍い音が響く。
再び互角の打ち合い。
こうなってくると、もはやスタミナ勝負。
どちらかが早くバテるかで明暗が分かれる。
「セイッ!!」
リュウの正拳突きが、京の顔に突き刺さった。
「草薙さん!!」
真吾が叫ぶ。
「調子にのるなよ!!」
すかさず、京がリュウの顔に強烈なパンチを返す。
それが、今度は何回か続き、ついには相討ちにまでな
った。
二人とも、足がぐらつく。
共に今の一撃は相当、足に来たようだ。
まともに打ち合えるのもそう長くはない。
しかし、二人は打ち続けた。
攻撃が当たれば、返され、こっちが返せば、また貰う。
もう、応援の声すら観客は上げる事ができなかった。
それぐらい凄まじい試合に決着はつくのか、と誰もが
思った。
その時、リュウの攻撃を京が後ろに避ける。
そして、その反動で上空に跳び、弧を描きながら、リ
ュウの頭上を狙う。
「R.E.D.KicK!」
「甘い! 昇龍拳!!」
蹴りに当たる場所から、軸を微妙にずらすリュウ。
紅丸を倒したアッパーカットが上空の京に襲い掛かる。
「まずい! カウンターだ!!」
真吾が叫ぶ。
「チィッ、させるかぁっ!!」
京は掌に炎を集約させ、それを薙ぎ払う。
「くっ!」
それは炎の壁となり、昇龍拳の道を遮った。
「こんなところで、昇龍拳は破れはしない!!」
炎を強引に突き破った昇龍拳は見事に京の顎に突き刺
さった。
「ぐあっ!!」
ダウンする京。
だが、それはリュウも同じだった。
京の炎を突き破る際、体の部分に残り火が付着してい
たのだった。
何とか転がり、火を消すリュウ。
しかし、体力はかなり消耗していた。
レフェリーが両者に対し、カウントを取る。
二人とも、同じカウントで立ち上がった。
とはいえ、体力はもうほとんどない。
両方とも立っているので精一杯だ。
「チィッ! 炎でも防ぎきれないとはな。喰らった時は
ヒヤヒヤしたぜ…」
「想像以上に炎のダメージが大きい。これ以上喰らった
ら後がない!」
二人とも、これがラストチャンスだと悟ったようだ。
(決めるにはこの技しかない。無式!)
(もう、この技に全てを託す他はあるまい。真・昇龍拳
に!)
二人は構えた。
そして、力を溜めた。
最後の一発に全てを賭ける為…。
同じタイミングで呼吸する二人。
次に息を吸った時、最後の激突が始まるだろう。
両者共、そう確信した。
そして、息を吸い始める。
(今だ!!)
両者とも、最後の力を振り絞り、突進する。
「これに全てを賭ける! 最終決戦奥義…」
「俺のこの技を受けてみろ! 真…」
両者とも目と鼻の先にまで近づく。
そして、二人の間に再び大きな火柱が上がる。
「無式!!!」
「昇龍拳!!!」
凄まじい衝撃が会場中を包んでいった。
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